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2013年02月28日

2月まとめ(21〜28日)

21日(木) 午後4時頃目が覚めたので、寝床で今日はどの寄席に行こうかを検討、池袋にしようと思ったところでまた寝てしまい、結局寝坊、開き直って午後4時頃まで惰眠→風呂→本日69kg、今年平均69.2kg。ふと気が付くと、二年前の入院直後よりも1kgくらい少ないということか→江弘毅『街場の大阪論 』読了。面白かった。大阪弁に不慣れ故意味がうまく取れないところとか、自分としてはもう消化してしまった問題などもあったが、普段同じようなことを考えているなあ、という感じが随所にあったし、大阪に遊びに行ってもやもやしていたことをすっきりさせてくれたところもあった→呑みながら録画の『続エマニエル夫人』鑑賞。笑った→10時過ぎ就寝
22日(金) また4時頃起床。今日はこのまま起きていよう→池袋は喜多八が市馬の代演とのこと。昨日行けばよかったかな。まあいいや→風呂。有吉佐和子『ふるあめりかに袖はぬらさじ』読む。歌舞伎観たいな→朝飯とビール。今日は末廣亭にした。昼から夜まで通しで→ベルクの隣の立ち食い蕎麦、天婦羅ぐずぐず。コップ酒が盛り切りなのはよい→末廣亭10時間コース。白鳥が凄まじかった→魔酒場でハーパー四杯。ちょうど3,000円。電車賃だけ残った→帰宅してまた呑む→多分0時過ぎ就寝。
23日(土) 朝9時過ぎ起床。宿酔い→風呂で酒気抜き→『十九の春』移調作業→dressにて時空兄弟サウンドチェック。『アラバマ・ソング』にしびれる→ニュー信州にて一杯。よい酒場である→ライブ本番。岡野さんと千絵ちゃんに久々にお会いできてうれしかったな→ライブ後痛飲。楽しかった→タクシーで帰宅。午前3時頃就寝。
24日(日) 朝9時頃起床→風呂、洗濯→『ライバルたちの芝浜』の梗概書く。書いてみたらあまり面白くならなかった→dressにて今日のライブのサウンドチェックへ→武田カオリが、宇多田ヒカルの「光」を歌う。素晴らしく心地よい緊張感→ライブ終了後も呑み続け、都合赤葡萄酒二本くらい呑んだ計算になる→歩いて帰る。ときどき走ったような気もする。疾走感を記憶に残したまま就寝。時間不明だが、多分明け方。
25日(月) 昼頃起床、宿酔い→風呂、野菜ジュース→湯冷め→遅い昼飯→カチャトラでセンベロ見物。いやーもう凄かった。楽しかったなあ。昨日たくさん呑んだので今日はあまり呑めないかなと思ったが、葡萄酒紅白合わせて一本分くらいは呑んだ→ドラムの栗原努やカチャトラの人ともたくさんお話できたのもうれしい→ただし尾形泥酔(帰りの電車に乗ってから)→そして私は激しい腹痛(恵比寿駅にて)→それでも経堂に着いてから、馬刺とビール、あと夢亀ラーメン→帰宅、風呂、午前4時過ぎ就寝。
26日(火) 朝9時過ぎ起床→朝飯準備→風呂→西桐ブログ更新とデザイン替え。デザインは今ひとつだなあ→夕方銀座に出て、三原橋探訪→その前に泰明庵で底を入れ、三原、そしてお多幸とはしご→泥酔。帰りの地下鉄の中で、かけていた眼鏡がなくなっているのに気付く。不思議だ。他に失せ物はなかった→帰宅。叱られる。すみませんでした。
27日(水) 午前中起床。営団地下鉄などに失せもの問い合わせてみる→宿酔い→風呂→出版契約書のドラフト読む。電子出版以外の出版と契約期間と著作者人格権の辺りがキモのようだ→昼寝→夕食。大量のザワークラウトいただく。感謝→今日は酒抜いた→契約書内容吟味。ちょっと穴だらけというか乱暴ではなかろうかと思った。まあ、事情はわかるが、私はいやだ。というわけで、ねっとりと吟味させてもらった→西桐ブログデザイン修正。今度はうまく行ったと思う。
28日(木) そのまま寝ずに、まず新橋演舞場にて四月の杮落しの切符引き取り→とても久し振りに歌舞伎蕎麦。というか移転後初めて。味変わっておらずうれしい→上野の東京メトロお忘れ物総合取扱所。眼鏡はなかった→時間少し余ったので西洋美術館の常設展示を見物。ハンマースホイ『ピアノを弾く妻イーダのいる室内』、ド・シャヴァンヌ『貧しき漁夫』、ブーダン『トルーヴィルの浜』、ファンタン・ラトゥール『聖アントニウスの誘惑』、ヴァン・ドンゲン『ターバンの女』を何度か眺める→御徒町まで散策→池袋演芸場下席昼。少し寝る→経堂に戻り季織亭で鴨つけめん→アダンで花買い帰宅。倒れるように眠る。二月終了。

池袋演芸場二月下席昼

(Facebook「落語総見」グループと同内容 https://www.facebook.com/groups/rakugo99/)

池袋演芸場二月下席

徹夜明けに落語を聴きに行くもんじゃない、とはわかっているが、前から楽しみにしていた池袋下席は楽日まで行けず、特に急ぎの用でもなかった徹夜明けに、東銀座と上野で用事を済ませ、その間まあ結構な距離を歩いてから、池袋へ。

そういうときは、声や調子が心地よい噺家の芸にうとうとしがちなもので、まあそれも噺家には失礼ながら寄席ならではの楽しみではないかとも思うが、この日はとりわけ菊助『唖の釣り』、市馬『長屋の花見』で、ごく短い時間ではあるものの、大変気持ちよく舟を漕いでしまった。

『唖の釣り』は不忍池、『長屋の花見』は上野の山が舞台だし、ちょうど上野から鴬谷まで徘徊したあとだったので、昔のその辺りの風景を夢で見たりもした(ような気がした)。特に『長屋の花見』は、少し早めにうららかな春の陽気が感じられる塩梅で、噺と夢とが交差して、とても結構だった。

仲入り後の文菊『猿後家』は、反対にその調子のよさに目が覚めた。文菊〜正雀『花筏』という流れは、そういう意味ではとてもよかったな。

小円歌は、相撲甚句〜新内流し(かちかち山)〜名人出囃子〜さんさ時雨を弾き唱ったあとかっぽれを一舞い。まあいつも通りだけど、かっぽれはつい先日も観たばかりだが、小円歌の踊りはいつ観てもしびれる。ちなみにこの日は、志ん朝のお内儀さんにもらったという着物で、何という柄かは知らないが、白地に黒で粗い網目模様を染め上げたという感じ。渋い多色使いの帯との取り合わせが実に素敵だった。

