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2011年01月27日

星空音楽会 - Musica en Compostela -

綾瀬ナチュラルカフェ コンポステラにて。関島岳郎企画。

高岡大祐(tuba) + 関島岳郎(tuba)、ゲスト酒井俊(vo)

この店でのライブを、交代で関島岳郎が企画することになって、その第一弾。

関島岳郎いわく、「最も信頼するふたりのミュージシャンに出演をお願いした」とのことだが、言われたほうも嬉しいだろうが、聴き手にとってもとても有り難い企画だ。

テューバ二本と歌、というと、奇異に感じる向きもあるかもしれないが、問題はそんなところではなく、歌い手や演奏者が「音楽」という源泉の、それも飛び切り豊かなやつの在処を知っていて、そこから自分の声と楽器(もちろん一般性がない楽器や手作り楽器だって構わない)でその源泉を汲み上げる術を持っているかどうかだ。

そんな当り前のことを、二本の(それぞれ個性が違って、その楽器らしい音とそんな音も出るんだという音を駆使し、響き合い、会話し、ときに融和する)テューバと、「今回は“親”(企画者)ではないから」といつになくリラックスした歌とに、改めて強く思い知らされた。

うまくは言えないけれど、歌声や楽器の技術や発想の向こうにある、滋味豊かな音楽の源泉に触れたようなライブだった。あとは子供の頃見たまだ古さの残る東京の風景を思い浮かべたり、何故だか死んで行った友人知人を懐かしく思い出したり(これは主に「四丁目の犬」内の台詞や続く「ヨイトマケの唄」に起因するが)。ずっと記憶に残るだろう演奏会だった。

会場も、最初は正直なところお客詰め込み過ぎとか、ステージにどう向き合っていいかわからず落ち着かないとか、「オーガニックでロハスな感じ」が好きでないとか、家から遠いとか、そんなささやかな不満を少しだけ感じたが、多分地元の方も多いであろうお客で満員になって皆が楽しんでいる様子はすごく好ましかった。難しいことを考えずに素朴に歌と音楽を楽しんでおられる様子のご年配の方も見られて、演奏が始まったら、入店時に感じたささやかな不満などすぐに消え去ったものだ。

これはまたぜひ聴きたい。音源制作の可能性だって、この夜のライブだけでかなり見えたと思う(録音環境や響きや技術者にもよるが、左右のチャンネルにテューバ一本ずつ、真ん中に歌、というシンプルな構成で、家のオーディオセットでも十分に楽しめるだろうことが、容易に想像できる)。

言うまでもなく関島岳郎の企画が素晴らしかったわけだし、ふたりのテューバ奏者の素晴らしさがあってこその一夜ではあるが、同時に、年が明けてから三回聴いて、今年の酒井俊はなるべく聴いておきたいと改めて思った。

なお蛇足ながら、「篠新 3/4」と「海を渡る風」は関島岳郎が在籍していたコンポステラというバンドの曲(前者は「歩く人」、後者は「1の知らせ」に収録)で、高岡大祐とのデュオで演奏。他はすべて酒井俊が参加。

01 篠新 3/4
02 Shenandoah
03 Hong Kong Blues
04 朝日楼(朝日のあたる家)
05 黒の舟歌
06 四丁目の犬
07 ヨイトマケの唄
08 初恋〜Down By The Sally GardensJust Like A Woman
(休憩)
09 海を渡る風
10 アラビアの唄
11 かくれんぼの空
12 Alabama Song
13 Hallelujha
14 I Shall be Released
(アンコール)
15 Love Me Tender

2011年01月23日

酒井俊(vo)/桜井芳樹(g、banjo)

渋谷dressにて。

この日も、「朝日楼」〜「黒の舟歌」のところでやられたが、しかしPAという立場上、あまり興奮することもできず。

全体的に、ボーカルとギター/バンジョーの細かいバランスが気になって、というかもちろん慣れてないので不安なだけ、実際は問題なかったと思うが、歌と演奏の深いところまで入り込んで聴くことはできなかった。

