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2006年04月20日

新宿末廣亭四月中席(その3)

バカか私は。まあ、千秋楽は残念ながら行けないので、見納め。

割と早めに着いて、中入り前から三遊亭圓雀(確かにゅうおいらんずのメンバー)の「紙入れ」、鏡味正二郎の曲芸、古今亭壽輔の「しりとり都々逸」、三遊亭夢太郎の「たが屋」(昨日と同じネタだ)。

中入り後は〆さばアタル/ヒカルの漫才、昇太の「そば清」、米助の「新聞記事」、東京ボーイズの漫謡、と来て籐志楼かと思ったら小遊三が出てきて「高田文夫がまだ来ていない」ということで談志の悪口の雑談でお茶を濁して去る。

で、トリが籐志楼となって、マクラのゲストは東貴博(Take2)だったがこれはあまり面白くなかった(笑)。ネタは「火焔太鼓」。このネタは、小学生の頃(もちろん録音だが)志ん生のを聴いたのが最初なので、うーん、さすがにちょっと厳しかった。面白かったけど。

この日は昇太の「そば清」が一番馬鹿馬鹿しくて面白かったかなあ。あと全体に、マクラとか漫才のネタで早速アイフルが取り上げられていた。それぞれ笑う。

落語とは関係ないが、この日は二階の一番後ろに座ったが、窓を開けてくれたので涼しい風が通ってなかなか風情があってよかった。外の酔客の声が聞えるのも、かえって面白い。

あと、修学旅行?の中学生が多数。案外大人しく観ていたので感心だが(曲芸とか真剣に受けていたのが可愛い)、時間の都合か途中でぞろぞろ大勢で帰るのは迷惑(これは学校側の責任)。終わるのはせいぜい九時過ぎなんだから、最後までいさせればいいのにな。

2006年04月18日

新宿末廣亭四月中席(その2)

四月中席八日目。今日は昇太と東京ボーイズが休み。〆さばも出なかった。代演は漫才が宮田陽・昇、曲芸が大神楽の翁家喜楽、落語は(こないだも観た)桂幸丸(ネタも前半はほとんど同じ)。

で、前回観られなかった桂米助は、「寝床」をもじった「野球寝床」。ロッテの重光オーナーが、関連会社の社長や社員を誘ってロッテの試合を観に行こうとするが、みんなにいろいろな理由で断られる。噺は面白いが落ちが難しそうだなあと思ったら、時間が来ました、といって下がってしまった。あとでちょっと調べてみたら、途中で下がった、という証言が多かった。

籐志楼は、円楽の悪口のあと清水ミチコがお茶持って登場し、そのまま隣に置いてマクラ(これは嬉しかった)続けたのち、今日休みの昇太作の「力士の春」。あーくだらなかった。昇太の似てないが特徴をつかんだ真似など面白かった。さすがに八日間皆勤で疲れていたようだが。

主任の三遊亭小遊三は「弥次郎」。特に感想は思いつかないが、それなりに笑う。

ちなみに今日はちょうど中入りのときに入ったが、二階席開けててなおかつ立ち見の盛況であった。

2006年04月15日

寝ずの番

マキノ雅彦監督。新宿スカラ3にて。

粋な人たちの野暮な粋さ、と、日本人的な葬送の妙な明るさについての映画と思った。

粋を知り尽くした人たちの春歌下ネタの下らなさ過ぎるが故の面白さはすごい面白くカラッと爽やかだ。一回りして肛門期に戻ったかのような下ネタの全編に亘る応酬はめちゃくちゃ楽しい(ちなみに私がここ数年の間に思いついて言わなかった下ネタは、「欲情するならタネをくれー!」と、「世界にひとつだけの魔羅/ひとりひとり違うカリを持つ」)。さらにちなみに、蛭子能収演じるただの素人の親戚の役は、粋人たちの下世話な粋さを際立たせるための薬味のような役割と思った。

大事な人が死んだすぐあとはなんだかわけがわからなくて悲しく混乱するのに、いつの間にか酒を過ごして陽気に笑っているという感覚には、すごく共感できた。今までに同じ年代の友人を四人、年上の友人を一人、肉親を二人亡くしているが、通夜の席や葬儀のあとの会食の席はだいたい妙に明るい。

そういった感じをさらっと、娯楽映画として成立させるために現実よりもちょっとだけ過剰に描いた手腕は、マキノ姓を継いだことを納得させる出来映えと思った。役者陣も皆素晴らしいが、木村佳乃と高岡早紀が最高。