さて、お目当てのひとりトリの菊志んは、マクラで芝浜のあらすじをだーっと語ったのだが、それが実に鮮やかで見事。『宿屋の富』本編も、とてもいい調子で気持よく聴いたが、まああくまでも自分の好みや体調による感想ではあるけれど、すこうしだけ熱演過ぎて、主人公から徐々に滲み出て来る“これからどうしたもんかなあ”というような味わいが薄味かなとは思った(いやでも、春に向かう陽気の中だったからかな、ともあとでちょっと思ったが)。

でも、うまいなあと思う箇所も多かったし、その熱演振りの持ち味が聴いてる自分にはまったときの面白さや、あるいは逆に歳を重ねたあとに醸し出される味わいなどの想像(妄想)も楽しんだ。多少余裕のない中だったが、聴きに来てよかったと思う。

えー、あとは、前座と二つ目と女流が続いたことから、女流の噺家というものについてつらつらと考えたり(あらかた忘れてしまったが)、圓十郎から勢朝を置いて笑組が出てきて、そのときちょうどうとうとしてたので“え? 圓十郎が背広に着替えて出てきた? 同一人物だったか?”と慌てたところなどが、この日の自分にとってはポイントだった(そしてその後、正雀が『花筏』をかけたのが可笑しい)。笑組の芥川龍之介『杜子春』をモチーフにしたネタは面白かったな。

あ、圓十郎『ナースコール』は、三遊亭白鳥が演るときと同じような印象だったが、これは噛んだり一瞬忘れたように見えるところが多かった。もう少し練られたらまた聴きたい。

勢朝も、いつも通り爆笑の連続ではあったが、途中でふと調子が澱み、客席に変な間が空いてしまうところがあったかな。何度かあれっと思ったのを記憶している。

そういえば、池袋演芸場が禁酒になったのを、この日初めて知った。酔客がなにかトラブルを起こしてそれ以来、という話だった。もう2008年頃からなのかな? 呑める場所だとばかり思ってたので、場内の張り紙が目に入ってなかったようだ。間抜けだ。

以下、この日の演目。

林家なな子・・・・・転失気
古今亭ちよりん・・・やかん
橘家圓十郎・・・・・ナースコール
春風亭勢朝・・・・・袈裟御前
笑組・・・・・・・・漫才
古今亭菊助・・・・・唖の釣り
柳亭市馬・・・・・・長屋の花見
(仲入り)
古今亭文菊・・・・・猿後家
林家正雀・・・・・・花筏
三遊亭小円歌・・・・三味線漫談
古今亭菊志ん・・・・宿屋の富

2013年02月25日

センベロ

於恵比寿カチャトラ

沖祐市(p)、田中邦和(ts、fl)、tatsu(b)、栗原努(ds)

前半出だしの二曲と、二回めのアンコールのみ沖×田中邦和。あとは四人。曲目はメモしなかったが、『スチーム・ジョー』『Sembellogy』『Elixir』『In The Groove』『Hillside Strut』『Olmeca』、あとBuzzcocksの『Walking Distance』をカヴァー。それと即興のセッション。(以上順不同)

『In A Mist』とかやったかな。記憶が曖昧。

もうなにも言うことがないくらいに最高過ぎるライブで、この店でやるときはいつもと全然違ってしまうとメンバーの一人も言っていたが、ひとつだけ、沖がソロパートではなく、なんでもないコードをなんでもないリズムで刻んでいるときも嬉しそうな感極まった顔をするときがあるのを見て、ほんとうに素晴らしいと思った。嬉しくなった。身体はずっと動きっ放しで、何度も声を上げた。

カチャトラもいい店で、今度はただ食事に行きたい。昨日赤葡萄酒二本分呑んだので、今日はあまり呑めないかなと思ったが、紅白葡萄酒を一本ずつをふたりで。ライブということでメニューは少なかったが、マルゲリータのピザはとてもうまかった。

2013年02月24日

武田カオリ×田中邦和×tatsu

於渋谷dress

武田カオリ(vo)、田中邦和(sax)、tatsu(b)

※PAを担当

なにかものすごい緊張感を湛えながらも温かく優しい歌と演奏。とても心地よい。

歌が丸裸にされるような演奏だから、宇多田ヒカルの『光』のような難名曲のよさが際立っていた。

02はTICA、03は武満徹、05は坂本龍一、09はMassive Atack、11はNew Orderの、14はRickie Lee Jonesの曲。

01 Black Bird
02 Johnny Cliche
03 翼
04 光
05 Thatness and Thereness
06 蘇州夜曲
07 Moon River
(休憩)
08 即興(田中邦和、tatsu)
09 Teardrop
10 ロジー
11 Bizarre Love Triangle
12 Spring Can Really Hung You Up The Most
13 オーロラの心
enc
14 Love Junkyard

2013年02月23日

時空兄弟(マダムギー長見順×大津真)

於渋谷dress

マダムギター長見順(vo, g, p)、大津真(g)

※PAを担当

“時空兄弟”としてのライブが何回目かは忘れたが、かつての先輩後輩が再開して一緒に演奏した、という以上に、ひとまとまりになって永遠に続くような何かを感じた。

甲乙つけるものでもないが、とりわけ『Alabama Song』が印象に残った。マダムに今までとは違う新たな酔っ払いが降臨。

PA的には、サウンドチェック時に階下の会社に人がいたので、それを気遣った調整になったが、本番は演奏者の歌や出音もさらに練れた感じになり、悪くない音響になったと思う。

01 Blue Hawaii
02 旅人
03 空間(あくま)Ⅱ
04 鉄格子のブルース
05 カエルのサンバ
06 百姓の娘
07 Smith
(休憩)
08 Ice Song*
09 殺しのシミュレーション*
10 夜の童話*
11 あなたがあとからついてくる
12 きりきり舞い
13 Arios
14 Alabama Song
enc
15 Love Me Tender

*は、マダムギターがピアノ

2013年02月22日

新宿末廣亭二月下席

(Facebook「落語総見」グループと同内容 https://www.facebook.com/groups/rakugo99/)

新宿末廣亭二月下席

前の日まで池袋演芸場に行くつもりだったのが、朝起きて番組を眺めているうちに、末廣亭に心変わり。きっかけはなんだっただろうか。一晩経ったら忘れてしまったが、確か池袋のほうは香盤にあった柳亭市馬がこの日は出ないから、ということだったような気がする。

さて、まずは昼。春風亭一蔵『猫と金魚』は、「さっき新宿三丁目の駅で、女の人が子供料金の切符で乗ろうとして咎められ、だって女子供って言うから子供料金でいいと思った、と言った」というマクラは面白かったが、本編は番頭があまりバカそうでなかったのがちょっと残念。

江戸家小猫は、先日の親子競演ほどの衝撃はなかったが、席の所為か(下手側桟敷の真ん中くらい)特に蟋蟀や鈴虫、トノサマガエルなどが立体的に聴こえてきたのが面白かった。高座姿は真面目で堅そうだが妙な感じもあり、なかなか面白い味わいがあると思う。この日演ったのは、猫、鶯、ルリビタキ、蟋蟀、鈴虫、犬、アシカ、サイ、馬、シマウマ、テナガザル、キリン。あと初代猫八のキリン。