ただ、先日のレコ発のときも感じた、円熟といったらちょっと違うが、まあでも熟成か、時間をかけて育んできた丸みのようなものを、この日も感じることができた。

客席の震えも、PA席から観察してて感じた。いいライブだった。dressも、建物自体がライブ会場として育っているような気がした。まだ二年くらいだと思うが、時間の重みというのは不思議だな。

01 I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
02 Grape Fruit Moon
03 アラビアの唄
04 初恋〜Down By The Sally Gardens
05 朝日楼(朝日のあたる家)
06 黒の舟歌
07 Just Like A Woman
(休憩)
08 Shenandoah
09 Crazy Love
10 四丁目の犬
11 ヨイトマケの唄
12 6月の雨の夜、チルチルミチルは
13 Love Me Tender
14 I Shall be Released
(アンコール)
15 Wonderful Tonight
16 満月の夕

2011年01月20日

Smoke Benders

渋谷Bar Issheeにて。

Samm Bennett(neo-primitive string instruments, etc)、高岡大祐(tuba)、沼直也(ds)

バンドのFacebook

これはすごい。手作り弦楽器(打楽器にもなる)と手作りムビラ、チューバ、ドラムによる、なんというか、ただただ身体が楽しく動いてしまう音楽。ロックといえばロックだし、ブルースといえばブルースだが、名前を付ける必要はないかな。

いや敢えてブルースといってしまうのが、その音楽やバンドの佇まいから受け取るものの感触からして、いいかもしれない(ご本人たちもストレンジ・ブルーズバンドといっているし)。

次観るときは踊りたいが、Bar Issheeだと踊れるとこだとバンドを横から観ないといけない。まああとで考えよう。

あと、できたらだが、もう少し音大きくてもいいかな。というか、音量は(音楽の熱さに比べて)とても小さい。逆にいえばあれくらいの音量に押さえた演奏で、あれだけ渦巻くのが、素人から見ればすごい。

いやー楽しかった。

新宿末廣亭正月二之席

1月20日、二之席の楽日。昼席の勢朝から、夜席仲入り前の圓蔵まで見物。

各出演者に関しては、まあ正月興行だし、出演者も多いしで、漫談が多かったりネタもあっさり目だったりというのは、そういうものなのでとしか思わない。今年も目出たい空気に触れられたので、嬉しい(でも来年はやはりがんばって初席に行こう)。

しかしその中でも、というかだから余計にか、好きではない芸人の好きではないところが際立つというか。これが大ネタを力一杯やってるようなところを観るのだったら、技術や熱意にほだされることもあるだろうが(まあ普段もそういうことがないから嫌いになるというのもあるが)、小粋にさらっと漫談とかやられると、その本人の(私にとっての)つまらなさしか印象に残らないわけだ。

この日でいえば、文楽、小さんがそうだった。どうもなあ。でも一度はちゃんと本格的に演ってるのを聴かねばなるまい。

一方、猫八は先代に比べるとなんとなく暗い感じがして好まなかったのだが、この日は印象をよくした。それと小菊も、これはほんとに好みの問題だけで今まで舞台に出てきてもあまり注目しなかったのだが、なんか最近好きになってきた。

向こうが変わったのかこちらが変わったのかはわからないが、こういうことがあるから、好きではない人もときどき観ないといけない。

二階席まで大入り満員だったが、喋る客、寝る客が少し気になったなあ。まあそれもいつもいるわけだが、気になるレベルだったということ。川柳のときは一番前の客が寝てて、師匠かなりお冠だった。一瞬場内に緊張感も走った。

