« 2007年12月 | メイン | 2008年02月 »

2008年01月31日

蕎麦屋雑感

東京の蕎麦屋を大雑把に分類すると、

a.老舗蕎麦屋
b.町の蕎麦屋
c.ジャズ蕎麦屋
d.立ち食い蕎麦屋

みたいな感じになると思う(合ってる?)。

ちなみにcのジャズ蕎麦屋というのは、新興ではあるが饗する蕎麦、酒、肴にこだわりを見せ、扱う酒の銘柄とかにメニュー何ページも費やしたりして、しかしこだわりを見せる割には店内BGMには割と誰でも知っている普通のジャズを流しているような蕎麦屋のこと。三宿の山灯香や渋谷NHK前のおくむらなどは、割とまあいい感じのジャズ蕎麦屋であるが、ジャズを流すことを「こだわりの記号」としてのみ使っていて、総評としてがっかりさせられるジャズ蕎麦屋は多い。ジャズうどん屋もまたしかり。

#ただし、知人がやっているからいうのではないが、下高井戸の「Jazz Keirin」といううどん屋は、「店主こだわりの異常なジャズ」を聴きながらうまいうどん喰えるので、ちょっと別扱いにしておきたい。

話がうどんに逸れたが、蕎麦屋に戻すと、aの暖簾分け→bという方向や(渋谷二丁目の砂場など)、位置付けとしてはbだけど年月がaの風格あるいは懐の深さを作っていったような方向(西荻窪のつるやなど)など、微妙な位置付けの微妙にいい蕎麦屋もあり、そのグラデーションはなかなか複雑ではある。

たとえば早稲田の交差点にある三朝庵とか「aかなあと思ってたら実はbだった」みないな蕎麦屋もあるし、今私が住んでいる千歳船橋の長寿庵など「多分b→cの方向に向かってると思うが店内BGMはクラシックでなんか個性を出そうとしている」みたいな、わけわかんない物件もある。

そんな中(どんな中?)、今日渋谷で買い物をした帰り、代々木八幡までぶらぶら歩って大野屋に寄ったのだが、結構前はb→aの方向に進むのかなあと思ってたら最近はどうもb→cの方向で、しかもあまり喜ばしくない流れに流れているような気がした。

で、適当な肴でお銚子を何本か空けたのち、その流れにちょっと抗いたくて蕎麦を頼まずお勘定して帰宅して(この辺すでにもうあまり意味のない行動だが)、一眠りしてから起きて風呂入ってまたちょっと呑んでたら、夕食どきに主食(蕎麦)を腹に入れなかった所為かこの時間にものすごく腹が空いてきたので、気を紛らわすのになにか駄文を認めてみた次第。

要は腹が減ったというだけの話でして、ここまで読んでくれた人すみません。

あーでも、dの佇まいで「酒」と言えば酒が出て、それが普通に美味くて、肴は蕎麦屋ネタだけで、蕎麦は蕎麦で普通に喰える、みたいなのは、行動半径内に2~3軒あるといいなとは思う。新宿や浅草の馬券売り場の並びや向かいの立ち食いがちょっと進化したみたいな。作ったら儲からないかな? 儲からないか。

2008年01月28日

日曜はダメよ

昨日に引き続き、古い映画シリーズ。

底抜けに明るい映画だが、昨日の「酒とバラの日々」と(表裏で)通ずるところがある気もするし、なんとなく「時計仕掛けのオレンジ」を思い出したりもするところは不思議。ジュールス・ダッシン扮するインテリ崩れヤンキーのホーマー(って名前もよい)が、最後の最後に酒場で皆に溶け込むところは涙が出るし、その直後のシーンで船で去っていくところはなんだか可笑しい。

もちろん、メリナ・メルクーリのイリヤは最高である。

勢いでついでに続けて「鴛鴦歌合戦」も観てしまったが、これはこれで意外に馴染む二本立てであった。

2008年01月27日

酒とバラの芝浜

昨年末から年明け、少し浮かれていたなあと反省する意味で、久し振りに「酒とバラの日々」を観てみた(DVDで)。いやー、素面では辛くて観らんない映画である。ダメじゃん。

誰か、「芝浜」のような下げを追加したり再構成したりしてリメイクしないかしら。

ところで「酒とバラの日々」の歌詞は、

The days of wine and roses
Laugh and run away like a child at play
Through a meadow land toward a closing door
A door marked "nevermore" that wasn't there before