春風亭柳朝は、名跡に比べると線が細いかなといつも勝手に思っているが、噺(桃太郎)は面白かった。で、次の入船亭扇辰『たらちね』辺りから場内暖まり、柳家権太楼『代書屋』までかなり沸く。

ちなみに扇辰『たらちね』は、お清の名乗りを八五郎が読み返すと読経になってしまうところまで。橘家圓太郎『親子酒』は父親が次第に酔っ払ってくるところの変化が見事。あした順子のいつもの「男はあなた〜」では前座の林家けい木が高座に上げられたが、落語(平林)のときより面白く、ご本人自体に可笑しい味わいがあるのかもと思った。桂扇生『岸柳島』も気持よかったなあ。柳家権太楼『代書屋』はいつも通りだが(今日はちょっとだけ軽めだった気がした)、相変わらず爆笑。

柳亭市馬は今日は歌なし。三遊亭小円歌は『茄子と南瓜』で始まりいつもの『かちかち山』と歴代名人の出囃子を演ったあと、『さわぎ』(だったかな……)を唱い『かっぽれ』を踊る。この『かっぽれ』がまた、一段と素晴らしかったなあ。いつかは座敷に呼んでみたい(呼べたらね)。『遊びまShow!』(あとで知ったので行っていない)はもうやらないのだろうか。

仲入り後は耳に心地よくも特記すべきところはなく笑いも低調な感じだったが(楽しくなかったという意味ではない)、トリの春風亭一朝『片棒』は次男のお囃子をたっぷりと演り、それがまた素晴らしく、大満足。大変結構でございました。

あ、膝替わりのストレート松浦は鏡味仙三郎社中の代演で、この日は中国独楽のみだった。

***

夜は、二番めの三遊亭ぬう生の『夜回り』から結構面白かったのに、漫才のとんぼ・まさみが、声や気持がまったく客席に届かない感じで(発するものがすべて舞台上にぼたぼた落ちて行く感じ)、なんだかすごい苦痛だった。まあ、自分が眠かった所為もあるんだろうけど、寄席であんなに長い15分は滅多にないな。ネタは忘れてしまった。

宝井琴調『芝居の喧嘩』を聴くのは三年振りくらいだが、水野十郎左衛門の子分の名前を言い立てるところは記憶にあるのと同様に鮮やかだった。で、次のペペ桜井のギター漫談で、刑務所に慰問に行ったネタ(刑務所慰問版の替え歌など)が可笑しく、その辺からとんぼ・まさみのいやな感じを忘れることができた。

そういえば、ペペ桜井(林家ペーの代演)の辺りから総勢45人(椅子席の後ろの5列分)の団体が少しずつ入り始めた。夜のトリの三遊亭白鳥によれば、「初めて落語聞くような団体さん45名」らしいが、ペペ桜井受けていたなー。

さて古今亭菊丸『河豚鍋』は、乞食に河豚を食べさせるくだりで「河豚食べてすぐ死んだら猪瀬新東京都知事も大喜び」というのが妙に可笑しかった。ダーク広和(この日は着物袴姿)は相変わらずのマニア振りで、江戸時代の奇術ネタを発見したと、扇子と大福帳の文字を同期させる奇術を(USBとかBluetoothでつながってるわけじゃないですから、と言いながら)披露。それをさらに、扇子を客に渡し袋に入れさせ、大福帳の文字を見せてから扇子を開くという風に展開させ、加えてiPadにもその文字を表示させていた。見事。

仲入り前の柳家小ゑん『稲葉さんの大冒険』は、元々柳家さん喬のために三遊亭圓丈が書き下ろした新作だが、恥ずかしながらさん喬で聴いたことはない。よって比べることはできないが、ミミズ掘りと勘違いされるところから松の木が欲しいんでしょうと勘違いされ松の木を背負わされるところへの飛躍(そして松の木を背負いながら団地の階段を上がるところなど)が、現実にそんなことはないはずなのに不思議な説得力があり、大したものだなあと思った(いやこういう書き方は失礼かな)。面白かった。ちなみに小ゑんは三遊亭歌之助の代演。

#小ゑんの高座が終わるくらいに、総勢45人の団体さんがほぼ全員着席した模様。

仲入り後は、あとで三遊亭白鳥にたっぷりいじられることになる橘家文左衛門『寄り合い酒』で、皆が乾物屋からものを盗んで来るところのあっけらかんとした感じと、与太郎が拾ってきた味噌(らしきもの)のにおいを嗅ぐところが特に見事。においについては、ほんとうにそのブツの臭いが漂ってくるような気すらした(実際は味噌なのだけれど)。

にゃん子・金魚はいつも通り、三遊亭歌武蔵は「千代大龍が“年男”という言葉を知らなかった。何気なくインタビューを見ていたら、今年は年男ですねと問われて『そうですか、もし今年ダメだったら、来年か再来年にがんばります!』と答えていた」という話から干支や七福神を知らない噺家の話という漫談だったが、どちらも団体さんに大受け(つい気になって様子を観察していた)。歌武蔵は、トリの白鳥に向けて場内を暖めるという役割としては、すごいいい仕事をしているなあと思った(これもなんか不遜な書き方で恐縮です)。

団体さんに受けていたと言えば、翁家勝丸の太神楽では「おおー」という、主に女の人からの黄色い?声が多数起きていた。太神楽としてはまあいつもお馴染みの芸だし、失敗もふたつかみっつあったのだが、寄席は初めて(と思しき)という人たちが太神楽で異様に盛り上がるという場面はよく見かける。修学旅行の子供達とか、落語は退屈そうでも太神楽には夢中になったりする。その様子を眺めるのは、別に優越感とかそういう感情ではなく、とても好ましいし楽しい。なんというか、寄席がマニアのものではなく「普通に楽しい場所」であることが確認できるのが嬉しいのである。

それはともかく、さて、トリの白鳥だが、「これをかけるのは二回め」という『ライバル達の芝浜(黄昏のライバル)』。『芝浜』をベースにした近未来が舞台の落語で、主人公が20年後(だったかな?)の、落語協会会長にまで上り詰めた橘家文左衛門。名だたるライバルたちを蹴落として落語界のトップの座を勝ち取ったが、ライバルがいないとなにか空しい。もう俺は落語はやらねえと腐る師匠を見て、弟子の久蔵がただひとり生き残っている(そして落語界からは引退している)かつてのライバルを見つけ出し、師匠にもう一度落語を、『芝浜』演ってもらうために、そのライバルを高座に引っ張り上げる…… という噺。