まあでもその他お目当ては、いつもの期待通り。小円歌の踊り(奴さん)も観られた(これ観ないと一年が始まらない)。目出たく新年を迎えた感を新たにした。

春風亭勢朝・・・・・・・漫談
柳家亀太郎・・・・・・・三味線漫談
三遊亭歌武蔵・・・・・・漫談(相撲ネタ)
林家しん平・・・・・・・(失念。狛犬が出てくるネタだった)
柳家小里ん・・・・・・・手紙無筆
松旭斉美智美登・・・・・奇術
桂文楽・・・・・・・・・漫談
柳家小満ん・・・・・・・(失念。逃げ口上が出てくるネタだった)
金原亭馬の助・・・・・・みそ豆と百面相(大黒、恵比寿、達磨)
三増紋之助・・・・・・・曲独楽
金原亭伯楽・・・・・・・梅鉢
鈴々舎馬風・・・・・・・漫談
(仲入り)
三遊亭歌司・・・・・・・漫談
入船亭扇橋・・・・・・・(失念。幽霊が出てくるネタだった)
大瀬ゆめじ・うたじ・・・漫才
林家木久扇・・・・・・・漫談。昔の映画俳優のモノマネ
柳家小さん・・・・・・・(失念)
柳家花緑・・・・・・・・漫談。先代小さんネタ
三遊亭小円歌・・・・・・俗曲、端唄、踊り(奴さん)
三遊亭圓歌・・・・・・・陛下落語で笑う

古今亭ちよりん・・・・・穴子でからぬけ
三遊亭時松・・・・・・・犬の目
江戸家猫八・・・・・・・動物鳴き真似
柳家三之助・・・・・・・堀之内
初音家左橋・・・・・・・稽古屋
古今亭志ん弥・・・・・・開帳の雪隠
柳家小菊・・・・・・・・俗曲、端唄
柳家さん喬・・・・・・・替り目
桂文生・・・・・・・・・漫談
三遊亭金馬・・・・・・・ねぎまの殿様
昭和のいる・こいる・・・漫才
川柳川柳・・・・・・・・ガーコン
橘家圓蔵・・・・・・・・いろいろな悪口

2011年01月15日

Giulietta Machine

千歳烏山TUBOにて。

Giulietta Machine新年第一弾。

対バンのSweet Sunshine主催のライブだそうで、出番は最初。01〜04が曲間を空けずメドレーっぽい展開で、少し客席側を置いて行っているような印象もあったが、05、06でぐっと場をつかんだな、と感じた。

もちろん04まででも(そしてそれ以降の曲でももちろん)、淡々と進む曲の中でとつぜんドライブがかかり自然に身体が反応するような場面はいくつもあり、聴きに行く度にライブバンドとしての充実振りを感じる。

07〜09では高遠綾子が歌で参加(09はカエターノの曲)。特に08「Arios」では、高遠の歌詞による歌が加わることで、元曲の持つアントニオ・カルロス・ジョビン級の美しさがさらに際立ったと思う。

01 Transcendental Pool〜Samba Giulietta
02 Caprica
03 Africo
04 Lounge
05 マリアマリア
06 Smith
07 Cloudy
08 Arios
09 Cobra Coral
10 Branca
11 Nanan
12 かえる

2011年01月14日

酒井俊~Newalbum 「PLAYS STANDARD vol.1 」&「 a few little things 」2枚同時発売記念ライブ2days 第一夜

渋谷公園通りクラシックスにて。

酒井俊(vo)、太田恵資(vl)、桜井芳樹(g、banjo)、関島岳郎(tu)、岡部洋一(per)、松永孝義(b)船戸博史(b)

「PLAYS STANDARD vol.1 」と「 a few little things 」に参加したメンバー全員が揃うという二日間の、一日めだけ行った。

特別な二夜、ということもあるだろうが、どの歌もこうでしかあり得ないだろう、と思わせられる演奏で、圧倒され続けた。

特に前半4曲めの「朝日楼」は、浅川マキの訳詞と、浅川マキやちあきなおみの歌唱で知られる「朝日のあたる家」の日本語版だが、歌い出しから引き込まれたので、「朝日楼」云々が思い浮かばず、ただ「朝日のあたる家」の日本語版だな、と思って聴いた。そしてよく知っているはずのこの歌のよく知っている歌詞で、とつぜん涙が溢れてきて自分でも驚いた。

