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2009年07月31日

メキシコ20世紀絵画展

世田谷美術館にて。

http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html

会場に入ってすぐ、なんとなくクッキーの缶の蓋を想起してしまうフリーダ・カーロの「メダリオンをつけた自画像」(1948)が特別ゲストのような感じで鎮座ましましていて、で、そのちょっと奥にいきなり現れるホセ・クレメンテ・オロスコ「十字架を自らの手で壊すキリス」(1943)が、何といってもすごかった。題名のとおりの絵で、モチーフとしてはすこぶるシンプルなのだが、それを上回る(上回り過ぎる)衝撃があった。深い洞察があるとも思うし、パンクのような衝動も感じる。

NHKのサイトにコピーがあったのでリンクしておくけど、できたら実物を観ていただきたい。

http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0802/images/photo03.jpg

ああもうこうなったら、オロスコ、リベラ、シケイロスの壁画を観に行きたくなってしまうが、死ぬまでに叶うかどうか。

メイン展示もその他見所多数だったが(余力があったらのちほど補遺)、併設の「利根山光人とマヤ・アステカの拓本」も、なんだかわけわからなくてクラクラした。こちらはメイン展示観たらそのまま見物できるので、慌てて帰らずにゆったり観るのをオススメ。両方合わせて、かなりゆっくり観ても2〜3時間くらいかな。

全体に暑苦しいので暑気払いにはならないかもしれないけど(涼しげな絵もまあありますけれど)、この夏を元気に乗り切るパワーは得られるのではなかろうか。8月末まで。

2009年07月27日

Papa Grows Funk

7/27、横浜Thumbs Upにて。John Gros(B3 organ, key, vocals)、山岸潤史(g)、Marc Pero(b)、Jason Mingledorff(as, ts)、Jeffrey "Jellybean" Alexander(dr)。ゲストにPe'zのKadota "JAW" KousukeとOhyama "B.M.W" Wataru。そしてアンコール時のゲストに石田長生が登場。

いやー、素朴でいなたくて脂っこいファンクは結構久し振りだった。普段から賢しらなことを言いがちな年配にはなったが、やはり素朴で脂っこいものは楽しくておいしいものである。

Thumbs Upという会場もドンピシャリ。横浜まで行くのかったるいなあと正直少し思っていたのだが、実にこのバンドに合っていた(東京には今やこういう感じのところはあまりないなあ)。観客も本当にこのバンドやニューオーリンズやファンクやソウルが好きなんだなあという感じで、なかなか得難いいい雰囲気であった。

で、さて、やはり久し振りに、最後全部忘れてしまうくらいはしゃいだのだけれども(いや基本的に、はしゃいだのは心の中でだが)、思い出すままにつらつら書くと、後半で山岸潤史のギターの弦が切れて取り替えている間を埋めようとしたのか、John Grosが「Junko Partner」を弾き始め、結局バンド全員のセッションになったのが嬉しい。

あとDr. Johnナンバーでは、「Right Place, Wrong Time」を演った。で、Bメロの「I been running trying to get hung up in my mind, アー / Got to give myself a little talking to this time」のところで、客が当たり前のように「アー」のコーラスに参加してたのも可笑しくてよい。

ゲストのPe'zのふたりは、後半に演った「Yakiniku」で登場。続いて"B.M.W"が作ったという「Auction」がなかなかよい曲。この曲の制作と今回のゲスト参加の経緯についてアナウンスがあったが、聞き逃した。

あ、ゲストといえば、ちょっと違うが、山岸潤史のWest Road Blues Bandでの盟友、昨年亡くなったという塩次伸二に捧げたのがオーティス・レディングとカーラ・トーマスのデュエットでもお馴染みの「Trump」。これは泣かせられた。

石田長生はアンコールで飛び入りし、いいブルースギターを弾く。そして最後が「John Brown」だったかな? MCでは「Johnny B」と言ってた。なにせこの辺興奮の極みで記憶があやふやだが、この本日最後の曲が15分くらいあって、そのうち5分以上はドラムソロ。John Grosがしきりに両手でTのサインを出していたのはタイムアップのサインかなと思ったが、Jellybeanはおかまいなしにドラムソロを続け、スティックを捨てて手で叩き、最後はマイクを使って口ドラムソロまで演っていた。これがまたなかなか。