そのライバルとは、というところやその後の展開は、今後初めて聴かれる機会のために伏せておくが*、『芝浜』ベースという点はもちろん、白鳥自身の数々のネタや、橘家文左衛門の飲み逃げ事件や小円歌鬘事件なども含め様々な噺家のいろいろなエピソードがたんまりと鏤められていて、それも知らないと可笑しくない類いのものも多かったのに、白鳥言うところの「初めて落語聞くような団体さん」にも受けていた(さすがに団体さんの爆笑を誘う場面や爆笑している人は多くはなかったが)。相変わらずというかもう持ち味というか、上下が若干適当に見えたりキャラクターの切り替えが杜撰に見えたりという芸なのに、なんであそこまで可笑しく笑わされ、落語を知らないと思しき人たちを笑わせ、またサゲの部分で泣かされるのか、とても不思議ではある。しかしほんと、ものすごく面白かった。大満足。

ちなみに白鳥は終演後Twitterに「しかし客席には落語知らない団体さんが45名。マニアック落語ネタなのでどうしよう。急遽寄席バージョンに変化させてネタ内容もノーマルに改良。するとどうでしょう?自分でも想像しなかった人情噺に最後はなってしまったよ。びっくりだぜ!」と投稿していた。ということは、元はもっとマニアックだったということか。それもぜひ聴いてみたい。

なお、白鳥のトリネタはホームページ上に発表されているので、これから行かれる方はご参考に。

以下、この日の演目。

-昼席
林家けい木・・・・・平林
春風亭一蔵・・・・・猫と金魚
江戸家小猫・・・・・動物ものまね
春風亭柳朝・・・・・桃太郎
入船亭扇辰・・・・・たらちね
ホームラン・・・・・漫才
橘家圓太郎・・・・・親子酒
柳家さん吉・・・・・藪医者
あした順子・・・・・漫談
桂扇生・・・・・・・岸柳島
柳亭市馬・・・・・・牛ほめ
三遊亭小円歌・・・・三味線漫談
柳家権太楼・・・・・代書屋
(仲入り)
春風亭一之輔・・・・鮑のし
青空遊平・かほり・・漫才
柳亭左楽・・・・・・悋気の火の玉
桂文生・・・・・・・転失気
ストレート松浦・・・ジャグリング
春風亭一朝・・・・・片棒

-夜席
柳家フラワー・・・・出来心
三遊亭ぬう生・・・・夜回り
とんぼ・まさみ・・・漫才
柳亭左龍・・・・・・真田小僧
宝井琴調・・・・・・講談芝居の喧嘩
ペペ桜井・・・・・・ギター漫談
古今亭菊丸・・・・・河豚鍋
むかし家今松・・・・近日息子
ダーク広和・・・・・奇術
三升家小勝・・・・・蔵前駕篭
柳家小ゑん・・・・・稲葉さんの大冒険
(仲入り)
橘家文左衛門・・・・寄り合い酒
すず風にゃん子・金魚
 ・・・・・・・・・漫才
三遊亭歌武蔵・・・・漫談
桂ひな太郎・・・・・強情灸
翁家勝丸・・・・・・太神楽
三遊亭白鳥・・・・・ライバル達の芝浜(黄昏のライバル)

2013年02月20日

2月まとめ(11〜20日)

11日(月) 朝10時半頃起床→東中野にてタップダンスレッスン→下北沢もモエツカリー。グラニフでトレーナー等買う→西桐画伯の制作日誌再開の作業→「寄席手引」再校とデータへの反映。朝まで→朝7時頃就寝
12日(火) 仕事残ってたが惰眠貪り午後3時→夜9時過ぎまで赤字反映や検索しての表記確認など。一応完了、提出→夕餉。今日はようやくまともな食事→風呂→西桐制作日誌更新→念のため再校を見直し。まだ数カ所直したい箇所あり→仕事しながらソウルと金宮お湯割三昧。朝6時過ぎ就寝。
13日(水) 昼頃起床→昨夜の再校見直し結果ほかをデータに反映し、これにて脱稿とする→風呂→ビール→昼寝→鍋と鯵と御酒→「相棒」の近藤正臣にいきなり感動して泣く→ギターとウクレレ練習→ああ、あとバード電子から仕事。ありがたい→「寄席手引」については、校了の連絡はまだなし→バード電子の草稿送る→「寄席手引」は校了の模様→午前2時過ぎ就寝(結局5時頃まで起きていた)。
14日(木) 昼過ぎ起床→朝食後また就寝→夕方6時前起床→新宿・カフェ★ラバンデリアにて「チンドン音楽マニアックサロン東京篇vol.5」を見物。面白かった。あとすごい可愛い助手の女の人がいるなあと思ってたら、チンドン通信社総帥・林幸治郎のお嬢さんだった→ニューオリンズ魔酒場。知らない女の人からチョコレートいただく→蕎麦喰って帰宅。12時過ぎ就寝。
15日(金) 朝4時頃目が覚め、7時起床→尾形情報更新→西桐日誌の問題解決→風呂→「最高の離婚」の録画見る。脚本うまいと思うな→バード電子の仕事(メールマガジン向けに文字数削減)→初音家石若『カストリ・オンド』、田中邦和ジャズトリオ『Elegy』→昼寝→Ito→荻窪ヴェルヴェットサンにて「手打ち麺製麺機のようななにか」と「無重力スイングホテル」→いまいさん、たかしま君、あやさん、尾形らと飲酒して帰宅。午前2時頃就寝。
16日(土) 朝8時起床。宿酔い→風呂→食事したら宿酔い治まる→自分のホームページいじり。情報を極限まで減らした→昼寝→寝坊した! と思って慌てて出かけたら、一時間早く高円寺に着く→次郎吉にて整理券2番→キッチンクロンボ→都丸書店→rare。江利チエミの民謡集(東京キューバンボーイズ)と宮城道雄作品集、共に10インチ版購入。ここは安いんだな→パンチの効いたオウケストラ。イッシーさん、加藤みちあきさん、galaboxえりみさん、藤田さんに遭遇→鳥渡で一杯→太陽でラーメン→電車で帰宅。経堂で一升瓶をホームに落として割ってしまった若者がいて、破片は触るな駅員を呼ぶからと言ったら電車に乗って帰った模様。大丈夫だったかな→今日はだいぶタバコ臭くなった。風呂入って寝る。午前4時頃。
17日(日) 朝10時起床→SUKIYAKAリハ。『十九の春』の後半は、自分もまだまだ精進が必要。徳田さんからバンジョー拝借→経堂戻って松っちゃんで一杯。もうひとり来ていた男が、誰も聞いていないのに(一応店の人は相槌打ってたが)自分のことを喋りまくる。面白い→帰宅→昨日rareで買った江利チエミ『民謡を歌う』よかった→『泣くな、はらちゃん』は大きく展開。これもいい脚本と思う。酔っ払ってたので麻生久美子で泣く→風呂後また呑んでバンジョー弾いたりしていたら、うとうとと寝てしまう。寝床に移動し就寝。多分0時前
18日(月) 朝7時起床。なぜか身体のあちこちに蕁麻疹→『十九の春』のデモと構成譜をBに移調→風呂。蕁麻疹消える→バード電子の宣伝文書く(iPhoneケース)。先方の確認も完了→午後は特になにもせず→晩酌と晩飯→メリッサ・ラヴォーが私のツイートをお気に入りに入れていたので、メンションなどしてみる→夜も蕁麻疹、そして風呂→仕事机の前でうとうとしたりしたが、0時前就寝。
19日(火) 午前2時頃目が覚め、5時頃起床→蕁麻疹悪化、そして風呂→『寄席手引』の表紙案の確認と、西桐日誌更新→浅草に出かけるつもりだったが、蕁麻疹ひどいので取りやめ。浅草の中席はやめにして、浅草と末廣亭の下席に行くことにする→ということで、朝食後いったん就寝→途中首筋と後頭部が痒くて目が覚めたが、都合10時間くらい寝た→晩飯、風呂→三遊亭圓丈『ろんだいえん』久し振りに読了。校正が甘いなあ。再版したのか、したとすれば直したのか→夜中2時間くらい寝る。
20日(水) 朝7時半起床→風呂→医者行こうと思ってたが、風呂入ったら蕁麻疹消えてしまったので、しばし待機しつつ、朝食と選択物干し→早川クリニック。問診のみだが、やはり鯖か。香蘇散とアレジオン出してもらう→三省堂にて有吉佐和子『ふるあめりかに袖はぬらさじ』江弘毅『街場の大阪論 』購入→ささりんどう→81でパン買って帰宅→アレジオン飲んで昼寝→夕方起きたら、かゆみがほぼ消えていた。そんなに効いていいのか?→貧乏フライ揚げて晩酌→風呂→午前2時頃就寝。

