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2013年06月30日

6月まとめ(21〜30日)

6月21日(金) 一日特になにもせず。あまり呑まなかった割には宿酔い気味→夜、最後の渋谷dressへ。什器備品がほとんど運び出された店内に、最初客はぽつぽつだったのが、気が付いたら15人くらいいたか? N山さん、S吉さん、ヤンさんにも会え、大山さんとK久保さん、K山青年と朝まで呑み上げた。赤葡萄酒一本と、ラフロイグにちょっと水足してもらったのを三杯か四杯か。朝日の眩しいdressは久し振りだった。早朝電車で帰宅。
6月22日(土) 終日宿酔い。今回は苦しかった。ほぼ一日中寝床→行きがかり上、『35歳の高校生』を最後まで見たが、最終回二時間は冗長に過ぎたな→特に何もしないまま、深夜0時前後就寝。
6月23日(日) 朝8時起床→昼から都議選投票→経堂まで歩いてしらかめ。ビールだけにしたが、ちょっと酔っ払った→図書館にて予約しといた『志ん朝復活』のに、へ、り借りる→アダンで花買って帰る→シャワー→『志ん朝復活』取り込み→mixi退会に向けて、投稿した日記の整理作業。最後に日記書いたのは2011年6月10日だったか(それも告知だった)→『志ん朝復活』に、へ、り全部聴いた。演目は『品川心中』『抜け雀』『碁どろ』『お若伊之助(79版)』『寝床』『刀屋(おせつ徳三郎・下)』の六席。図書館予約残りはほ、と、ちだ。また予約しておこう→宝塚記念の馬連4-10(ダノンバラード、ゴールドシップ)獲る。200円が一万円ちょい。この日張った金額で言ったら10倍か→晩→エンパレ→深夜0時前後就寝。
6月24日(月) 朝6時半起床→シャワー→早川クリニック。皮膚の一部を取り顕微鏡で診てもらったが、市販薬(ダマリン)が効いたのか、白癬菌は見当たらず。当面、市販薬で治療を、ということになった→図書館に寄って『志ん朝復活』のCD(に、へ、り)返却し、新たに「ほ、と、ち」を借りる→新宿に出てベルク。カレーと焼きソーセージドッグは11時からなのか。知らなかった→まだ時間余ったので、紀伊国屋で本(金馬『浮世断語』、あと『志ん朝の落語6』)買い、マリアージュ・フレールでお茶→末廣亭昼夜通し。昼のトリの川柳は『パフィーde甲子園』とマラゲーニャ、夜のトリの小三治は『厩火事』。夜席は、桟敷に靴下のにおいのきつい少年がいたので、二階に避難→蕎麦一で晩にしたあと、ニューオリンズ魔酒場で一杯(ラフロイグを少しの水で割ったのを四杯)→平和に電車で帰宅→シャワー浴びてからバスローブのまま終了。
6月25日(火) 午前10時起床→西桐日誌更新と、昨日の末廣亭まとめ→午睡→シャワー→くどうでお誕生寿司三昧。いつもよりちょっとだけ贅沢した→夜9時頃就寝。
6月26日(水) 夜中に目が覚め眠れなくなり、明け方就寝→朝9時半起床→本日は断食→『志ん朝復活』(ほ、と、ち)の取り込みと、圓生映像のダウンロードなど→TVの録画も久々に整理→圓生から志ん生に移行。単純に楽しいのはどちらだといえば、志ん生だな→午前1時前後就寝→と思ったが、ちょっと呑みながら『あまちゃん』と、あと三宅裕司/小倉久寛と真矢みきのコントを見直したりしていたら、朝5時。
6月27日(木) 朝9時40分頃起床→Youtubeにて『日本歌謡史』(明治・大正、昭和3〜15年、23〜27年)漁る→The Pointer Sistersは、『Lonely Gal』だけ監視対象になってるのか? 不思議だ→『勝新を待ちながら~カツシン・ワンス・モア 総集編』の録画を見て、変な小芝居はいらないのになあと思ったが、全10話分の再編集なのか。全部見てみないとなんともいえないな→夜11時前後就寝。
6月28日(金) 朝6時半起床→二度寝ののち、尾形と上野鈴本へ→終演後酒悦とアメ横で買物し、御徒町のまるかや分店でなかだえり嬢と一杯。絵を受け取る→その後蕎麦屋の吉仙に河岸変え→尾形飲み過ぎで、店の近くの公園で休憩も、つつがなく電車で帰る→今度は私がちょっとくたびれて、帰宅後即就寝。
6月29日(土) 朝6時起床→早『あまちゃん』見て二度寝→西桐画伯からLee "Shot" Wiliamsの『You got to try me』の7インチ盤届いたので、さっそく取り込み→夜は池袋、永利経由でバレルハウス→久し振りに桜井芳樹のギターを堪能。楽しいライブだった。高岡大祐が前面録音(演奏は一曲)の『Solos vol.2 "Blow"』もようやく入手→明日は東洋館にあした順子とタブレット純の共演を観に行こうと決め、早々に帰宅→録画しといた『鬼女』見る。いい人、悪い人、頑張っている人、甘えている人などいろんな人たちの、嫌あな部分を執拗に描いた怪作。見ていて楽しくはないが、ずしんと来た。主演の藤山直美はもちろん、女検事役の田中美佐子にぐっと来たなー→午前3時頃就寝。
6月30日(日) 朝8時半起床→花家で焼きそばつまんで、昼から東洋館にて色物見物。チックタックブーンと荒木巴のファンになる。落語は休憩みたいなものだから噺家ふたりはまああれとして、他は退屈したりするところはなかった。特に太平洋の曲芸〜荒木巴のマジックと場内が大いに湧いた直後の松鶴家千とせという流れは、神懸かりであった→ひさびさに一八蕎麦で蕎麦手繰り、三社様にお参りしてから帰る→図書館で予約しておいた川柳つくし『女落語家「二つ目」修行』、金田一だん平『落語家見習い残酷物語』、『志ん朝復活』(ぬ、る、を)受け取ってから、魚ケンで晩。あいなめの刺身がうまかった→家の近くでクルマ同士の接触事故。タクシーの運転手が興奮していた→特に何をしていたわけではないが、午前1時頃起床。