Jellybeanもよかったし、まあみんなカッコよかったが(赤いハンチングを被った大阪のおばちゃんに見えるときがたまにある山岸潤史も、ひとたびギターを弾き始めると信じられないくらいにカッコよい)、個人的にはとりわけベースのMarc Peroが好きだなあ。ベースはもちろんめちゃくちゃファンキーだし、演奏中の表情がまた、なんか間抜けな感じなのにセクシーというところがよい。ちょっとハナ肇を思い出した(この感想は当てになりません)。

と、二部構成でアンコールまで入れてほぼ2時間半〜3時間弱、脂っこさに負けじと、山盛りのバッファローチキンをやっつけながら聴いていたので、メモは取らず、セットリストは今回記録しなかった。一番新しい(といっても2007年)「Mr. Patterson's Hat」中心に(演説中に急逝したというビッグチーフTootie Montanaに捧げた「Tootie Montana」は演っていたな)、3枚のオリジナルアルバムから、割とまんべんなく演ったと思うが、どっかで調べられたら、本文の修正と併せて記載したい。

ああそれにしても、ニューオーリンズのメイプル・リーフ・バーでの彼らのライブにはほぼ必ず姿を見せるという、粋なスーツとハットのご老人、ミスター・パターソンのお姿を、いつの日か拝みたいものだ(今日は、粋なハット姿ではあるものの、大胆に持ち込んだなにかのボトルをラッパ飲みして泥酔していたおじさんがいて面白かった)。

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セットリストは、公式ホームページに載る模様だ。

http://www.papagrowsfunk.com/tapers/SetLists2009.html

今日のはまだだが、そのうち補足できそう。

2009年07月26日

青木タイセイ+鈴木徹大

7/26、西荻窪アケタの店にて。青木タイセイ(tb, b, fl, 鍵盤ハーモニカ, loop, p)、鈴木徹大(ガットギター=gg, フルアコ=fa)。

01 愛の歌(fl / gg)
02 ジゴロのバラード(fl / gg)
03 Let's Cool One(tb, b, loop / fa)
04 Só Danço Samba(fl, p / gg)
05 Favela(fl, b / gg)
06 Monk's Mood(tb / fa)
07 Rythm-A-Ning(b, loop, tb / fa)
08 Travessia(tb / gg)
(休憩)
09 海賊ジョニー(tb / fa)
10 Little Rootie Tootie(tb, b / fa)
11 224TAMA(鍵盤ハーモニカ / fa)
12 Monk's Dream(tb / fa)
13 Moritat(b / gg)
14 One Note Samba(tb, b / fa)
enc
15 Indigo May(tb / fa)

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一言でいえば、上記の編成、また青木タイセイの多楽器演奏で、モンク、クルト・ワイル、ジョビンの曲、および青木タイセイのオリジナルを演る、というユニットとの由。

先日、青木タイセイ・ソロを聴いたときは、その多楽器使いの妙技に驚いたのだが、この日の演奏は、ギターとのデュオということもあってか、バランスとしては、トロンボーン、フルート、ベースなどの青木タイセイ独特の音色や語り口を楽しんで味わいつつ、割と耳に馴染みのあるようなジャズのセッションを聴いた、という後味の演奏が多かったと思う。

と思ったのは、主にモンクの曲でだが、そういうセッションでの鈴木徹大のギターの、若々しいが程よく枯れた音色で、無駄に饒舌でなく、というかなんというか、とにかく確実にいい感じにコードを置きつつスイングする演奏に感じ入った。

と思いきや、10ではちょっと面白いディレイ?の使い方で驚かせられ、またジャズをプリミティブにしたようなR&BやR&Rを弾いても面白い人かもと思わせられ、これはこの曲としては多分初めて聴くロック!な14のギターで、ついにファンになる。