The lonely night discloses
Just a passing breeze filled with memories
Of the golden smile that introduced me to
The days of wine and roses and you

酒とバラの日々
遊んでいる子供のように、笑いながら道をはずれて
草地を抜けて、初めて目にする
“モドレナイヨ”と記された扉に向かって

寂しい夜が明かすのは
私を酒とバラの日々と君へと導いた
黄金の微笑みの思い出で膨らんだ
まさに今吹き過ぎて行ったそよ風

こんな感じ? やはりちょっと苦い。

歌詞はジョニー・マーサー。この人も酒乱だったようだ。よく酔って暴れて、翌朝迷惑をかけた人に、薔薇を贈って謝っていたらしい。

2008年01月24日

土岐麻子「Live TALKIN'」

渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて。

いわゆるレコ発記念ライブということで、一曲目は「TALKIN'」からアルバム一曲目の「モンスターを飼い馴らせ」。でも二曲目がファーストオリジナルアルバムの「ロマンチック」だったのが、大変うれしい。

で、初めて生で聴くその「ロマンチック」と、「WEEKEND SHUFFLE」の「君に胸キュン」、「TALKN'」の「ファンタジア」などに感動。泣く。全体を通じて、誰かに懸想するのも悪くないな、という気分にしてくれるライブだった(「懸想」使ってみました)。

衣装はアルミの粉を塗布したというワンピースと白いブーツで登場し、途中「Human Nature」のエンディングで引っ込んで、やけにエンディングのセッションが長いなあと思ってたらピンクのワンピースに銀ラメのベレー?にお色直しであった。

初めて生で観る土岐麻子は、思ってたより健やかな感じで、ちょっとゆっくりめに喋るMCも、変な気取りがなく、すごい素直な育ちのよさそうな話し方でよい。変なところ褒めて恐縮ですが。

で、歌唱法も、CDで聴くよりはバリエーションが意外に少ない? と思ったが、だからといって詰まらなさを感じさせることもなく、ライブはこれでOKとも思った。曲にもよるが、「COME ON A MY HOUSE」などはCDとほぼ同じだったりしたので、意識的にそうしたのかもしれない。メリハリの付け方などのテクニックの心地よさは、CDと変わらなかった。

惜しむらくは、コーラスがいなかったことで(一部キーボードがコーラス入れてたけど、やはり女声コーラスが欲しい)、まあCDは土岐麻子本人が声を重ねている(と思う)のでしょうがないけれど、「HOO-OON」のイントロのコーラスは歌って欲しかったなあ。

それと、ジャズやサンバのフォーマットを取り入れた曲が多いのだが、フォーマットだけでなくジャズやサンバの少しバタ臭い、脂っこい、粘り気のある、ちょっとほろ苦い感じがあるといいかなと思ったが、これはまあ好みの問題。

という感慨もあったが、先日たまたま友人と「CDだけ聴いてすごい期待して、ライブで外すこともあるよね」みたいな話をしていたので土岐麻子どうだろうかと少し思ってたのだが、それはまったくの杞憂で、期待以上の素晴らしいライブだった。上に歌唱法のことを書いたが、声の魅力にはものすごい引き込まれたし。

で、またライブ行きたいなあと思ったら、3月にまた同じ場所でやるという。そしてレギュラーのキーボードがケミストリーのサポートでお休みということで、3月のそのライブはなんと某スカパラの沖佑市御大が参加するそうだ(その発表があったとき、会場がどよめいていて面白かった)。客席に沖がいたのでびっくりしたが、そういう事情だった(あ、あと小倉君にも挨拶できてよかった)。

上にも書いたように、バックの演奏には個人的にちょっと不満も感じたのだが、沖が入るとキーボード・パートをサポートするというだけでなくてバンドの音全体が結構いい具合に変わると思うので、とても楽しみである。

というわけで、3月どなたかご一緒しましょう(あと絶対に、小さいハコでやっているうちに観といたほうがいいと思う)。人数が多い場合は、チケットの手配をまとめて、どなたかにお願いするかもしれませんが(笑)。チケット取るの下手なので。