浅草東洋館スペシャル寄席 2013 VOL.18

浅草東洋館

タブレット純(田渕純)があした順子と共演する、と目にしたので、どんな風に絡むのかを見に行った。

予想もつかないなと思って割と期待していたのだが、要は、あした順子は普段落語定席に上がるとき、休演しているあしたひろしの代わりに前座を上げて、いじり倒しながらその実お客に紹介(前座の顔と名前を覚えてもらう)したのち、あした順子・ひろしの定番ネタである「男はあなたひろし、女は君さ順子」を演らせるのだが、その前座の役にここではタブレット純が指名された、というだけであった。

だけではあったが、「女は君さ〜」の部分はさすがムード歌謡の甘い声で、しかもバラード調に切々と歌ってみたり、順子にいきなり抱きつく暴走があったり(おどおどしながら突然押しが強くなる、というのはタブレット純の持ち味のひとつだ)、順子にいじられている最中に「女も男もどっちも好きなんです」と順子が返答に困る回答をしてみたりと、タブレット純ならではの掛け合いになっていて、大変面白かった。恐らくそう見られる組み合わせではないだろうから(またあるかもわからない)、見物しといてよかった。

ちなみに順子は、衣装としてプリーツプリーズのカラフルな跳び箱柄ワンピース(参考。写真の右側)を見事に着こなしていて、「あたしの下半身を見てるの? 5番の辺り? それとも6番?」とネタにも使っていた。漫談の内容はほぼいつも通りで、終わりに、ずっと高座を休んでいるあしたひろしの声の録音でひとネタ演ったのち「再び一緒に舞台に立てる日を楽しみにしています」と挨拶して終わるのだが、今日はそのとき、目に光るものを見たような気がする。見ているこちらも泣きそうになった。

***

そのほか印象に残ったのは、まず、仲入り前、太平洋の曲芸〜荒木巴のマジックと大きく盛り上がったあとに、その余韻の仲、松鶴家千とせの、ネタが次々と空中に霧散して行くかのような漫談が続くという流れ。最高潮の笑いと興奮を頭の中やら胸の中やらに感じ続けたまま、失われたオチを手探りで探らされるような松鶴家千とせの話芸に身を委ねるというのは、実に面白い体験であった。意図して組んだ構成だったらすごいなと思ったが、ギター漫談がふたり続いたり、くれないぐみと太平洋が同じ傘の曲芸をしたりということを考えると、そこまで緻密に組んだものではなく、恐らく偶然そうなったのであろうと思う。

そう考えると、これまた、ひとつの奇跡的な瞬間に立ち会えたのかもしれない。

あと、客席の感じが、最近の落語定席よりもよっぽど寄席っぽいという印象も残っている。マナーに関しては、お喋りをする客や携帯電話を鳴らす客はいるものの、贔屓の芸人に注ぐ眼差しとか、高座に注目する姿勢とか、くつろいだ雰囲気とか、当意即妙な掛け声とか、客席から発せられるいろいろな要素がその場の空気に相応しく、その場にいてとても気持ちがよかったのだ。

まあ、寄席っぽい、というのもあまりに主観的であまり意味のある論評ではないかもしれないが、生の芸能に触れる場として、普段通っている落語定席と比べて大変居心地がよかった次第。記憶する限りでは、東洋館では大抵そうだったような気がするが、そう意識したのは今日が初めてだし、招待客がいるときなどは、また様子が異なるかもしれない。またちょくちょく観察してみたいと思う。

あとは、各演目ごとに—

習志野ごんべえ・・・漫談

「ロシア製の(韓国製の、千葉県で、静岡県で)パソコンを買ったら、漢字変換が……」などの考え落ちや、駄洒落の小咄中心。最後に『春夏秋冬』『明日があるさ』などの替え歌。脱力系?

チックタックブーン
 ・・・・・・・・・漫才

ほんとうのでくの坊にしか見えない(ところがすごい)快信孝を、羽原なおみがひとりでネタを言いながらどつきまくる。ふたりの激しい落差から来る独特の間と、どつきの回数の多さとその間が、すごく可笑しかった。ネタは「世界遺産」「中国野菜」「3Dプリンター」など。

2世代ターボ・・・・漫才

世代差漫才。「クルマの中のBGM」「ディズニーランドのキャラクター」など。

ポンちゃん人形・・・腹話術

いつものお土産のポッキーで、千円の祝儀を(力尽くで?)もらっていた。

ペペ桜井・・・・・・ギター漫談

内容は先日の鈴本とほぼ同じで、刑務所慰問ネタが追加。

タブレット純・・・・ムード歌謡漫談

フランク永井『おまえに』をカラオケで歌ったのち、自己紹介〜

・マヒナスターズの専属歌手(コーラス)としてデビューし、和田弘の死後(マヒナ解散後)はムード歌謡歌手として活動していたが、見た目と芸のギャップが面白いので東洋館にスカウトされた。

・歌の事務所に、お笑いのときは芸名を変えて欲しいと言われ、タブレット純を名乗るようになった。

・そして最近、歌手のときもお笑いのときも芸風が同じなので、名前をタブレット純に統一することにした。なので今日は、“田渕純”の追悼記念ライブ。(後半、どこまでほんとか知りませんが—)

で、今度フジテレビのモノマネ番組に出ることになり(8月)、モノマネも練習していると言って、大沢悠里の真似の司会から中条きよし『うそ』を歌う。

それから、みかんを描いたイラストを見せながら、みかんは大好きだが、この白い筋みたいなものがきらいで、いつも完全に取っていた。しかしこの部分に栄養があると教わり、調べてみたら「アルベド(Albedo)」という名前もあった。そこで歌を作ったと、『麗しのアルベド』を歌う(歌の主旨は『愛しのメルルーサ』とほぼ同じ)。

最後にまたモノマネで、美輪明宏『黒蜥蜴』〜藤田まこと『てなもんや三度笠』〜渥美清『男はつらいよ』をメドレーで歌って〆。

モノマネは、大沢悠里と美輪明宏以外、あまり似てなかったかな??