2006年04月14日

藤田嗣治展

東京国立近代美術館にて。仕事中、ちょっと時間が空いたので覗いてみる。

会場はすごい混雑。歌舞伎座の幕間の売店コーナーかと思った(客層も同じような感じである)。

これまで個人的にあまり馴染みのなかった戦争画と宗教画を、主に眺める。戦争したくなくなる戦争画と、どこか茶化したような宗教画。面白い。

「黙示録」(1960年)の三枚(七つのトランペット、四騎士、新しいエルサレム)など、効果線みたいな線も使っていて漫画のようである(全体に漫画的な絵だとは思っているが)。「黙示録」はどこかで観たことがあるなあ、とすぐに思ったのだが、多分古屋兎丸の絵に似ているのだと思う(古屋兎丸が似ているもしくは似せた、のだろうけど)。

あと「猫」(1940年)だが、顔の要素(耳、目、鼻、口)の輪郭だけをなぜ細い筆で線描しているのだろうと、ふと思った(全体に、輪郭を取るのが特徴だが、この「猫」では顔の部分だけである)。Photoshopでビットマップ画像の上に別レイヤーでパスを乗せたような変な感じを改めて感じたが、別にそんなに話題にするようなことではないのかもしれない?

展示作品リスト

2006年04月12日

新宿末廣亭四月中席(その1)

11日(昨日)から20日まで。

夜7時の中入り後から、

漫才 〆さばアタル/ヒカル
落語 春風亭昇太
落語 桂米助
漫謡 東京ボーイズ
落語 立川籐志楼
主任 三遊亭小遊三

である。豪華だ。期待した以上の夜。昔はこうだったろう、現在とつながっている寄席であった。東京ボーイズも雀30羽大量死を早速ネタにしていた(今日は鳩もたくさん死んだそうだが)。

しかし米助と小遊三は二日目にしていきなり休みだったが(高田文夫に早速ネタにされていた)、代演が桂幸丸昔昔亭桃太郎(もしくはこちら)だった。幸丸は芸能界話の雑談に終始していて、これも面白かったが、主任代演の桃太郎は「結婚相談所」。かなり笑う。

あと昇太が、相変わらずのマクラのあとに「一つ穴」のような古典をさらっと演っていたのにちょっと感動する。そろそろなんか大名跡でも継ぐのか?

籐志楼は今日は「堀の内」(昨晩小遊三が演ったのを覚えた?とか言っていた)。

あと二回か三回観に行きたいなあ。でも結構混んでいるので、観に行く方はなるべく早めに到着することをお勧めする(中入り前の北見マキの奇術、古今亭壽輔や三笑亭夢太朗も面白かった)。

2006年04月10日

The Funk Brothers in Cotton Club

オリジナル・メンバーとしてはジャック・アシュフォードとジョー・ハンターくらいしかいないので、どうかなあと半信半疑だったのだが、一曲目の「Get ready」のイントロに乗ってふたりがステージに上った瞬間に泣く。ほんとに涙が止まらなくなった。

マーヴィン・ゲイと、ダイアナ・ロス&シュープリームスと、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズと、マーサ&ザ・ヴァンデラスと、テンプテイションズと、スティーヴィー・ワンダーと、グラディス・ナイト&ザ・ピップスと(ああ切りがない)時代を築いた人たちである。1965年生まれの私はもちろんリアルタイムで聴いていたわけではないが(うろ覚えだが、最初に聴いたのはサントリーのCMでアルマジロが踊るやつの「My girl」だったと思うが、記憶違いかもしらん)、The Jam(Heat wave)とかロンドン経由で聴き始めて十代を通して最も親しんだ音楽である。泣かずにいらりょうか。アール・ヴァン・ダイクやロバート・ホワイトやピストル・アレンやパパジータやジェイムス・ジェイマーソンやエディ・ボンゴ・ブラウン(ああ切りがない)が健在だったら(今回来日してたら)、ほんとどうなってたかわからない。ライブ聴きながら死んじゃったかもしれない。

で、そのパフォーマンスは、懐メロバンドという趣きでは全然ない。「Get ready」「I heard it through the grape vine」「Heat wave」「You can't hurry love」「What's going on」「Ain't no mountain high enough」「Dancing in the street」「My girl」「Losing you」「Shot gun」(あと二曲あったが曲名失念)などのナンバーは確かに懐かしいが、「What's going on」で魅せるロナルド・ラザーズのギター・ソロ+スキャットなど、実にコンテンポラリーなプレイだった。