楽曲的に、とりわけ印象に残ったのは今述べた14と、コード展開が面白かった13。13の「Moritat」は、大体の場合メジャーキーのIから始まるが、今日のこれは(テンションの詳細は記録できなかったが)Am - D - Bb - F / Am - G - Bb - F、という感じで、すごく切ない味わいの「Moritat」であった(あとで伺ったが、4月の「三文オペラ」公演での内橋和久によるコードアレンジとの由)。

11、15の2曲は、いずれも青木タイセイオリジナルで、特に11は「primero」所収の楽曲を想起させる響きと旋律が楽しめた。よかった。15はスタンダードだといわれても納得するような、切なくて音楽的滋味に溢れた佳曲。これも素晴らしい。

この日初めて譜面を渡したという曲がほとんだったようで、聴いている側としては、曲ごとに「各々が、その曲に触れたり親しんできた時間の厚みの違い」のようなものを感じはした。その辺でちょっと、スリリングな場面もあった。

それはそれでセッション的な面白さを楽しめるのだけれども、そういったところがもう少し均されてきて、さらにオリジナルの割合がもう少し増えて、せっかくなのでループ使いがもっとこのデュオの中で熟成されてくると、個人的には嬉しいかな。

あ、あと、04でのとつぜんのピアノ(ギターソロにベースラインを付けたのをきっかけに、続いて主旋律も少し弾いた)がいい感じだったので、これも正式な要素として加わると嬉しい。しばらくこのデュオを続けるということなので、また次の機会を楽しみに待ちたい。

2009年07月13日

高田文夫ドリームプロデュース 文夫の部屋 第1夜

7/13、青山CAYにて。ザ・パンチ、高田文夫&清水ミチコ、浅草キッド。飛び入りゲストが松村邦洋。

いや、もうそろそろとは思っていたが、今日のこの日という認識がすっぽり抜け落ちていて、のんびり昼寝を決め込んでいたところ、夢に高田文夫が出て来て、というのはウソだけどなにかお笑いの舞台を観ている夢だったのではっと思い、開場時間の6:30に起床。適当に服を着て飛び出して、なんとか間に合った。靴ひも結う余裕がなくてサンダル履きで、寝癖は帽子でごまかした。

で、そのまま忘れていたら、絶対に後悔したであろう内容。というか、内容はなくて(いい意味?で)ただただ笑っていた約90分。笑いの物量だけでいえば、あまり耐性を持たない人だと笑い過ぎて苦しくなるくらいではなかったろうか。

トップバッターはザ・パンチ。TVでのネタではノーパンチ松尾の「お願いだから〜」というツッコミがポイントになって笑いを取っているが、舞台ではそれ以外の地のネタの構成と緩急がかなりきっちりしていて、30分間みっちり、ほぼ同じ高いテンションで笑わせられた。むしろ、「お願いだから〜」の出現箇所でちょっと笑いの間が開いて休憩が取れる感じだ。やはりなんでも、一度は生で観てみるものである。ザ・パンチのふたりは、思ってたよりもひと回り小さくて、生で見るとなんだかきれいな感じ。まあこれは、TVで見ている人を生で見たときに、よく感じることだけれども。

続いて高田文夫がホストで清水ミチコがゲストのトーク。といえば、あとは説明の必要がないと思う。というか、書いている私にも喋ったお二人にも災いが及ぶ危険性があるので、詳しい内容は書けないのだが。多分すべてアドリブのトークだが、高田文夫の執拗なチャチャ入れのもの凄さ。そしてそれを受けてすごい遠回りをしつつ、とつぜんのリクエストに応じてモノマネなども挟みながら、言おうとしたことはきちんと言ってそれでちゃんと笑いを取る清水ミチコ。いやー、凄かった。

途中でとつぜん、松村邦洋が注文のビールとウーロン茶を持って登場し、ビールを注いではダラダラこぼして笑いを取る。それとやはりモノマネ。麻生太郎のモノマネは初めて観た。絶品。