くれないぐみ・・・・コント

古典芸能の大御所を呼んである、という設定でのコント。紅ちかこのほうが途中で着替え、大御所役で傘の曲芸を演じる(次も曲芸の太平洋なのだが……)。

太平洋・・・・・・・曲芸

剣玉(糸あり、糸なし、糸なし2玉、長糸)、皿回し(客参加)、寝かした円筒の上に乗せた板に乗り、傘の曲芸(鞠の回し分け)とジャグリング。かなり見事で大いに湧く。

荒木巴・・・・・・・マジック

お姫様?キャラクターによるマジック。ネタはよく見るものだが、喋りが達者でバカな世界に忽ち引き込まれ、かなり楽しい。客いじりもうまい。最後はニワトリ女。

松鶴家千とせ・・・・漫談

太平洋と荒木巴の余韻で大いに湧いている中、客を置き去りにするような、ネタが途中で空中霧散するような話芸。かなりしびれる。「シュビドゥビ」と「イエーイ」も盤石。

(仲入り)

パーラー吉松・・・・形態模写

子供の客に手品で出したお菓子をあげたのち、いきなり服を脱ぎ始め、アブドラ・ザ・ブッチャー、高見盛、若乃花、朝青龍、北の湖などの、よく特徴を捉えた形態模写。そしていきなり、ものすごく杜撰な浅田麻央に笑う。あと客を巻き込んでの、民族舞踊『男の人生』。なんだかよくわからないが笑う。

サムライ日本・・・・チャンバラコント

『黒田節』を舞いながらのチャンバラをドタバタで。「村田英雄がお盆に三社様に来てそのまま今も楽屋にいる」というのが可笑しかった。

三遊亭好太郎・・・・落語

フランス語に堪能な人に「灰皿をフランス語でなんというか」と尋ねたら「タバコボーン」、といった小咄のあと、『豆味噌』。この日の流れの中で聴くと、休憩時間のような感じ。

すず風にゃん子・金魚
 ・・・・・・・・・漫才

金魚の頭は富士山(世界遺産登録記念)、この日の流れの中で見ると、衣装がちょっと地味だったが、見た目の印象の強い出演者が多いので、逆を行ったのか? ネタはバスツアー〜動物エクササイズ。

立川談幸・・・・・・落語

小咄中心の漫談。これまた休憩時間のような感じ。

岡本圭司(バラクーダリーダー)
 ・・・・・・・・・漫談

カラオケで『日本全国酒飲み音頭』『さよならのサンバ』『タンゴ・アメリカーナ』『チャチャチャ大好きよ』『演歌・血液ガッタガタ』を歌った。

あした順子×タブレット純
 ・・・・・・・・・漫談

本文参照

昭和のいる・こいる
 ・・・・・・・・・漫才

歌謡曲ネタ。インチキな『啼くな小鳩よ』など、何度も聴いているのに、今日も爆笑。あと『あざみの歌』(山には山の愁いあり〜)を歌う場面では、客席に薄く合唱も起きていたのが可笑しかった。

2013年06月28日

上野鈴本演芸場6月下席昼

上野鈴本演芸場下席昼

開演直後、春風亭朝也『牛ほめ』が始まった辺りに入場。

松旭斉美智・美登の奇術のあと、桃月庵白酒の代演で隅田川馬石が高座に。先日の末廣亭(6月6日)と同じく、隅田川馬石『狸の札』の丁寧な手拭い使いに感心。

続く鈴々舎馬風はケーシー高峰〜毒蝮三太夫〜山田隆夫〜先代小さん〜当代正蔵〜先代三平の思い出語りで、何度聴いてもつい笑ってしまうのだが、正蔵が上がりやすいような配慮という側面もあるのだろうな、その辺番組によって調整しているだろうか、という印象も得た。

で、のだゆき挟んでのその林家正蔵は『松山鏡』、最近、特によいとは感じない噺家、積極的に嫌いな噺家についてもなるべく先入見を持たないように気を付けていて、今日の正蔵もそのつもりで聴いていたのだが、途中で「話の展開を知っているから、もういいんだけど」と思ってしまった。まだ多少、意地悪く聴いてしまっているのか? マクラの間に老夫婦が客席に入ってきて最前列に座ったとき、客いじりをしていたが、それが嫌味や説教にしか聴こえないのも残念。「話の最中に目の前に座られると話がどこまで進んだかわからなくなっちゃうんですよ、常識を弁えてくださいよ」という物言いで、ちょっと場内の空気が重く悪く堅くなっていたように思う。それがために、噺本編も最初からやや興醒めの態で聴くことになったのかもしれないが、逆に空気を軽くいい気持ちに柔らかくする機会だろうに、もったいない。

ちなみに連れは、「(『松山鏡』は)せっかく“死んだお父さんに会える”という話なんだから、鏡を覗いたときに“どうもすいません”とか“ああ、そのもじゃもじゃ頭は”とかやればいいのに」と感想を述べていたが、それはもちろん目指す芸風によるから必ずしもそうすればいいものとは思わないけれども、そう言いたくなる気持ちもわかる高座であった。話を運ぶ口舌に大きな瑕疵はないが、聴いていて落語の世界に連れてってくれないもどかしさを感じるというかなんというか。

古今亭文菊『浮世床』は、少しゆっくり目に喋る速度が、音楽でいえばよいグルーヴ感を生んでいて、聴いていて非常に気持ちがよい。「姉川の合戦」を読むところしか演らなかったが、聴いていて非常に満足度は高かった。