2013年02月16日

パンチの効いたオウケストラ

於高円寺次郎吉

マダムギター長見順(vo, g)、かわいしのぶ(vo, b)、グレイス(vo, dr)、エミエレオノーラ(pf, ピアニカ、アコーディオン、小さい鉄琴)、橋本一子(pf)、松井亜由美(vln)、向島ゆり子(vln)、ユカリイ(ts)、ヤマカミヒトミ(ts)、小森慶子(as)、太田朱美(fl)、関根真理(perc) ゲスト浦朋恵(bs)

前回(昨年4月)は総勢10人だったが、今回はさらに橋本一子、向島ゆり子が参加。大阪から飛び入りゲストの浦朋恵も加わり(09より)、総勢13名の熟女オウケストラとなった。それでも、ひとりもキャラクターが被ってないのが可笑しい。好みはあれ、全員違った魅力を発揮していて、目にも嬉しいステージだった。

一方、客席が親父ばかりだったのには笑った。女性は、一割くらいだったのではなかろうか。

で、01ですでに橋本一子が爆発、全員のソロ回しもあり圧巻の幕開けだったが(途中で曲調とは異なるフレーズが繰り返され、それが「降っても降っても〜」というコーラスになるところなど、謎で可笑しい展開もあった)、ライブを最後まで聴き終えてみると、大人数ながら構成や編曲もしっかりしていて、かなり練り込まれたショウだと思った(多少あやふやなところもあったけれど)。

もうどれも楽しく自然と身体が動き掛け声が出てしまうライブだったが、とてもよいファンクになっていた『百姓の娘』、大人数での『共存のブルース』、ラベルの『ボレロ』をマクラにした美しく泣かせる『暴走族のボレロ』、エミ・エレオノーラが男をなじりながら結婚を迫る?12(曲名不明)などが特に印象に残ったかな。

あと、ピアノは『ボレロ』で橋本一子とエミ・エレオノーラが連弾、『殴られる人生』ではエミ・エレオノーラがピアノを弾き、橋本一子はコーラスに回っていた。

アンコールの『加藤さんのテーマ』では、客席にいた作曲家/ギタリストの加藤みちあきがステージに上げられていた。「全員で俺を見ないでくれ」という悲鳴に笑った。

しかし、これだけの人数が集まるのは奇跡に近いだろうから、今後も機会を逃さないようにしたい。

01 あっしにはかかわりのねえことでござんす
02 温泉に行こう
03 百姓の娘
04 地域マンボ
05 共存のブルース
06 ボレロ〜暴走族のボレロ
(休憩)
07 (山のコンサート)
08 (昨日は呑み過ぎた)
09 殴られる人生
10 Ice Song
11 (孤独とリンゴ)?
12 (結婚しないの? してくれないの?)?
13 舟歌
enc
14  加藤さんのテーマ

2013年02月15日

手打ち麺製麺機のようなもの

於荻窪ヴェルヴェットサン

手打ち麺製麺機のようなもの:ラショウ、吉田隆一(bs)、スズキイチロウ(g)
無重力スイング・ホテル:田ノ岡三郎(aco)、大塚レオナ(tap)、斉藤良(ds)、飛び入りゲストにバロン(vo)

手打ち麺製麺機のようなもの、は、二回めにして格段に深化したという印象だった。物語、台本、語り、歌、踊り、人形使いの深化と(全4〜5体の登場人物は、すべてラショウが演じ分けた)、今回二回めとなる楽士の演奏との融合具合の深化。偶発的なもの(マダムの仮面の髪の毛部分が登場後すぐに床に落ちてしまった、とか)も含む笑いも、取って付けた感はほとんどなく、物語が転がって行くのに機能していたと思う。

もうこうなったら、あとはラショウの歌が、一度音程が完璧になるように訓練されるとよいと思った。その上で外すべきところで外せるようになれば、思いつきで作った?このトリオが永遠のものになるきっかけとなる気がするが、まあしかし、それを目指しているものかどうかはわからない。

無重力スイング・ホテルは、大塚レオナ除く、ゲスト含めた三人が、あともう少し飛躍したり炸裂したりしたらなあ、と思ったが、まあそれは好みの問題。目から受容する音楽のような演奏とタップダンスが感じさせてくれる自由のようなものに、ずっとある種の興奮を覚えていて、とても楽しかった。

大塚レオナに関しては、スガダイローとのデュオをやるというのが楽しみだし、たとえばアコーディオンなら熊坂るつ子と演ったらどうだろうとか、即興の対話ということなら外山明との共演も面白そうだとか、客としては妄想が広がる。しばらく、いろいろな人との共演を見て行きたいと思う。

無重力スイング・ホテルの曲目

01 東町二丁目ブルース(大塚レオナの曲)
02 墓と寺(即興)
03 夢を見るのさ(バロン参加)
04 即興(バロン参加)
05 夜の果て(田ノ岡三郎の曲)

2013年02月14日

チンドン音楽マニアックサロン東京篇vol.5 ~ 浪花チンドン列伝--街角の楽士たち~ ★トランペット特集★

於新宿・カフェ★ラバンデリア

ご案内:林幸治郎(ちんどん通信社 from大阪)
進 行:高田洋介(東京チンドン倶楽部)