休憩挟んで浅草キッド。「今日は営業ネタでさらりと」とサザエさんネタに軽く入りつつ、どんどんヘヴィー&下がかりになっていって、一旦落としたところでサザエさん×北朝鮮、というネタに入り、そこから一転卒業式ネタ。前半が笑い過ぎて苦しかったので、最初の軽く笑わせてくれる感じは有り難かったし、卒業式ネタからだんだんもの凄いグルーヴを渦巻かせる感じの展開になって、最後はやはり苦しかった。

これもやはり、細かいネタは書けないが、「〜を開けるとそこに北野誠が潜んでいた」「〜を掘るとそこに○○の腐乱死体が〜」といったネタを話の端々で繰り返していくところがかなり効果を生んでいた、というくらいは書いておいて差し支えないかな? あと、広島の話から野球選手の衣笠を繰り返し繰り返しいじるような箇所で「元衣笠」とうっかり言い間違えた(しかもそのままスルーして話が続いていった)くだりが、単なる言い間違いなのだろうけども、妙に可笑しかった(といっても、この可笑しさを説明することはできないのだけれども)。

と、まあ、浅草キッドもかなり久々に観られて嬉しかったなー。これくらい凄いお笑いのライブは年一回くらいでも充分なのだが、やはりちゃんとがんばってチケット取らないとならなくても、無精がらずに取る努力をしていきたい。と思った一夜であった(本日はのーとみさんありがとうございました)。

きつねスパゲティ

昼になにか食べようと、スパゲティを茹で始めたところ冷蔵庫に油揚しかないことに気付いた結果、そういうことになった。

四角いまま甘辛く煮て茹でたてのスパゲティの上に乗せた、のではなく、短冊に切って混ぜたので、厳密には関西風のきざみうどんに倣ってきざみスパゲティというべきか。

関西風といえば、万願寺唐辛子もあったので加えてみたが、醤油味で和風にするのもつまらないので、オリーブ油とトマトで塩味に仕上げてみた。あ、トマトがあるなら単にトマトスパゲティにすればよかったのかな?

まあ、意外に美味かったので、きつねでよかったということにしよう。よかったということにしておこうではないか。

2009年07月11日

Nashville Ain't All Country

ナッシュビルのソウルグループ、The Syndicate、76年の作品。

といっても、このグループはこの一枚しかリリースしていない模様だが、絶品。ファンクナンバーも甘茶ソウルも、親しみやすい楽曲なのに、ファルセットもテナーも、ストリングスやホーンのアレンジもグルーヴも、すべてエッジが立っていて刺激的。そしてよく聴いていると、アレンジがとても洗練されていて、しかも変態。これはすごい。いいもの聴かせていただいた。感謝。(京都QJ'sにて)

しかし、激レア盤で時価20万円超らしい・・・。誰かがんばって再発してくれないかしら。

うめ吉上洛

7/11、京都北山MOJO WESTにて。

せっかくの京都公演なので、うめ吉フリークの岸和田の西桐画伯を誘ったら、水戸は大工町のS枝姐さんまで粋な着物姿でいらしてびっくり。

で、まず昼の部は、桂雀五郎(米朝→枝雀→雀三郎の弟子)の落語とジョイント。

といっても、なにかを一緒に演るというわけではなく、雀五郎が「柳陰」を演ってからうめ吉登場、という構成。

梅雨が明けたかのようなからりと晴れたこの日に「柳陰」は耳の毒だったなー。なので、昼の部が終わった後、夜の部までの間に(柳陰を出す店などもちろん近場にないので、日本酒を)少しきこしめる。雀五郎の噺には、それくらいの影響力はあった。もちろん江戸前の「青菜」として何度も聴いているわけだが、上方落語で聴くとまた味わいが違って面白かったな。「あんけらそ」とか。

さて雀五郎30分ののち、昼の部のうめ吉は、寄席の拡大版のようなステージで、踊りと俗曲など。

登場してまずは「奴さん」をひと舞い。うーん、可愛い。というか、うめ吉の微妙な小ささも影響して、ちょっとこの世のものでないような美しささえ感じる。いや、この時点でもういい心持ちになっているので、少し割り引いて読んでもらっても構わないが。