他の寄席より少し長めの林家正楽を挟んで、春風亭一朝は『野ざらし』。幇間まで行かない、八五郎が骨を釣ろうとする場面までだが、寛永寺やニコライ堂や増上寺の鐘の音の描写を演る型。全体に聴く側が力むことなく噺の世界に引き込まれるような塩梅で、これまたよい気持ちにさせてくれる高座だった。

仲入り後も落語は、「血の池地獄はカゴメとデルモンテに売却、と演ったら両社からクレームがついた」等今風のくすぐりが多いが浮ついた感じを感じさせない入船亭扇辰の『お血脈』、いつものぼやき口調がマクラからそのまま鋳掛屋や鰻屋の職人の子供を叱る口調に移行していくのが可笑しい柳家喜多八『いかけ屋』と、ああ、いい芸に触れたな、という高座が続く。

林家彦いち『熱血怪談部』は、つい先日(6月6日)に聴いたばかりということもあり、顧問の先生がとつぜん駄洒落を言うところとか後半化け物が出てきて先生が説教しまくるところなどが、自分が気持ちよいと思うメリハリや間や話の流れの感覚と少し違うなあ、などということも感じた。何年も前に作られた噺だからある程度完成形なのだろうに“熟れていないのでは?”という感想を抱いてしまった次第だが、まあそれこそ個人の好みの問題なのでどうでもいいといえばどうでもいい感想ではある。そしてそういう感想を感じながらも、力尽くで笑わせられてしまうのは悪くはない。この日感心した古典の芸と同じように、やはり、落語の世界というか、日常とは異なる世界を自然にすっ、と覗かせてくれるような楽しさを味わわせてもらえた。

以下、その他備忘。

・美智・美登のテーマ曲みたいになっている「さのさのさ」って歌は、誰のなんという歌だろうか。以前から気になっていたのを思い出した。思い出したので調べたら、渡辺ひろ美という人が歌っている『SANOSANOSA』という歌だった(作詞:岩上峰山、作曲:木下龍太郎)。

SANOSANOSA さのさのさ 渡辺ひろ美 (ワンコーラスのみ)

・のだゆきのピアニカ頭弾き、この日は『夕焼け小焼け』で、前回聴いたときの『証城寺の狸囃子』はグダグダだったが、この日は大成功。あと笑いネタではなく単に“上手い”ピアニカの両手弾きで『チムチムチェリー』も披露していた。

・林家正楽は、いつもの「相合い傘」のあと、注文で「竜」「紫陽花と犬」「隅田川の花火」「一富士二鷹」「先代正楽の高座姿」。

・扇辰は「ついさっき楽屋入りした」と言いながら、演題大宝恵(「おぼえ」と読む。鈴本のネタ帳)を高座に持って上がり、ネタ帳というものの簡単な説明をしたりしながら、噺に入っていた。

・翁家和楽社中は、和楽、小楽、和助の三人。

以下この日の演目。

春風亭朝也・・・・・牛ほめ
松旭斉美智・美登・・奇術
隅田川馬石・・・・・狸の札
鈴々舎馬風・・・・・漫談
のだゆき・・・・・・音楽パフォーマンス
林家正蔵・・・・・・松山鏡
古今亭文菊・・・・・浮世床
林家正楽・・・・・・紙切り
春風亭一朝・・・・・野ざらし
(仲入り)
ぺぺ桜井・・・・・・ギター漫談
入船亭扇辰・・・・・お血脈
柳家喜多八・・・・・いかけ屋
翁家和楽社中・・・・太神楽曲芸
林家彦いち・・・・・熱血怪談部

2013年06月24日

新宿末廣亭六月下席昼夜

新宿末廣亭下席昼夜

先日、末廣亭のスタンプカードを初めて10個貯め(今まではいつも途中でカードをなくしていた)、招待券をもらったので、この日は無料で見物。

昼夜通して全体的には、漫才は別にして落語で爆笑する場面は少なかったけれど、そよそよとしたいい古典落語を気持ちよく楽しんだという印象が残った一日だった。

***

最初に小さな文句を連ねておくと—

昼席の林家まめ平『犬の目』は、医者が入れる細かいくすぐり的な笑いが小さな笑いの波紋を重ねて行くものの目玉を乗せる皿に見立てた手拭いがひん曲がっていて皿に見えなかったりとか、金原亭馬生『無精床』は聴いていていい気持ちにはなるが話の運びの山谷や緩急がうまくつかめず些か退屈を覚えたとか、鈴々舎馬桜『粗忽長屋』は噺そのものの持つバカバカしさが伝わってこない気がしたとか、柳家さん八『替わり目』は酔っ払いの旦那が見事で楽しいのだがお内儀さんの描き様があまりお内儀さんに見えないなとか。

あるいは夜席なら古今亭志ん公『真田小僧』の金坊が子供に見えないとか、林家扇『ざるや』は目出たい感じがあまりしないし頭を下げたときに髪の毛で顔が隠れてしまうので髪はまとめたほうがいいのになとか。

といった感想を抱きはしたが、これはまあ、どっちかというと生意気なことを言って申し訳ないなとは思うけれどそう思ったということを記録しておくという意図でやはり書き留めておいたいというくらいで、番組全体の印象に影響する瑕というほどのものではない。一日が終わってみれば、のんびりと落語を楽しんだよろこびのほうが勝る。

夜席の林家三平の代演に柳家三三が上がったことも(演目は『二十四孝』)、この日の番組の好印象の所以。これはこういっては甚だ失礼ながら、下席十日間の他の日ではなく今日のこの日に聴きに行った自分の幸運に感謝した。