#日にちは1/30に発表との由。

うーん、ただ3月は一週間くらいまた奈良に行っているかもしれないが、多分日にちぶつかったら、このライブのために一時帰京すると思う。

▼セットリスト
01 モンスターを飼い馴らせ*1
02 ロマンチック*2
03 COME ON A MY HOUSE*1
04 MY SUNNY RAINY*1
05 ウィークエンドの手品*2
06 私のお気に入り*2
07 Tea For Two*3
08 Human Nature*4
09 青空のかけら*1
10 HOO-OON*1
11 君に胸キュン。*5
12 ファンタジア*1
13 サーファー・ガール*1
14 WALK ON*1
-アンコール
15 Take Me Out To The Ballgame*5
16 September*6

各収録アルバム
*1 TALKIN'
*2 Debut
*3 STANDARDS gift
*4 STANDARDS on the sofa
*5 WEEKEND SHUFFLE
*6 STANDARDS

2008年01月23日

壽 初春大歌舞伎

昼の部の途中からと、夜の部を見物。

正月の歌舞伎は、楽日近くに行くのがいいかもとふと思った。なぜなら、いつまでもお正月気分が味わえるので(バカ?)。

▼昼の部
-けいせい浜真砂

女五右衛門=石川屋真砂路に雀右衛門。二年前に観た「黒手組曲輪達引」(これはちなみに夜の部の「助六」のパロディ)のときの揚巻もすごかったが、これもなかなか。すごいなあ、大正9年生まれ(さっき昭和2年生まれと間違えてしまった。昭和2年は、雀右衛門の初舞台でした)。

話は、実は武智光秀(もちろん明智光秀)の娘である石川屋の遊女真砂路が、南禅寺の山門の上にあがって景色を愛でていると、そこに父の仇である真柴久吉(もちろん秀吉。吉右衛門)が通りかかるというだけなのだが、無駄にドラマチックでめでたい。

-魚屋宗五郎

河竹黙阿弥作。

魚屋の宗五郎の妹が、奉公に行った先のお屋敷で不義の罪を着せられて手討ちになる。酒乱故に酒を断っていた宗五郎は、その真相を知って腹を立てて酒を呑んでしまい、お屋敷に殴りこむという話。

幸四郎の宗五郎のだんだん酔っていく様が大変鮮やかで、楽しい。見事。あと魚屋の小奴三吉が染五郎なのだが、宗五郎が三吉に小言をいうところで幸四郎がぼそっと「ちょっとくらいいい男だと思っていい気なりやがって」というのも妙におかしい。

で、宗五郎はお屋敷に乗り込むものの、家老と殿様になんなく丸め込まれ(いや、本当は殿様の誠実な態度に感動するべきなのだろうが)、なんだか呑気でめでたい。

殿様の主計之助は錦之助だったが、ちょっと役が重たかったかな?

-お祭り
ほろ酔い加減の鳶頭(團十郎)がいろんな踊りを踊るという、なんだかよくわからないがめでたい。

▼夜の部
-鶴寿千歳
松、竹、梅が踊ったあとに、齢を重ねた姥と尉がせり上がってきて、しみじみほのぼのと舞うという、もうめでたい以外のなにものでもないご祝儀舞踊。

松が歌昇、竹が錦之助、梅が孝太郎。で、姥と尉は姥が芝翫で尉が富十郎の人間国宝コンビ。琴の山勢松韻も人間国宝で、いやこりゃますますめでたい。

-連獅子
幸四郎染五郎親子の連獅子。ちょっとした笑いの入ったような感じが、個人的にはツボ。染五郎は若いだけあって、大変美しい左近/仔獅子だった。

あと染五郎、毛振りがダイナミックでカッコよかった。

間狂言の「宗論」は浄土僧が高麗蔵、法華僧が松江で、お互いの自分の宗派を自慢して相手の宗派をけなすうちに、念仏とお題目を取り違えてしまうというコントがバカバカしくてめでたい。最後とつぜん仲良くなるし。初演時(「連獅子」は明治3年だが、「宗論」は明治34年の増補。今日の形がいつからかは、不勉強で不明)の頃は多分、こういう仏教の宗派争いのバカバカしさを笑うというのがコモンセンスだったのかな、と思うと(実際は知らないが)感慨深い。

-助六由縁江戸桜
口上が段四郎。で、冒頭、ひとくさり口上を述べたあと、すすっと後ろずさってすこし間を溜めてから、「では河東節ご連中の皆様方、お始めください」とご連中を立てるところが大好きである。