続いて三味線抱えて「品川甚句」「裏の背戸屋」。それから落語芸術協会に所属しているが、渡米のビザ取得の際歌丸(落語芸術協会会長)の一筆がなんの役にも立たなかった、というお馴染みのエピソードから出囃子シリーズで「大漁節」(歌丸)、「金比羅舟舟」(米丸)。続いてお馴染み「大工さん」と、三階節のあんこ入りの都々逸に字余り都々逸。

最後にこれも可愛い(唄自体も可愛い)「なすとかぼちゃ」を踊って幕。

どこにいるのかを忘れていればいつもの寄席風景だが、ふと我に返れば京都の洛北の真っ昼間という不思議な感じもあり、しかも(これは偶然だが)水戸のきれい所のお酌付き。奇妙な面白さを味わえた午後であった。

さて夜の部は、ジャズ・トロンボーンニストのTommy(主に関西圏で活動)とのデュオで昭和歌謡。カラオケをバックに、三味線抱えたうめ吉が唄い、Tommyがオブリガードやソロを乗せる、というスタイル。これだったら、もちろんうめ吉ひとりでも持つだろうし、どうせジャズの人が入るのだったらもう少しなにか工夫があってもとは思ったが、難しいことを考えなければただただ楽しいステージではあった。

ちなみにお客の何割かは東京から来ているようで、客席はまあまあ埋まっていたが、それでは企画としてちょっとしょうがない気もした。が、(多分)地元の方らしいご老人四人組が実にいい顔をして聴いていたし、多少の種を撒いたことにはなったのかもしれない。そうだったのならよいなと思う。せっかくの初上洛とのことだしね。

夜の部の曲目は、下記のとおり。

01 トンコ節
02 芸者ワルツ
03 野球拳
04 お富さん
05 お座敷ロック
06 山中節
(休憩)
07 蘇州夜曲(Tommyのソロ)
08 三味線ブギウギ
09 買物ブギ
10 夏の思い出
11 アイドルを探せ(フランス語!)
12 お祭りマンボ
13 東京音頭
enc
14 ソーラン節

---

ちなみにこの日は、北山に向かう途中、京都国際マンガミュージアムで「妖怪天国ニッポン −絵巻からマンガまで−」を見物。これもなかなかだったのだが(「件の剥製」と「人魚のミイラ」も展示!)、これについて詳しくはまたのちほど。

京都国際マンガミュージアムは、いろいろ考えられてて、かなりよい。この特別展をやっている間など、京都以外の地方から訪れて丸一日遊んでも損はしないだろう。

1800億(だっけ)など使ってどうこうしようと考える前に、ここを視察して運営内容を一日でも勉強すればよいと思うが、もちろん誰かしらがそうした上での1800億なんだろうなあ。実にバカだと思った。

2009年07月04日

水戸室内管弦楽団第76回定期演奏会

7/4、水戸芸術館コンサートホールATMにて。

指揮:準・メルクル

ドビュッシー(カプレ編曲):こどもの領分
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調 Hob. VIIa-1(ヴァイオリン独奏:豊嶋泰嗣)
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92

特に以前からこのオケこの指揮者のファンだったというわけではなく、クラシックの演奏会自体何年かぶりなのだが、友人に誘われてほいほいと鑑賞に出掛けた。

そんな調子で旅行気分が先に立ち、しかも移動の疲れがあって「こどもの領分」ではかなり長い間うとうとしてしまった次第だが(残念)、ハイドンでいい感じに蘇生し、ベートーヴェンの7番の凄まじさに、全身が一気に目覚める。

規模の小さい室内オーケストラながら、この曲の見せ場のひとつであるぐいぐい引っ張るところの推進力がものすごく、騒から静、また騒という音の嵐にもみくちゃにされ続け、興奮極まれり、最終楽章のまさに終盤では自然に涙が溢れ出た。

席がステージ上手側の最前列だったことや、またこのホールの音響設計(素晴らしい)の所為もあるかもしれないが、普段この曲をレコードなどで聴くときにあまり注意してこなかった低音(コントラバスとチェロ)の細かい動きに注目できたのもよかった。