あとで改めて聴いたら浅川マキだってちあきなおみだって、それはものすごい歌唱なわけだから、この夜の酒井俊の歌にはそれだけなにか特別な力があったということだろう。

(話はそれるが、よく知っているこの曲のこの部分でなぜ、というところで涙が溢れたり心動かさされる、という体験を意識するようになったのは、酒井俊のライブを聴き始めたのがきっかけだ。それまでにも、たとえばヘンリー・バトラーのライブで「You Are My Sunshine」を聴いたときなど、同種の体験は思い起こせばあるけれども)

続く「黒の舟歌」の二曲が、自分にとってはこの夜の大きな山で(酒井俊の歌唱はもちろん、間奏での桜井芳樹のギターも、うまく言葉にできないが、ものすごい渦の巻きようだった)、あとは腑抜けたように歌と演奏に身を委ねただけだった。それはもちろん、とても得難い体験だった。

なお松永孝義と船戸博史は、06の「Grape Fruit Moon」から参加。その後の抑制の効いた重低音の微妙な色彩が歌を支えるという演奏は、恐らく二度と聴けない貴重な体験だったと思う(またこの編成が編まれれば別だが)。

その三重低音の中で、15「Alamaba Song」で展開された関島岳郎の、テューバの管を少し抜き気味に調整しながら罅の入ったような音で展開されたソロも、とても印象的だった。

その他メモ的なことを書いておくと、桜井芳樹は01/02/03/07/11/14/16/19でバンジョーを使用。酒井俊は13/16/17でメガフォンを使用(LAの浜辺でラジオから流れてきたと思って聴いて、と歌い始めた17では特に、他もとても面白い効果を生んではいるが、それが使用曲でどのような意味合いを持たされているのか、まだ私は十分な理解に達していない)。08ではMCで下北沢のジャズ喫茶「まさこ」の思い出が語られ、14は古沢良治郎に捧げられた。

繰り返すが、歌い手、演奏者にとっても特別な夜だったと思うが、聴き手にとっても特別な夜、特別な要素が多過ぎるくらいの夜であった。

01 I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
02 Jamaica Farewell
03 アラビアの唄
04 朝日楼(朝日のあたる家)
05 黒の舟歌
06 Grape Fruit Moon
07 初恋〜Down By The Sally Gardens
08 Just Like A Woman
(休憩)
09 Grandma's Hands
10 Fragile
11 四丁目の犬
12 ヨイトマケの唄
13 Feeling Good
14 6月の雨の夜、チルチルミチルは
15 Alabama Song
16 Yes, We Have No Bananas
(アンコール)
17 Love Me Tender
18 リボンの騎士
19 満月の夕

2011年01月10日

田中邦和(sax) / tatsu(b)

渋谷dressにて。

#去年は後半さぼり気味だったが、今年はライブ見聞録は漏らさず書き留めるつもり。

tatsuのベースは押さえに押さえた感じで、ディレイとリアルタイム・ループを駆使しながら、聴き手にそれと気付かせないような塩梅でどんどん音の厚みと色彩を増して行く。

そこにささやくような田中邦和のテナーサックス(と、曲によってはフルート)が加わるのだが、田中の演奏は音量や音色を押さえても、いつものような色気に溢れていて、一見墨絵のような静寂さの中に、とても豊かな風景と味わいを味わえたライブだった。

田中がMCでしきりに「俺たち暗いなあ」と言っていたが、盛り上がったり熱かったりだけが音楽の愉しみではないという当たり前のことを、年頭にしっかりと再認識させてもらえたと思う。感謝。

演奏は即興中心で、途中2〜3曲のスタンダード(曲名失念。メモには「Reflections」「Four」の文字があるが、記憶は不確か)やフラグメンツの曲を挟んで10曲。

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