あと、「I heard it through the grape vine」「You can't hurry love」を歌ったヴィッキー・アン・ラヴランドや、「Heat wave」「Ain't no mountain high enough」「Dancing in the street」を歌ったヴァレンシア・ロビンソンのふたりの女性シンガーがキュート。特にヴァレンシアはめちゃくちゃ可愛い。結婚を申し込みたいくらいに可愛かった(品川庄司風にいえば「DVDにして」という感じだ)。

あとはえーと、メイン・ヴォーカルのラリー・ジョンソンのパフォーマンスも楽しかったのはもちろんだが、ときどきジョー・ハンターをふと見るとオルガンの陰に隠れて尻をまくって踊ったりしているのも楽しい(もうお爺ちゃんなのに)。それとジャック・アシュフォードがめちゃくちゃでかいのにびっくりした。六つボタン縦一列のシングルのテーラード・ジャケット(明るいブルーに銀ラメの格子柄)というとんでもない衣装が決まっていた(もうお爺ちゃんなのに。相当身体大きくないとカッコよく着られない)。あ、もちろんジャック・アシュフォードのタンバリンとヴァイブも堪能。

相当いいライブだったので、ぜひ多くの人に観てもらいたい。

#この週土曜日の2nd(今回の来日の最終ステージ)にて、再見。

2006年04月08日

プロデューサーズ/ククーシュカ ラップランドの妖精

「プロデューサーズ」(スーザン・ストローマン監督)は、日本でリメイクするなら西田敏行と阿部サダヲという感じか(あとは藤井隆や小堺一機も出そうだ)。

思ったより下世話で過剰だったのだが、まあそれはそれで演出の内、という感じであった。見始めはちょっと辟易するが、途中から納得が行く。でもプログラムを読むと、監督は「『雨に唄えば』みたいにしたい」と言ってたらしいが、それは違うと思うぞ。

ちなみにエンドロールの終わりの終わりまでサービスたっぷり、なので、なるべく最後まで粘ることをお勧めするが、その辺もたい焼きのしっぽにアンコが入っているのが嫌いな向きにはゲップが出るかも、と思った。面白いけど。

しかしユマ・サーマンはすごい。かなりすごかった。ハイヒールを履いて190cmである。監督いわく「その身長がどうしても必要だった」とのことだが、これについては諸手を挙げて賛成である。

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ロシア人、フィンランド人、そしてフィンランド北部のラップランドに住むサーミ人*という言葉の通じない三者のコミュニケーション/ディスコミュニケーションを描いた「ククーシュカ ラップランドの妖精」(アレクサンドル・ロゴシュキン監督)の可笑しさは、うまく説明できそうにないけど、みんな勝手なことをしゃべって勝手に解釈しているのに、ときどき通じ合って(生死の境でさえも!)、だんだんわかり合って行く様子がかなり面白い。身近な映画では「ダウン・バイ・ロウ」などがちょっと近いかな、と思ったが自信はない。大勢の人に観てもらいたい作品ではある。

絵造りの特徴として、かなり彩度が低いのはどうしてだろう、と思いながら観ていたが、解説によると「特定の部族のカラーが突出しすぎないように(中略)コダックのフィルムに特殊な低温処理を施して色彩の派手さを押さえ」たそうだ。

*ちなみに厳密にいうと、ラップランドはフィンランドという一国家だけに属するものではなく(フィンランドにラップランド州という州はあるが)、スカンジナヴィア半島からロシアのコラ半島にかけて広がるノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアをまたいだ地域で、サーミ人という民族も元々は現在のような国境にこだわらずその広大な地域をテリトリーとして生活を営んでいた民族だそうだ。現在はそれぞれの国に籍を置く形になっているし、都市部に移り住んだりもしているという。

2006年04月05日

ブロークバック・マウンテン

各賞総なめの本作だが、観てなるほど、であった。

プログラムなどに書かれていた愛の物語云々ということよりも、自分や近しい人間が踏み外したり逆上がったりしたことをどう受け止め受け入れるかといったテーマへの、深い考察を感じた。

不用意に言葉を費やしたくない作品だが、エンドロールが始まってもなかなか席を立つことができなかった、とはいっておきたい。エンドロールは、その映画のことを観終わった直後に考えることができる時間なので、普段は意識的に席を“立たない”ようにしているのだが、この映画では“立てなかった”のである。

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