あー、いいもの聴いた。総監督の吉田秀和のお姿を拝めたのもなんだか神様見たようでありがたい。

今回誘ってくれたのは東京の友人だが(感謝)、この日ご一緒した水戸在住の友人が芸術館になにか関わっている?ということもあり、このオケの演奏会はまたときどき訪れることになる予定。水戸、食べるものも美味いし、いいソウル・バーもあるし(笑)。

2009年07月03日

東京経済大学コミュニケーション学部「身体表現ワークショップ」

7/3、東京経済大学 国分寺校舎6号館地下1階「スタジオ」にて。

かの「和光大学期末試験スターリンライブ事件」で知られる粉川哲夫(現東京経済大学教授)が主催するワークショップで、今回は酒井俊(vo)+桜井芳樹(g, banjo)のライブ、さらには酒井俊の講義もあるということで、出掛けてみた。

#このワークショップの概要や過去のプログラムは、下記参照↓
http://anarchy.translocal.jp/shintai/

まあ、ワークショップといっても、まずライブがあって、各曲目の背景(酒井俊がなぜ現在の形態での演奏に至ったかも含む)を仔細に記した資料が配布され、それから学生の質疑応答、一般客のコメント、という内容であった(参加者がなにか、歌を歌うこととその身体表現の訓練のようなものを求められるわけではない)。

授業としては、どうなんだろうか。まあ、まずはこういうパフォーマンスを学生にぶつけてみて、そこからなにか得る者は得ろ、という感じなのかな? 粉川哲夫はその辺を明確にナビゲートするわけではなく、学生たちがどう感じたかを述べたコメントから彼らをどこかへ導くという感じではなく、あるいは自分の興味に従って酒井俊にインタビューする、という感じだった。

学生たちの質問に対し、酒井俊は直裁的には答えず、回答に至る道筋のごく初期段階からコメントを述べる。一見、遠回りのように思えるし、実際なかなか予想していたような回答に近づかないことで学生が戸惑っている様子も見て取れたが、しかしちゃんと聴いていると、その質問への回答も含む「酒井俊の歌」の方法が浮かび上がって来る。もちろん、もともとがなにか明快な答を持っているものではないのが音楽だから、人によって理解度は異なるのだろうが、今日聴いた音楽がどういう風に作られてきたもので、それが普段自分たちの聴いている音楽とどう違うのかが、漠然とでも伝わりはしたかな、と思った。というか、それを希望する。

あと、ライブの内容は基本的に普段通りだが、「身体表現ワークショップ」ということだからだろうか、普段より歌や楽音以外の身振り手振り、表情、非楽音の使い方による「歌の世界の表し方」が、親切でわかりやすく腐心されているような気はした(特に「ヨイトマケの唄」だったろうか)。

以下、この日のセットリスト。

01 初恋
02 You Are My Sunshine
03 かくれんぼの空
04 四丁目の犬(インプロ)〜ヨイトマケの唄
05 I Shall Be Released
06 Shenandoah(dance)
07 Yes! We Have No Bananas
(休憩)
08 Shenandoah(ballad)
09 19の春
10 四丁目の犬
11 黒の舟歌
12 Martha
13 Alabama Song
14 At Last, I'm Free
15 Hallelujah
16 満月の夕

しぶやさんといっしょ

7/3、アケタの店にて。渋谷毅(vo, p)、かわいしのぶ(vo, b)、藤ノ木みか(vo, per)、外山明(vo, ds)。ゲストに小川美潮(vo)、藤本敦夫(vo, g)、橋本一子(vo, p)。さらに飛び入りで橋本眞由巳 (vo)、大川俊司 (b)。

今日も楽しい楽しい一夜だった。渋谷毅が演奏開始時からすでにいい感じで、後半はベロベロに近かったこともあり?(16くらいで既に怪しかったように思う)、「酔っ払い父さんを中心にした音楽好きの一家の楽しい夕べに、やはり音楽好きのおじさんやおばさん(といって差し支えあったら、親戚のお兄さんとお姉さん)が遊びに来た」という家族的な風情が、前回観たときよりも強かったと思う。ゲスト各々のキャラクターも、こう組み合わさるとなんだか親戚っぽいし。なぜと訊かれたら困るけど。