かの花川戸助六が実は曾我五郎という展開が楽しい曾我もので、助六/曾我五郎が團十郎、兄の白酒売新兵衛/曾我十郎が梅玉。三浦屋揚巻が待ってました福助(成駒屋、とここでこっそり声をかけておく。髭の意休に悪態つくところの、福助節の台詞回しがもう最高)。髭の意休が左團次。曾我兄弟の母曾我満江が芝翫。白玉は孝太郎だったが、これは贅沢をいえば、菊之助で観たかった。

ものすごくくだらないギャグも交えつつ(助六と兄に股潜りをさせられる、東蔵扮する通人里暁が、去年パリ・オペラ座で公演した團十郎に「おやあなたは去年パリのオペラ座にいらっしゃいませんでしたか?」といちいち尋ねたり、そのあと花道で「オッパッピー」の真似をしたり)、全体にものすごく胸のすく芝居であった。

團十郎の喉の調子が悪かったみたいで、途中お役者様とは思えない声になったりもしたが、まあそれはそれで特別気になったわけでもなかったところも、すごいと思った。

という具合にたいへんめでたい一夜でございました。この日の連れに、「海老蔵(新橋演舞場)とお父さんとどっちがいい?」と尋ねていたのだが、こちらを選んでもらえてよかった。

2008年01月19日

パクチーハウス東京

http://paxihouse.com/

父の元同僚のご子息が、“世界初”というパクチー料理専門店を経堂に開いたとのことで、父が様子を見に行きたいというので、今日一緒に覗いてみた。

食前酒に、ウォッカにパクチーの種をつけ込んだパク酒という酒を呑んでみる。パクチーの種は柑橘系の香がして、なるほど、食欲が増進される。

父はパクチーは初めてというし、私もそれほど得意ではないので、体験コースというコースを頼んだ。まず最初は前菜三品で、生春巻、砂肝冷製、ピクルス。いずれもパクチーの香が、いい塩梅の強弱。

続いて皮蛋豆腐。これは豆腐とピータンがどんぶりに盛られて来るのだが、それをフォークとスプーンでぐちゃぐちゃに潰して食べる。そうするとタレの絡まり具合がよくなるという説明だったが、確かにそのとおりであった。

メインはラム肉の炒めたのを生のパクチーに絡めたのと、パクチーを(多分)タイ米に炊き込んだご飯。ラム肉は美味かったので、おかわりをする。

パクチー料理のみということだったので、単調ではないかとちょっと心配したが、全体にパクチー風味の強弱にメリハリがあって、最後まで飽きずに食事を楽しめた。事前にメニューを調べて楽しみにしていた、ウィンナ・シュニッツェルとソーセージがなかったのが残念。

で、最後の最後に、お店の人が簡単なパクチー講座を話してくれたところ、なんだパクチーってシャンツァイなんじゃん、ということが判明(コリアンダーも同じだ)。知らなくて恥ずかしい。中国で少し長く仕事をしていた父も、パクチーは初めてだと思ってたのにどうりで違和感がなかった、と言っていた。という、妙な落ちもつきました。

---

惜しむらくは、

1.料理も勘定書も、持って来るのが遅い
2.照明が明るくて、ちょっと落ち着かない
3.BGMが、一枚のCDをリピートし放しで飽きる

の3点。特に1.は、父が割とせっかちなので(いや、私もその血を引いているのだが)、なんどか貧乏揺すりをしていた。いらいらすると身体に触りますよ、78歳。

2008年01月18日

松井冬子/Narcissus

個展。九段・成山画廊にて。

http://www.gallery-naruyama.com/exhibition.html

六畳ほどのこじんまりとした空間に、絹本着色の日本画の、2007年の新作が5点。「絶え間なく断片の衝突は失敗する」という作品のみ額装で、(多分)メインの「終極にある異体の散在」と「Narcissus」、および「腑分図」2点(「第七頚椎」と「左鼓膜」)の4点は掛け軸表装。

あと、過去の作品(2004年)だが「切断された長期の実験[下図]」の複製が展示され、九万円で売っていた。

絵を観た感想はまだうまく言葉にできないけれど、ナルシシズムという概念を視覚化していく際の想像力の飛躍、解釈の広がりに畏れ入った。生きるという欲望の極めて残酷なまでの描写にも。いやうまく言えないが。成山画廊は仕事場からも近いので、会期中もう何度か観に行こうと思う。