マクラでの「三平さんが梅雨で蒸し暑くて寄席に行きたくないというので(代演に来た)」「そのお兄ちゃんは朝ドラの『うめちゃん先生』で活躍したけど、ご本人が落語界一の『あまちゃん』だった」、あるいは噺の冒頭での「八五郎さんおあがんなさい」「あっしは上がるのが大好きで、(楽屋のほうを振り返りながら)ざる屋じゃないけど」(ひとつ前の高座が扇の『ざるや』)というくすぐりをいい間で入れて客席を沸かせてからの、渋くて心地よい『二十四孝』。総体に渋い感じの話の運びながら、八五郎が大家の講釈を真似しようとして鯉と筍と金の釜がこんぐらがってくるところのバカバカしさが見事だった。

***

最初に「そよそよとしたいい古典落語を気持ちよく楽しんだという印象が残った」と書いたが、昼席は、鈴々舎馬るこの『日本語学校の桃太郎』の、日本語学校で外国人生徒に畳語の例を求めると「川柳川柳」と答える、などの、新作落語のバカバカしい感じも楽しかった。話はそれるが、昼席は前座の三遊亭わん丈『八九升』も割と達者で、幕開けから結構退屈せずに楽しめた次第。

新作ということに話を戻すと、林家木久蔵『こうもり』は、こないだ(5月9日)聴いたばかりだし、ご本人の可笑しさはあれど上手さのようなものは微塵も感じないし、正直もう当分これは聴かないでいいなと思った(木久蔵自体は割と好きなんだけど)。ただ、マクラに入る前から「しっかり!」と声がかかるところは、やはり可笑しくてよい。

三遊亭圓丈は『聖なる我が家』、知らなかったので調べると2010年の落語協会新作落語台本募集の際の佳作作品(作:杉山聡)とのことで、「家の前にとつぜんお供えものが置かれ、掃除してもらえるようになった。理由を調べると、とある宗教家がここは聖地だ、ノアの箱船が眠っている場所だと言っているという……」という噺。私は初めて聴いたので、圓丈によってどれだけ工夫が加えられているのかは知らないが、マクラで「高座で噺を忘れたとか、メモを取ってTwitterに書く奴がいる」という話を振っておきつつ(メモを取る客—私もそうだ—をいじるマクラは今日に限ったことではないが)、途中で噺を忘れたかのような様子があってから一気に物語が別の方向に展開するといったところは、わざとだったのだろうか。そこからさらに噺に『芝浜』が紛れ込んでくる辺りが、私には大変可笑しかったのだが。

昼のトリの川柳川柳は『パフィーde甲子園』で、これもまあいつも通りお達者ながら特筆するところはなかったと思うが、サゲを言って「まだもうひと芸やるから」と引っ込み、おおと思ってたら案の定『ラ・マラゲーニャ』。去年の10月に上野鈴本で昼席のトリを取ったとき、10日間『ラ・マラゲーニャ』を演ったと思うが、そう考えるとそんなに珍しい気もしないのだけれど、そうは言ってもジョアン・ジルベルトの来日公演と同じように?拝みたい気持ちにはなる。10日間のトリ、『ガーコン』『パフィーde甲子園』のほかになにを演ったのかは知りたいなあ。もう一日くらい聴きに行こうかな。

***

話が前後するが、あと昼席で印象に残ったのは、

・三遊亭金時『夏泥』の一文無しになった大工を演じる際の、なにか覚悟を決めてしまったような不適な面構えの静かな迫力に心動いた。(そういえば、マクラの「つんぼう・どろぼう・けちんぼう」は前座のわん丈と被っていたな)

・金原亭伯楽『宮戸川』は、ご本人の髪型(きれいな横分け)の所為か、噺はきちんと古典のままだが、なんだか(そんなのないけど)日活青春映画版『宮戸川』のような趣きを感じた。

・大空遊平・かほりの漫才は、笑いどころへの持って行き方などネタの流れはいつも通りだけど、ワインをネタにしていたのが(聴いたことがなかったので)新鮮。かほりのほうの葡萄の種類などの言い立てが見事だった。

・林家正楽は、いつもの『相合い傘』のほかは、注文で『あまちゃん』を切っていた。「見たことはありませんが……」と言いながら、この日当日の話の展開(マンションの女とか)にも詳しかった。

***

夜席は、

・ロケット団の漫才では、「矢口真里」「統一球」と旬のネタをうまく入れ込んでいた。

・林家正雀は心地よい『鴻池の犬』のあと、師匠林家彦六の真似をしながらの『奴さん』が可笑しかった。

・喰い付きの柳家一琴は、奥さんを隣に乗せてのドライブでスピード違反で捕まったとき、奥さんが警官にいらぬことを次々と言うというマクラが大変可笑しく、爆笑を取っていた。

・ホームランの漫才は、ディズニーランドのショー(Drバーカー)に出ていたという話から結婚式の話に展開し、さらにキリスト教式結婚式のコントに展開。「アナタハ、明後日、仕事ハアーリマスカァ?」からサゲも含め、かなり受けていた。

・柳家小里ん『碁泥』に、先代小さんのにおいを少し感じた。碁に夢中になったふたりの、なにかがすとんと抜けてしまった感じの間抜けな様子もよかった。

・一方、当代柳家小さんには、私は今までも先代小さんのにおいを感じることはなかったし、この日も感じなかった。その辺がある種の抵抗として私にはあったのだが、当代には当代のよさがあると、最近ようやくわかってきた。この日の『のめる』も、小里んと小三治に挟まれた出番ということも考え合わせると、ある種見事な塩梅の高座と思った。

などが印象に残ったところ。

で、夜のトリの柳家小三治、この日はマクラもそこそこに(縁というもの〜夫婦の縁〜某噺家(桂三木助)の成田離婚〜出雲の神〜神社以外の各所での神前式結婚式の神主のインチキくささ。10分弱)、とてもゆったりとした『厩火事』(本編30分弱)。一見、過剰な演技はないのに、仲人の旦那の枯れた貫禄や優しさと、お崎の可愛らしさがすーっと立ち上ってくる、心地よい『厩火事』だった。満足。