ニューオリンズの葬列音楽(セカンドライン)などジャズ黎明期の音楽とチンドン音楽の音色の類似。

とにかく長時間大音量で演奏できる盲目のトランペット吹き(サイトウさん。メチルアルコールで目をやられた)。

トランペットとドラムだけで伴奏する和歌山のストリップ小屋。

内藤誠『俗物図鑑』(筒井康隆原作)。

カセットテープへの楽士演奏の録音によるコストカット。

スイート・エマ・バンドのチャーリー・ラブ。

東西屋の大野?さん、Fより下の音だけで演奏。

Billie & De De Pierce『John Henry』。

青空通信社、飛田新地で餅搗いて通行人に振る舞う(しかし不衛生)。

女装のストリッパーとなった役者がいた。

1991年、第48回尾道みなと祭の映像。舞台と練り歩き。舞台では殺陣も披露。

関西電力をレッドパージで馘首され、チンドン屋になった男がいた。

などなどのお話を伺いながら、貴重な音源を拝聴。楽しい会だった。また参加したい。

ご案内のちんどん通信社総帥・林幸治郎の助手をしていたお嬢さんが、なんというか、とても魅力的でいい感じだったのも記憶に残る。

2013年02月10日

2月まとめ(1〜10日)

1日(金) 朝8:30「寄席手引」初校脱稿→呑んで寝る→夕方5時起床→風呂、ビール、夕餉に突入→11時頃就寝。
2日(土) 深夜2時起床。目が覚めてしまった→三時間ほど校正→再度就寝→午後2時起床→シャワー→渋谷ヒューマントラストシネマにて「ロンドンゾンビ紀行」見物。原題が「Cockneys vs Zombies」。案の定くだらなくていい映画だった。当り。プログラムはもうちょっと編集のしようがあったと思うが、予算の都合なのかな。情報がきちんと載っていれば白黒のA3二つ折りコピーとかでもいいのに→眠くなったので経堂に戻り、トモエヴァンで夕食→風呂→午前1時ごろ就寝。
3日(日) 3時頃目が覚めてしまう→朝型また寝る→夕方4時起床→風呂、ビール→夕食、金宮レモン割→ばたりと就寝→また深夜に起床→團十郎逝く。今年は五月の歌舞伎も楽しみにしていたのだが。
4日(月) 寝床に入ったが、結局眠らずに起床。朝8時→風呂、ビール→昼PIT INN。纐纈雅代 band of Eden。初めて聴いたが面白かった。また何度か聴きたいと思う→久々に山根商店→小田急OXでおでん種買って帰る→夜10時頃終始。
5日(火) 朝10時起床→風呂→花家経由で浅草演芸ホール→あずまでラーメン→帰宅後、「続社長洋行記」見ながらおでんで一杯→午前3時過ぎ就寝。
6日(水) 寝坊。午前11時過ぎ起床→慌てて校正結果をデータに反映→午後2時過ぎ終了→昨日の浅草演芸ホール見物記まとめ→吉祥寺the Foxholeにて、田中邦和×高岡大祐×ASA-CHANG。今日もよい演奏を聴くことができた。とても楽しい→ライブ後一杯だけ余計に呑んで帰宅→風呂→深夜夕食。久し振りに深夜番組を見て、いろいろ感慨を得た→〆にお多幸のとうちゃの真似をしてみたらうまかった→午前4時過ぎ就寝。
7日(木) 朝10時過ぎ起床→風呂→昼寝→晩酌と夕飯。「警視-K」→「寄席手引」初校のepub来たのでiPhoneで確認。意外に読みやすかった→午前2時頃就寝。
8日(金) 朝7時半起床→風呂→「寄席手引」校正二回め→木挽町砂場→銀座テアトルシネマにて「塀の中のジュリアス・シーザー」→煉瓦亭→銀座テアトルシネマにて「かぞくのくに」(三回め)→11時過ぎ帰宅→風呂、就寝。午前5時頃。
9日(土) 午後3時起床→「寄席手引」再校一回め了。これで校了になりそうなので、もう1〜2回したい→風呂(長風呂)→「泣くな、はらちゃん!」→0時前一旦就寝→のはずが、5時頃まで麻雀(iPhone)。
10日(日) 昼過ぎ起床→再校二回め→久々に太田尻家。堪能。「レシピとそのレシピ」の限定装幀版購入→再校データに反映→風呂→午前3時過ぎ就寝。

2013年02月08日

かぞくのくに

於銀座テアトルシネマ(20:15〜)。

ヤン・ヨンヒ監督作品(2012年)。試写会含めて三回めの鑑賞。

http://kazokunokuni.com/

三回めを観て、ぐっと来たり涙腺が緩む箇所が、ほぼ20分おきに来るんだな、と思った。

00:20 25年振りの家族揃っての食事
00:40 同窓会
01:00 リエのどうすることもできない怒りと哀しみの表現
01:20 帰国命令が下ったあとの周囲の同様と、ソンホとスニの別れの

で、そこから10分後にヤン同志に宛てたオモニの手紙が読まれ、さらに10分後にソンホの帰国とリエのトランク購入で幕。

といった構造なのかな、というのが、今回の発見。そのリズムの捉え方が適切なのかどうかと、またそれがどう観る側の心の動きに影響しているのかは、また考えねばならないけれど。

それにしても、三回めでも、基本的な部分の感動は変わらず。静かだが、なにかすごい力を持った映画かもしれないと思った。

塀の中のジュリアス・シーザー

於銀座テアトルシネマ(16:20〜)。

パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督作品(2012年)。

http://heinonakano-c.com/

実在の囚人を実在の刑務所で撮ったとのことだが、ドキュメンタリー風の作りではなかったので、カメラを何台どのように置いて、囚人たちにはどう動くように頼んだのか(あるいは頼まなかったのか)など、どんな風に撮ったのかが気になった。あとでちゃんとプログラムを読もうと思う。

最初、狭い部屋を中心に行っていた稽古が、次第に刑務所全体を使ってシェイクスピア「ジュリアス・シーザー」が構築されていき、看守や(多分)芝居に参加していない囚人もそれに呑まれていく、という流れには震えた。

最後の場面でのある囚人の「芸術を知ってから、この監獄は牢獄となった」という台詞が、重くまた苦い。

疲れもあり、また説明がほとんどない点への戸惑いから、最初の20分ほど流れを把握するのに手間取ったので、もう一度観たいと思う。

原題「Cesare deve morire」は、「シーザー死すべし(Caesar must die)」という感じか(英題はそうであった)。

2013年02月06日

田中邦和×高岡大祐×ASA-CHANG

於吉祥寺the Foxhole。

田中邦和(ts)、高岡大祐(tu)、ASA-CHANG(dr、電子玩具)