---

画廊を辞する際、画廊を訪れた画家本人と鉢合わせして、なんだかどきまぎして「あ、ご本人」という間抜けな挨拶をしてしまった。

2008年01月16日

新宿末広亭・正月二之席

本日のお目当ては、昼の部の小円歌姐さんと、夜の部の圓丈、柳貴家小雪、小三治。

中でも小円歌姐さんの、いつものネタの三味線漫談のあとのかっぽれに痺れる。手が長いのと、表情も含めた動きがシャープかつダイナミックなのがカッコよい。小股切れ上がってるなあ(と、去年も書いた気がするが)。いつか座敷に呼んでみたいものだ。それを夢に抱いて、今年は働くか。

圓丈は「寿限無」のバイオテクノロジーバージョン。「知識ネタだが毎度バカバカしい感じ」がよい。名人。

柳貴家小雪は、こないだ水戸を散策中、柳貴家の本部の前を通ったのも何かの縁ということで、久々に観た。相変わらず可愛いなあ。今年もますます末広がりである。

小三治は、マクラで長々と健康ネタ(うがい薬は「イソジン」はダメで「ハチアズレ」というマイナーな薬がよい、蜂蜜は小筆で喉の奥に直接塗るのが効く、風呂に入るときは湯船にこまめに出たり入ったりすると毛細血管が活性化する、云々)を振ったのち、「小言念仏」。念仏と小言ほかの切り替えや間の取り方には感心したが、小三治ほどのキャリアを以てしたら当然というのが正直な感想で、去年聴いた「うどん屋」ほどの感銘はなかった。マクラは面白かったけど。

お目当て以外では、のいるこいるがいつになくグルーヴィーで尺も長く笑う。うたじゆめじの相変わらず駄洒落の落ちまで長々引っ張る漫才もよかった(割増料金=割り箸料金、から、洒落に気付かないふりで割り箸の蘊蓄を語り出す流れも可笑しい)。

金馬の、正式な題名は知らないが、老人二人が、どちらが不健康かを競い合う噺(「病気自慢」?)もどうということはないのになんだか妙に可笑しいし、圓歌もただ単に昔天覧落語をしたという自慢話をしているだけなのに、安心して可笑しがれて楽しゅうございました。

しかし80前の落語家は、みんな元気だなあ。

以下、本日観聴きした演目。

▼昼の部中入り後
三遊亭歌司・・・・・・親子酒
入船亭扇橋・・・・・・弥次郎
大瀬うたじゆめじ・・・漫才
五街道雲助・・・・・・堀の内
柳家花緑・・・・・・・厄払い
三遊亭小円歌・・・・・俗曲
三遊亭圓歌・・・・・・漫談(天覧落語)

▼夜の部
古今亭志ん坊・・・・・元犬
柳亭こみち・・・・・・たらちね
近藤志げる・・・・・・アコーディオン漫談
柳家小里ん・・・・・・二人旅
古今亭志ん五・・・・・浮世床
三遊亭圓丈・・・・・・寿限無バイオテクノロジーバージョン
柳貴家小雪・・・・・・大神楽
柳家〆治・・・・・・・看板のピン
金原亭伯楽・・・・・・真田小僧
三遊亭金馬・・・・・・病気自慢(?)
昭和のいるこいる・・・漫才
川柳川柳・・・・・・・ガーコン
橘家円蔵・・・・・・・鰻の幇間
--中入り
太神楽社中・・・・・・寿獅子
春風亭一朝・・・・・・芝居の喧嘩
柳家小袁治・・・・・・犬の目
古今亭志ん駒・・・・・いつもの一代記
林家正楽・・・・・・・紙切り
柳家小三治・・・・・・小言念仏

2008年01月13日

水戸訪問

この週末、水戸に住む大学時分の友人の新居を訪問。

同じく大学時分の友人の、ときどきワイパーが動かなくなる74年型のBMW2002で、雨の常磐道をブラームスの交響曲全曲を聴きながら水戸へと走る。

で、紅白葡萄酒で再会と新居への移転を祝って乾杯したのち、友人の子供たちと鬼ごっこ→バーベキュー→ご家族と一緒にポーカー(負け)→一眠りしてから偕楽園散策→徳川博物館見物→弘道館見物→弘道館の売店で明治維新関連の研究書(鈴木茂乃夫著「天狗党の跡を行く」「水戸藩・戊辰の戦跡をゆく」共に暁印書館)と徳川斉昭の墨蹟(「巧詐不如拙誠」の拓本)を購入→子供たちとかくれんぼ→ぬりや(地元の老舗鰻屋)で一杯→また一眠り、と、充実した週末を過ごす。お世話になりました。