そしていい『厩火事』を聴くと当然のように呑みたくなり、末廣亭近くの蕎麦屋とバーをはしごして帰った。

***

以下、この日の演目まとめ。

-昼の部
三遊亭わん丈・・・・八九升
鈴々舎馬るこ・・・・日本語学校の桃太郎
柳家小菊・・・・・・俗曲
林家まめ平・・・・・犬の目
春風亭一之輔・・・・加賀の千代
笑組・・・・・・・・漫才
三遊亭金時・・・・・夏泥
金原亭馬生・・・・・無精床
伊藤夢葉・・・・・・奇術
鈴々舎馬桜・・・・・粗忽長屋
柳家さん八・・・・・替わり目
ひびきわたる・・・・漫談
金原亭伯楽・・・・・宮戸川
(仲入り)
林家木久蔵・・・・・こうもり
大空遊平・かほり・・漫才
桂南喬・・・・・・・稽古屋
三遊亭圓丈・・・・・聖なる我が家
林家正楽・・・・・・紙切り
川柳川柳・・・・・・パフィーde甲子園、ラ・マラゲーニャ

-夜の部
金原亭駒松・・・・・穴子でからぬけ
古今亭志ん公・・・・真田小僧
ロケット団・・・・・漫才
林家扇・・・・・・・ざるや
柳家三三・・・・・・二十四孝
東京ガールズ・・・・漫謡
初音家左橋・・・・・紙入れ
林家正雀・・・・・・鴻池の犬、踊り(奴さん)
アサダ二世・・・・・奇術
むかし家今松・・・・はなむけ
柳家小満ん・・・・・夢の酒
(仲入り)
柳家一琴・・・・・・勘定板
ホームラン・・・・・漫才
柳家小里ん・・・・・碁泥
柳家小さん・・・・・のめる
鏡味仙三郎・・・・・太神楽
柳家小三治・・・・・厩火事

2013年06月20日

6月まとめ(11〜20日)

6月11日(火) 朝8時起床→風呂、読書→昼→読書、午睡→晩→風呂→夜11時頃就寝。
6月12日(水) 朝8時半起床→真竹待ち→真竹来たので、ひとまず二本、試しに糠なしで湯がいてみる。ダメなら今日糠を入手して残りを湯がくもくろみ→糠なしで大丈夫だった。まず刺身にして喰ったが、美味美味。ビール開ける→残りも湯がいて刻んで冷蔵庫に格納→午睡→晩の準備→風呂→『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』観ながら、真竹尽くしであーこりゃこりゃ→夜11時頃就寝。
6月13日(木) 朝6時起床→二度寝、謎の熟睡→午前10時過ぎ起床→『志ん朝の落語4』読了→『志ん朝の落語2』読み始める→『たまには歌う夜もある 勝新太郎ビッグショー』と『セクシー・サイン好き好き好き』観る→深夜0時頃就寝。
6月14日(金) 夜中(早朝)目が覚め、西桐日誌更新→再び寝る→朝8時半起床→風呂→ベルク→伊勢丹→ベルク→大山の友人宅でWOWOWのドラマ『ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち』を見せてもらう。いろいろ詰め込み過ぎて、ちょっと期待したのと違ったかな。見せてもらって感謝→朝からちょいと飲み過ぎ食べ過ぎで、一旦寝る→起きてから、お笑い番組の録画見ながら猫(主にチビ黒)と遊びまくる→大山散策し、立ち飲み屋で一杯。酒呑みには天国のような町だ→9時頃おいとまし、経堂に戻って食料買い出しして帰宅→午前1時過ぎ就寝。
6月15日(土) 午前10時起床→洗濯→炊事→シャワー→午睡→シャワー→夕方近所の友人と魚ケンで一杯→食べた食べた。帰宅後即就寝。鍋と釜の中身を冷蔵庫にしまう過程で、皿を一枚割ってしまった。
6月16日(日) 夜中に何度か起きたので、尾形の日記更新するなど→朝9時前起床→午後、『志ん朝の落語2』読了→午睡→晩の仕度→池波料理番組と、若手芸人の芸を見せる番組。後者に泉ピン子が審査員で出ていたが、今最も不必要な人間のひとりだな→今日もシャワー→深夜0時前後就寝。明日から朝起きしなに昆布を一晩つけた水を一杯と、あと玉葱を一日に半個程度を続けてみることにした。
6月17日(月) 朝8時半起床。昆布水→ようやく朝から晴れ。先週溜まった洗濯片付けた→シャワー→志ん朝『唐茄子屋政談』(CD)、『文七元結』『舟徳』(Youtube)を聴きながら、落語のことを考える。あと図書館に、『志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを』の“に”から“り”までを予約→晩やりながら勝新太郎主演の『ニセ刑事』→正確に何日のだかわからないがビバリー昼ズの録音聴く(Twitterで回って来たので)→夜10時過ぎ就寝。
6月18日(火) 深夜起床→明後日のイタチョコ浄瑠璃で急遽ウクレレを弾くことになったらしい。とりあえずコードだけさらっておく→再び就寝→朝8時起床→朝の仕度→午前中ウクレレ練習→シャワー→くどうで昼→買物→午睡。今年初めて冷房使った→酒屋がビール持って来たときにそろそろ雨振りそうですよ、というので、洗濯物(カビ臭くなってたTシャツ群)を取り込み→ウクレレ練習→晩の仕度→増村保造『最高殊勲夫人』見る。特にどうということもなく楽しい映画だった。増村保造にしては珍しいのではないか?→夜11時頃就寝。
6月19日(水) 夜中暑くて目覚める→また寝て朝9時頃起床。風が強い→午前中ウクレレ稽古。曲増えてたが、昔の映像見つけてなんとかなった→譜面整理→引き続きウクレレ稽古→晩の仕度とシャワー→血圧が、今年初めて(というか数年ぶりに)正常範囲内の値を記録した→晩の仕度をして川島雄三『女は二度生まれる』見てから、夜11過ぎ就寝。
6月20日(木) 朝5時起床→朝食はさんでウクレレ稽古→昼過ぎ出発→午後2時過ぎから、荻窪のカラオケボックスでラショウさんと今日の公演の打ち合わせ。やることは少ないが、段取りが複雑でしばし困惑→午後5時からリハ。ほぼ段取りの確認のみ→本番、出入りの段取りを間違えないかと、あと本編の楽士の顔ぶれとに緊張。でも『イザイセ』(太鼓で参加)と『エンパdeラゾーの最後』(ウクレレで参加)では、なんとか思いっきり演奏できた。その他ミスは多数→ともあれ、イタチョコ浄瑠璃は無事打ち止め。この日初参加のArisaさんという人も面白かった→荻窪で呑んでタクシーで帰宅。家に着いてからたいそう酔っ払ったようだ。就寝時間不明。