個人的には、小川美潮が歌う「はじめて」が、他の童謡と比べるとちょっと異質に美しく感動的で、これは泣いた。それと、「おおきいてちいさいて」で、橋本一子がみんなといっしょに振り付きで歌ってのが面白かった(なにせ、今となってもYMO参加時のクールなイメージがやはり強いので)。

なお、最後は例によって「アンコールは面倒くさいので」と言って、「ふたりでひとつ」で締める予定だったが、渋谷毅が自分から「二番を歌う」といっておきながらすっかり歌い出すのを忘れたため、急遽「つるべおとし」が演奏された、というのも嬉しいおまけ?だった(「ふたりでひとつ」は、そのあとちゃんと演奏された)。

えー、あと今日の「カニのおじさん」は、藤本敦夫が担当。やはり親戚にいるなあ、こういう感じのおじさん。

以下、この日のセットリスト。「主な歌唱担当」ほかは、のちほど補遺(するかも)。

01 あしたのあしたのまたあした
02 こんなこいるかな
03 くじらのとけい
04 雨だれピチカート
05 カニのおじさん
06 夏だよ海だよ音頭だよ
07 ふしぎなあのはすてきなあのこ
08 リンゴ村だより
09 ハローおさるさん
10 あっちこっちたまご
11 ぼくのミックスジュース
(休憩)
12 夢の中
13 さるが木からおっこちた
14 はじめて
15 Dear Mr. Optimist
16 遠い夏
17 キリンのかあさん
18 あやとり
19 告白
20 おおきいてちいさいて
21 ちょっとまってふゆ!
22 ふゆっていいな
23 雪はこどもに降ってくる
24 ふたりでひとつ(途中まで)
25 つるべおとし
26 ふたりでひとつ

2009年07月01日

Raphael Saadiq

7/1、Blue Note Tokyoにて。Raphael Saadiq(vo)、Billy Kemp(back vo)、Erika Jerry(back vo)、Charles Jones(key)、Rob Bacon(g)、Calvin Turner(b)、Carl Carter(ds)。

アンコールの一曲目が「I Want You Back」。演ればいいというものではないが、これは泣かせる演奏だった。なんというか、きっちりジャクソン5への敬意を形にした素晴らしい「I Want You Back」。アンコールの拍手を受けたイントロの引っぱり具合も、ぐっときてよかった。

前半、「The Way I See It」風味がほとんどなく(あったのは冒頭の数曲程度)、あれーという間になんだかハードロック(ツェッペリン)のようになり、それはそれでロバート・ランドルフを観たときのような不思議な面白さを感じつつ、しかしソウル路線?に戻ってもなんだか期待が外れた感を抱いたままステージは続いたのだが、アンコールの「I Want You Back」以降が、やはり「The Way I See It」風味があまりなかったものの、なんだかやけに素晴らしかった。こういう全体の展開は意外だった。全然想像していなかった。

Blue Noteにしては多分珍しく、全2時間、アンコール2回、数え方にもよるがおおよそ20曲。これも意外。

で、Raphael Saadiqがアンコール時に弾いたベースが太くてうねっててよかったり、やはりアンコール時に隠し球のように歌を指名されたキーボードのCharles Jonesの歌が実は一番上手かったり、というのも意外であった。

意外でなかったのは、Erika Jerryが事前に映像でチェックしていたのと同じく、めちゃくちゃ可愛かったことか。あんな姪っ子がいたら楽しそうだなー。何言ってんだ。

まとまらないまま一旦放置しますが、あとはまたのちほど補足したり修正したりしたいと思います。

(追記)
5日間中4日間通ったという方の、大変詳しく素晴らしいブログを発見。

http://megawatt.blogdns.net/blog/

もう、あとはお任せ?します。興味のある人は読んでね。

mixiにもいらっしゃる方らしいが、未検索。接触することがあるかどうかわからないが、リンク失敬いたします。

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