帰りは水戸の友人含め男3人で、最近発掘されたというモンクとコルトレーンのセッション(ラジオのオンエア音源がどこかの図書館で発見されたもの)や、(歌い手が誰か忘れたが)素晴らしい「酒と薔薇の日々」などを聴きながら、東京に戻る。

友人の新居は、鬼ごっこやかくれんぼのし甲斐のあるお宅であった。いつか居候してやるー。

2008年01月10日

松が明けてからこっち、どことなく疲れ勝ちなような心持ちだったので、今週はなるだけ酒を控えようと思った。

昨夜、一昨夜も呑まなかったし、今日「魍魎の匣」を観ている最中も、映画見物の際だいたい必ず呑むビールを購わなかった。たまには心を鬼にして。

映画を観終わったのち、今週末訪ねる約束の友人宅への新居祝いとお土産を買おうと歌舞伎町から伊勢丹に向かう途中、お、4時前だがお多幸開いてる、ちらほら客も入っているぞ、と気付いた。で、買い物を済ませたあと、がんもどきや椎茸で、三本ばかりつけてもらう。

そろそろ後厄も明ける歳だが、心は揺れる。先に心を鬼にと書いたが、実は鬼ってあまり利口じゃなかったりするんだよなー。今年も思いやられるか。

松明けに心を鬼の独り酒

魍魎の匣

なんというか、いい具合のバカ映画でよかったでした。

キャラクター設定とか、台詞の掛け合いとか、このxxxってxxxだよなあ(×α)と思って観てたら案の定xxx(×α)だった点とか、椎名桔平の役作り(笑)とか、黒木瞳(笑)とか、その他いろいろ。個人的には、なんかふと日活の夢野久作もの(瓶詰め地獄)のバカバカしさを思い出したが、これはちょっとイメージ違うかもしれない。

話は、原作を読んでないと(それも直前にか、または2~3回読んでないと)ついて行けないと思った。ただもちろん、それと映画を楽しめるかどうかは別の話。観る人の資質や素養によるので。

ただ、原作では小説的に割と重要だったエピソードの大胆な切り捨てや、物語の再構築、人間関係の書き換えもあるので、原作読んでても戸惑うかもしれないが、それもまた楽しかった。

これ以上は、これから観る人の興を殺ぐので割愛。映画化が成功か失敗かのどちらかといえば、私は成功と思ったが、いかがでしょうか(映画ならではの映像の水際立った美しさがもう少し欲しいな、とは思ったが)。その辺、観た人と語り合いたいですな。

2008年01月07日

Giulietta Machine in 中目黒・楽屋

久々にGiulietta Machineのライブを見物。下手すると二年振りに近いかも。

メンバーの方々の大半(3/4)を存じているので、感想書きにくいですが―

架空のイタリア映画のサウンドトラックのような旋律と響きに、モンゴメリー将軍のベルモットくらいの割合*でジャズやサンバ/ボサノバのにおいが混じりつつ、ときどきギターが引っ張る形でロックになる塩梅が、とても面白い。

*今日たまたまカクテルについて書いた文章に目を通していたので、気障ったらしい表現をしてみました。

前身のUBiK(NaO2) 時代の「Tokidoki」や初カバーの「Eu Sei Que Vou Te Amar」など歌ものも楽しめたこともあり、なんだか贅沢な2部構成ライブだった。「あなたを愛してしまう」という邦題で知られるこのジョビン/モライスの名曲を、「好きなんだからしょうがないじゃん」みたいに解説していたのも面白かった。

あと全体に、以前聴いたときより、(生意気言ってすみませんが)なんか柔らか味が増したかな、とも思った。客を乗せようとするでもなく、距離を置いて淡々と演奏しているようで、じわじわと出汁の効いた音楽的/音響的な滋味を味わわせてくれるセッション。次の機会も聴きに行きたいし、周囲の音楽好きにもぜひお薦めしたい。