2013年06月10日

6月まとめ(1〜10日)

6月1日(土) 軽い宿酔い→『市馬青春を唱う』まとめ→武蔵小山の友人宅にて宴。友人のひとりの娘さんもあとから来たが、ほどほどのところでおいとま。ポリスとショーン・キャシディと、あと趣味の悪い音楽と新生姜料理の夕べ。楽しかった→電車で帰宅。午前1時頃就寝。
6月2日(日) 朝8時過ぎ起床→落語ムック原稿の修正依頼来たので、先に片付ける→小三治『もひとつま・く・ら』読了→小遊三の『全日本ダジャレ芸術協会』読み始めるが、権太楼『江戸が息づく古典落語50席』とともに時間切れ。明日返却→深夜1時頃就寝。
6月3日(月) 朝6時起床→風呂→『全日本ダジャレ芸術協会』大急ぎで読了→図書館に本返却へ。権太楼『江戸が息づく古典落語50席』はまだ買えるはずだからコルティの三省堂覗いてみたが置いてなかった→立ち食い蕎麦喰って帰って午睡→短い午睡だったが、凝縮されて濃厚な夢を三本立てで見た→アダンで花束作ってもらい、ベルクで一杯やったのち、夜は滝野川で山田パールダンス公演を見物→踊りはきれいだし、笑いの味わいも演出もよく、とても楽しかった。まったく予想していないところで、こういういいものを見られるのは幸せ→板橋から渋谷へ出てdress。やさぐれ営業がさみしくも可笑しかった。また知った顔ぶれに会ったが、酒はほどほどに帰宅→夢亀でラーメン。隣にいたボクサーあがりのおっさんのお喋りが面白かったので、つい聞き耳を立てた→深夜1時頃就寝。
6月4日(火) 朝6時起床。昨夜はベルクでビール×1、滝野川でビール×1と赤葡萄酒×1、dressで赤葡萄酒×1とラフロイグストレート×2、だったが、案外宿酔いではなく、すっきり目覚めた→すっきり目が覚めたのに二度寝三度寝→昨日久々に『寄席手引』の告知をしたら、今日少し動きがあった模様。一時、Kindle有料タイトルで1,000位台になっていた→調子に乗って、芸協K氏にご意向を伺い、版元に献本依頼。落協や各寄席についても、版元の判断を仰いでみた(こちらから言わんでも、という気もしなくはないが、こっちが指示し忘れていた、とも思う)→落語ムックも終了→夜11時過ぎ就寝。
6月5日(水) 朝8時起床→二日分、いわゆる“セコをふかした”。すっきりした→風呂→権太楼『大落語論』再読→午後、GENT&HONEYにて散髪→久々にCurry Upに寄ったが、GHEE系としては、やはりご本人がやっているCafe de Momoのほうががつんと来るなあ。ちょっと物足りなく感じた→そのまま明治通りを北上して、サザンテラスのほうの紀伊国屋で、図書館で借りたが期限までに読み切れなかった権太楼『江戸が息づく古典落語50席』を購入→素足にサンダルでの表参道〜新宿の歩行で、左足の裏がすり切れる→夕方4時に帰宅し、ビール呑んで午睡→夜8時頃起床→晩→夜11時から12時の間に就寝(多分)。
6月6日(木) 朝8時起床→シャワー→豪徳寺まで歩いて、ベルク経由末廣亭→ベルクのカレーはことのほかうまかった。Curry Upよりだいぶよい→末廣亭でスタンプ10個溜まり、招待券と手拭いもらう。そのまま夜までぶっ通し→経堂に戻って晩にしようと思ったら、魚ケンに振られ(定休日)、太田尻家に振られ(臨時休業)、華味屋で中華。食べ切れず、上海焼きそばと海老五目炒飯を折りにしてもらう→深夜0時頃就寝。
6月7日(金) 朝9時頃起床→風呂と食事以外は、終日昨日の末廣亭のまとめ。だらだらと長くなった→権太楼『江戸が息づく古典落語50席』読了→夜、宝塚の男役の人たちが出ているドラマを偶然見たが、奇妙で面白かった。宝塚は残念ながらこの回だけのようだ→深夜0時頃就寝。明日は久々のライブ出演だ。
6月8日(土) 朝8時半起床→岐阜屋からSUKIYAKAリハ(於新宿NOAH)→紀伊国屋で本買い、表参道に移動して清水湯→古道で一杯→ぶらぶら歩いてレッドシューズでリハ→深夜0時過ぎから本番。くたびれた。彼の地の堀江繁伸には届いただろうか→適当なところでタクシーで帰宅。
6月9日(日) やや宿酔い。なにもしなかった、というよりは、積極的に寝ていた。やったことといえば、マルちゃん正麺でカレーラーメンを作る工夫を思いついて実行してみたくらいだ。夜11時過ぎ就寝。
6月10日(月) 朝8時起床→シャワー→西桐日誌更新→ガラムマサラで昼→食料調達→町内回避集金完了し、集計も完了→晩飯制作。連子鯛の炊き込みご飯など、大成功→深夜0時頃就寝。