すべて即興。

初っ端、高岡大祐×ASA-CHANGのデュオは初共演との由。高岡大祐がロングトーンを多用した演奏だったのは、ASA-CHANGの出方を探っているのかな、などと想像した。ASA-CHANGは、ここでは電子玩具(サンプラー?)を使わなかったが、テューバのロングトーンにドラムをどう乗せて行くかといったアプローチをいろいろと試しているのかな、という印象。それぞれの演奏に面白いところはたくさんあったが、ふたりが合わさってなにかが破裂したり炸裂したりする、という場面は、私にはうまく捉えられなかった。

あと、改めて、ASA-CHANGという人は共演者を視覚的によく見て聴く人なんだな、と思った。それは、どちらかというと出方を探っているというよりは、自分がとんでもない切り込み方をする間をじっと待っているように思う。ただしこれも想像。演奏中まばたきが少ないところから、そんな印象を持ったのかもしれない。

続く田中邦和×ASA-CHANGのデュオでは、「ふたりが合わさってなにかが破裂したり炸裂したりする、という場面」は見つけられた。ASA-CHANGがサンプラー?を多用する場面でも、それに田中邦和がつられるわけではなく呼応しているなと思ったのは、やはりジャズトリオなどで共演歴が長いからか。

その次の田中邦和×高岡大祐デュオは、演奏開始とほぼ同時にややどやどや気味に入店してきた三人組(私の隣に着席するなりウイスキーのボトルを頼んで水割りを作り始めた)に気を散らされて、集中できなかった。人の所為にするわけではなく、私の修行不足。耳から入ってくる音はとても心地よかったのだが、これまたうまく捉えられなかった。

休憩後のトリオでの演奏は大爆発というか大炸裂というか、とても素晴らしく、自然に身体が動く。それぞれが勝手なことを喋っていながら全体として心躍る響きになっているなあと思った。ASA-CHANGは演奏中の動きがまた面白いのだが、ここでは右手に持ったマレットを鼓笛隊の指揮者のようにずっと動かしていたのが可笑しかった。むろん、その可笑しさは、その動きからどんな音を出そうと考えているのか、そしてどんな音が出されるのか、という期待である。

約30分のいろいろな要素がぶちまけられた素晴らしい演奏のあと、もう一回トリオで5分ほど。ここではASA-CHANGがハイハットのトップを外し手に持って、自分の腹でミュートしながらリズムを奏でると、田中邦和はサックスのネックの逆吹きから始め、ネックレス奏法も試していた。短い演奏時間ながら、内容は最も濃かったようにも思う。

聴き手としての精進が足りないこともあり、聴き終わって燃焼し尽くしはしなかったが、機会があれば二度三度と聴きたいと考えている。

ちなみに件の三人組は、休憩中の会話を小耳に挟んでこの人たちはお目当てが違うんじゃないかなあ、と思ったのだが、後半のトリオになって佳境に達した辺りで、案の定ぞろぞろ出て行った。まあこれは演奏とは関係ないが、なんかいくつかの要素を想像させられて、可笑しかったな。

01 高岡大祐×ASA-CHANG(約10分)
02 田中邦和×ASA-CHANG(約10分)
03 田中邦和×高岡大祐(約10分)
(休憩)
04 トリオ(約30分)
05 トリオ(約5分)

2013年02月05日

浅草演芸ホール二月上席前半昼夜

(Facebook「落語総見」グループと同内容 https://www.facebook.com/groups/rakugo99/)

浅草演芸ホール二月上席前半昼夜

古今亭壽輔のトリ(昼)というのが私にとっては珍しく、見物に。

仲入り後に上がった桂文治が「今日は壽輔は『文七元結』」とバラしていたが、そのとおりに「文七元結」を30分ほど、発端から長兵衛が佐野槌を訪ね五十両を受け取りとぼとぼと吾妻橋まで戻るところまでは足早に、そこで長兵衛と文七とが出会ってからはみっちりと演っていた。

夫婦喧嘩中の達磨横町の長屋に近江屋卯兵衛が訪ねてきて話が進み五十両を返す受け取らないという場面で、屏風に隠れた女房のお兼が長兵衛の着物を引っ張るところは動きも大きく劇的かつ印象的だったが、全体的に泣かせなどの演出過多やいやな臭みがなく、聴いていてとてもよい心持ちの「文七元結」だった。

私の中では、この人は桂南なんなどと並んで「異相落語家」という印象が強いのだが、ちょっと印象を新たにした。もしいつもの蛍光イエローではなく(この日もそうだった)、粋な着物で演ったらどうだっただろうと、ちょっと妄想したりもした。

ちなみに壽輔のトリは上席前半のみで、この日が千秋楽だったが、ほかの四日は何やったのか、知りたいな。寄席か落語芸術協会に尋ねればよいか*。

*落語芸術協会に尋ねたところ、古今亭壽輔トリのネタは、

初日 竜宮
二日 老人天国
三日 竜宮
四日 地獄巡り 上中
五日 文七元結

との由。

もうひとりの“異相落語家”南なんは夜に出たが、その「探偵うどん」も、ごくごく個人的には大変珍しい噺で、これも見事だった。南なんは、ざっとネットで調べたところではこのネタをよくかけているようだが、他の古典を演っているときに比べてなにかぐっと来るものを感じた。

この日の昼夜を通して考えると、夜の仲入り前の、昇乃進「改名」(この題で合ってるかは未確認)→東京太・ゆめ子の漫才→南なん「探偵うどん」という流れが、この日一日のハイライトだったようにもに思う。

ほかに、昼夜合わせて「一人酒盛」「河豚鍋」「後生鰻」「豆屋」など、最近聴いてなかった古典が聴けたのが嬉しかった。ただし、眠さも手伝って、とりわけ遊之介「河豚鍋」などは噺のポイントをつかみ損ねてしまったりして、あとで考えると笑遊のやけっぱちのような寿司屋をネタにした漫談などのほうが印象に残ってしまった恨みはある。

江戸家まねき猫が、雌鳥の鳴き分け(というのか?)のつかみも見事で、秋の鹿とふだんの鹿を鳴き分けたり馬と鹿の鳴きまねを共演させたりなども面白く、今まで抱いていた印象より何割か感心の度合いが高まった。そういえば正月に観た猫八・小猫親子の共演は面白かったな、と思い出した。そのとき当代猫八への印象も新たにしたのだが、今年は江戸家に注目なのかな。まあちょっと注目しておこうと思う。

うめ吉は、「洗い髪の投島田を、根元からぷっつり切って、男のお膝に叩き付け、これでも浮気が止まないならば、芝居のお化けじゃないけれど〜」というちょっと凄艶な「字余り都々逸」(CD「玉手箱 寄席うた俗曲集」に収録)を生で聴いたのが初めてで嬉しい。あとはお馴染みの「芝で生まれて」「品川甚句」「しげく逢ふのは」。踊りは「木遣りくずし」、くるりと回る度に目に入る、帯のお太鼓のところに大きく咲いた梅の花が記憶に残る。