2008年01月04日

上野鈴本正月初席・第二部

1月4日午後2時より。

当日券は早めに売り出すかもしれない、ということで、午前11時半に正面入り口で友人と待ち合わせたが、当日の座席券はすでに売り切れ。大盛況である。

で、上野で軽く昼食(というか、マグロ刺身と馬刺とさつま揚げでビール)を摂ったのち、午後1時から立ち見券の列に並んで、なんとか入場できた。

さてこの日のお目当ては、喬太郎、ニューマリオネット、川柳、あしたひろし順子、小朝であったが、まず喬太郎は「初天神」。相変わらず嫌味なくらい上手い。マクラもそこそこに、「初天神」を素直に演りながら、特にお愛想なども入れずに、間や抑揚の工夫で爆笑を取っていた。その辺人によってはクサいと思うかもしれないが、私個人はぎりぎりの線を保っていてそれが笑いに結びついているので、すごいなと思う。

ニューマリオネットは、去年観た「まるで生きているような獅子舞の糸繰り」の芸を愉しみにしていたが、さすがまだ松の内だけあってか?、去年より長く演じてくれた気がする(去年は初席後半楽日の10日に観た)。また去年は演らなかったと思うが(多分。記憶にないだけかも)、今年は、使い手が獅子の中からひょろっと姿を見せて舞うところも演ってくれた。嬉しい。感動。

#ちなみに今年の初席後半の昼の部(7~10日)にも、ニューマリオネット出演予定。後半昼の部は主任が小朝ではなく正蔵だが、ひろし順子、白鳥、歌武蔵などが出る9日が狙い目か。小円歌姐さんも出るし。

川柳は、「福田康夫」のめくりが見たかったというお目当て。当人いわく、似ているそうで当面ネタにするという話だが、そんなに似てるかなー(笑)。ネタは相変わらずの「ガーコン」。ちょっと疲れ気味か77歳。

あしたひろし順子は、あしたひろしが復活(去年の正月は病気で休んでいて、順子がひとりでかっぽれを踊った)。相変わらずのダンス(笑)も見せてくれたし、掛け合いのテンポも落ちてないしで、すごいぞ86歳。

主任の小朝は「ぼやき酒屋」(桂三枝作の新作落語)。これ、去年の初席も同じネタだったが、たまたま?(去年と違って釈台は使っていなかったが。そういえば去年の釈台は、ひょっとして、「上方の新作を演るから」ということだったのかな?) 相変わらず入れ込むネタの幅広さ、バリエーションの豊富さ、そして噺へのはまり具合は格別。離婚の影響は・・・よくわからなかった。

あとは、ロケット団の漫才は相変わらず面白く、圓蔵もまだ元気だなあ74歳、という感じであった。いっ平は、喋り始めの「今年の紅白では白組が勝ったか紅組が勝ったか」というところでいきなり「白ガミ」と噛んでいて、あとも噛み噛み。お父さんの「どうもすいません」をときどき使っていたりしたが、うーん、別に噛むのはいいからもっと笑いを運んで来てくれよ、と思った。本人が頭の中でうろたえているのをただそのまま見せられてもねえ。

以下、全体の演目
橘家圓太郎・・・・・・・漫談(小朝離婚ネタ)
伊藤夢葉・・・・・・・・マジック(いつもと違って一言も喋らず。説明しないとわからないのに、でも鞭は鳴らしていたのがおかしい)
古今亭菊丸・・・・・・・子ほめ
鈴々舎馬風・・・・・・・漫談(上田桃子が出てきたのを初めて聴いたの以外は、だいたいいつもと同じような時事スポーツネタ)
柳家喜多八・・・・・・・漫談(ネタ失念)
ロケット団・・・・・・・漫才(四文字熟語とか英語ネタ)
林家正雀・・・・・・・・小咄(芝を刈らずにクサカった、とか、サギの恩返し、など)および踊り(どんどん節)
橘家文左衛門・・・・・・小咄(ネタ失念)
柳家喬太郎・・・・・・・初天神
入船亭扇遊・・・・・・・手紙無筆
ニューマリオネット・・・糸繰り(獅子舞)
川柳川柳・・・・・・・・ガーコン
古今亭志ん輔・・・・・・相撲風景
橘家圓蔵・・・・・・・・漫談(ネタ失念)
あしたひろし順子・・・・漫才(いつもの)
林家いっ平・・・・・・・小咄(ネタ失念)
林家二楽・・・・・・・・紙切り(今年の干支にちなんで「ネズミ」というリクエストに、「アメリカのネズミ」を切っていたが、著作権とかで訴えられないかなー(笑))
春風亭小朝・・・・・・・ぼやき酒屋

Calendar

2014年06月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30