踊りといえば、神田紫が講釈のあとに踊ったかっぽれもよかったな。

えーあと、北見伸は長男の山上佳之介(てじにゃーなのかたっぽ)と共演でした。

客席は、昼が八割ほど、夜は四割ほどの入り。昼は高座中の出入りも激しく落ち着かない感じで、夜は夢太朗「禁酒番屋」のあとに出て行ってしまった客が多く、トリの「幸丸流常磐ハワイアンセンター物語」のときはちょっと寂しい印象だった。そのため出だしのところで一瞬「懐かしい流行歌ネタの漫談で終わってしまうのか?」とも思ったが、そんなことはもちろんなかった。

以下、この日の演目。

-昼席(途中から入場)
三遊亭遊馬・・・・・権助魚
国分健二・・・・・・漫談
神田紫・・・・・・・講談 宮本武蔵熱湯風呂
林家今丸・・・・・・紙切り
三遊亭圓遊・・・・・一人酒盛
三笑亭笑三・・・・・異母兄弟
三遊亭遊之介・・・・河豚鍋
コント青年団・・・・コント
春雨や雷蔵・・・・・金婚旅行
(仲入り)
古今亭今輔・・・・・日本史発掘
Wモアモア・・・・・漫才
桂文治・・・・・・・お血脈(マクラのみ)
橘ノ圓・・・・・・・漫談
鏡味健二郎・・・・・太神楽
古今亭壽輔・・・・・文七元結

-夜席
三遊亭明楽・・・・・子ほめ
桂夏丸・・・・・・・後生鰻
江戸家まねき猫・・・動物ものまね
瀧川鯉橋・・・・・・豆屋
春風亭昇乃進・・・・改名
東京太・ゆめ子・・・漫才
桂南なん・・・・・・探偵うどん
桂小文治・・・・・・粗忽の釘
檜山うめ吉・・・・・俗曲
昔昔亭桃太郎・・・・勘定板
(仲入り)
笑福亭和光・・・・・見世物小屋
三遊亭圓馬・・・・・ぜんざい公社
北見伸&山上佳之介・奇術
三遊亭笑遊・・・・・漫談
三笑亭夢太朗・・・・禁酒番屋
コントD51・・・・コント
桂幸丸・・・・・・・幸丸流常磐ハワイアンセンター物語

2013年02月04日

band of Eden

於新宿PIT INN(昼)。

纐纈雅代(as, ss, vo, 作詞・作曲)、石田幹雄(p)、伊藤啓太(b)、外山明(d)

纐纈雅代を聴くのは初めて。

のっけから、ちょっと調子の外れたようにも聴こえたソプラノ・サックスは、すぐにこの人独特の音なんだなと思った。短い音の連なりの中に深いビブラートが組み込まれていて、どこか知らない国の民俗楽器を想起する。ゲタチュウのサックスもちょっと思い出した。

隙間の多い演奏が印象に残ったが、03、06など、いったん纐纈が抜けたトリオで激しい渦を巻き、そこに改めて纐纈が乗っかる、という場面が印象的だった。

曲としては、02、05、07が特に印象的。04と(少しリアル・フィッシュを思い出した)05では纐纈が歌唱。これは歌い手としても云々ではなく、自分の曲を自分の声で歌いたい、ということだと思った。

纐纈雅代もこのバンドも初めて聴いたので、まだ何とも言えないし言葉にはできないが(「短い音の連なりの中に深いビブラート」もほぼ一曲めだけだったと思う)、もう何度か聴いてみたいとは思った。

以下、この日のセットリスト。

01 フリーダムのうた
02 黄金のワルツ
03 薬草の種類
(休憩)
04 うちゅうのはな
05 ハイヤラリパッパ
06 Blues of Death
07 カラスの結婚式

2013年02月02日

ロンドンゾンビ紀行

渋谷ヒューマントラストシネマにて。

原題は「Cockneys vs Zombies」。

役者が全員、ほんとにその辺にいそうな感じでああいう目にあったらああするよなあという映画的現実感を持ったまま、ファンタジーを創っているところが面白かった。

あとは、ゾンビの動きは遅い、という特徴をうまく捉えた老人たちとの闘いとか。無駄に盛り上げようとしたり泣かせようとしたり、あざとく笑わせようとするところがほとんどなかったのがよかった。複雑でなくわかりやすい物語、伏線、演出が、功を奏していたと思う。

愛すべきバカ映画。

エンドロールでゾンビ全員分(プログラムによれば400名)の俳優名を示すというのもよかったな。

ちなみにプログラム(600円)は、使用音楽についてまったく触れていない/役者の紹介は最後に生き残った数名だけで話の中で重要な役割を果たしていた役者すら割愛されているなど映画に関するデータが著しく不足していたり、そのくせ識者(というのか?)の感想コメントが邪魔なくらい多くてそれを事前に見てしまうと自分なりの感想が持ちにくくなりそうだったりで、まったく編集がなってない代物。映画を観に行ったよという記念にしかならない。購入はお薦めしない、

2013年02月01日

体罰について

Twitterへの投稿(2013年1月10日)より転載。

私はあまり体罰を受けた記憶がないが、それでも思い出はふたつある。ひとつは小学生のとき家の前で遊んでいたら、タクシーが通りかかったのでふざけて「ヘイ、タクシー!」と手を上げた。タクシーは止まった。それを見ていた母親に、働いている大人をからかうんじゃない、と、思いっきりビンタされた。
posted at 21:59:41

そのビンタによって、働いている大人を遊んでいる子供がからかってはいけない、というメッセージが強力に伝わってきた。この母親のビンタについては、私には有効だったと思っている。
posted at 22:01:13

もうひとつは、中学の体育のプールの授業のとき、音楽を聴き始めて格好だけ髪を伸ばした私は水着を忘れたので見学を申し出たら、体育の加藤先生にいきなり頬を殴られた。加藤先生は見るからにカツラだったので、悔しかった私は殴られた瞬間「カツラ」と言った。加藤先生の顔色が変わり、また殴られた。
posted at 22:03:33

また殴られた私は、今度は「ハゲ」と言った。また殴られた。以降、「カツラ」殴る「ハゲ」殴る、が何度か繰り返されたが、最後には私を殴る加藤先生の手に力がなくなり、「もういい、校庭を走ってこい」と言う。
posted at 22:06:31

私は校庭を走らず、歩いて校門を出て、学校から少し離れたラーメン屋に行き、ビールを頼んだらビールが出てきたので呑んだ。今にして思えば、悔し紛れにやけ酒を呑んだ最初の経験かもしれない。この体罰には、それ以外の意味は全くなかったと思う。
posted at 22:08:02

以上ふたつを思い出したので書いてみたが、酔っ払ってるので結局なにが言いたかったのかは書いているうちに忘れてしまった。まあでも、意味のある体罰があるとすれば、それは様々な条件が重なった上のことだと思う。そしてそうした条件は、およそ人が簡単に制御できるような代物ではないとも思う。
posted at 22:13:15

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