2013年06月06日

新宿末廣亭六月上席昼夜

新宿末廣亭上席昼夜

この日は全体的に、なんとなく急所肝所が掴めなかったので、いつもにも増してだらだらとしたご報告になります。

***

午前11時半頃から、末廣亭の前で10分ほど待ち、切符売り場では何故か「シニアですか?」と問われたが(私は今月でようやく48だが)、つつがなく開場と同時に木戸を潜る。昼前に前座が高座に上がったとき、客の入りは椅子席一列当たり3〜5人といった感じであった(仲入り前で椅子席7〜8割、座敷ちょぼちょぼぐらいだったかな)。

その前座、三遊亭ございますは三遊亭歌之助の弟子だそうだが、開口一番の挨拶「ございます、で、ございます」で、すぐに名前を覚えてしまった。顔は忘れてしまったが、『出来心』はあまり引っ掛かるところなく、それなりにすっと楽しめる落語だった。

続く三遊亭時松も、二ツ目にしては達者な印象があった。ちょっと噛むところが多かったが、噺を聴きたくなくなるほどではなかった。

のだゆきは、つい先日浅草で観たのとほぼ同内容。ピアニカ芸で、象を初っ端ではなく最後に持って来ていたのがこないだの浅草と違っていたが(この日はクラクション〜走り去る救急車〜コンビニの入り口、に続いて象を演った)、これはこれで“期待させておいて落とす”という可笑しさがあるなと思った。

頭で弾くピアニカ(『証城寺の狸囃子』)は弾き始めから音を間違い、グダグダに。こうしたグダグダな感じは、この日の番組を通して時折遭遇することになったが(いや個々のグダグダに関連性はない?と思うが)、続く顔で弾く『アメイジング・グレイス』は無事成功。リコーダー二本吹き(『故郷』)や頭部管のみでの演奏(曲名失念)も見事だった。頭弾きのみ惜しかったな。寄席では恐らく、こないだや今回観た芸を中心に展開するのだろうが、別の芸も観てみたい。

隅田川馬石『狸の札』、札に化けた狸を寝かす際に枕を宛てがうなど、細かい部分を丁寧に演るのを聴くのは久し振りな気がする。いや聴いていてそういうところにちゃんと気が回るように、私もようやくなったのかもしれないが、最近、勢いのある落語や独特の芸がわかりやすい落語だけでなく、誠実で丁寧な高座も好きになっているので、この『狸の札』もなかなか楽しく聴いた。

この日はおとなしいお客が多かったのか? 客席がずっと水を打ったような静けさで、馬石の高座でもそれほど笑いが起きたわけではないが、ようやくこの辺で客席が温まって来たな、という感じはした。

続くホンキートンクは、話題が変わっても同じボケを繰り返すタイプのネタで、たいそう可笑しかった。さらに三遊亭歌武蔵の漫談(貴闘力に勝ったときの決まり手の話、高さ634mと武蔵の語呂合わせからスカイツリーのオープニングへの出演を打診され楽しみに待っていたが未だに依頼がない話、干支を知らない千代大龍と瀧川鯉太と桂ひろばの話など)が続き、どちらも笑いの渦を増幅させる感じの高座で、さらに客席を温める。が、それでも客席の笑い声はそれほど大きくはならない。

柳家さん福〜松旭斉美智・美登〜三遊亭吉窓の辺りは、少し地味な印象だったが、松旭斉美智・美登のとき「初めて見る人」との問いかけに手を上げたお客のひとりが高知から来た人で、そのお客へのちょっとした親切があったとか、吉窓『本膳』が、さらっと演っているようで、庄屋の家で手習の師匠と村人36人全員が座敷で右往左往している様が目に浮かぶような感じは、印象に残っている。

柳家喜多八『替わり目』は、お内儀さんよりも酔っ払いの主人のほうに重点を置いている組み立て方で、お内儀さんはほぼ添え物といった感じだったが、酔っ払いの繰り言だけで充分可笑しいし、聴いていて気持ちがよい。

柳家紫文は寸分違わぬいつも通りのネタ(鬼平半可通)だが、6月第一月曜日(今年は3日)の“寄席の日”の団扇をバチ替わりにして三味線を弾いていた。なかなか粋な芸だなあと思っていたら、先述の“高知からのお客”に、「美智姐さんがあなたにこれあげてちょうだいって」と言ってその団扇を渡していた。当事者でなくても嬉しくなるような光景であった。たまにこういうことがあるから、寄席はよいなと思う。

仲入りの三遊亭圓歌は、三代目柳家小さんの死(高座を終えて楽屋に戻って倒れて死んだ)の話から、歴代落語協会会長の思い出話。他愛のない思い出話だが、自然に興味をそそられるし、やはり客席に受ける。三遊亭圓丈が『ろんだいえん』で「圓歌師のネタの凄さは、客から思考力を奪ってバカ状態にしてしまうところ」「いったん客はバカ状態で笑う快感を覚えると麻薬のようなもので」と書いていたが、改めてなるほどなあと思った。

***

仲入り後は、三遊亭金時『くしゃみ講釈』(生では初めて聴いたかもしれない)からすず風にゃん子・金魚の漫才、柳家小せん『野ざらし』、五街道雲助『権助魚』と、爆笑にもつながる滑稽ネタが続き、実際どれもたいへん楽しくて私も何度も声を出して笑ったのだが、やはり客席に笑いはほとんど起こらず。

といって、ちらっと客席を見回すと、楽しそうな顔がほとんど。こういうとき、高座の噺家芸人がどんな気持ちになっているのかは知る由もないが、こういうよくわからない反応が続くところも寄席の面白さだなあと、無責任に考えたりした。

ちなみに金魚の頭飾りは、傘とカエルとてるてる坊主であった(少なくとも季節ごとに一度は見ないと落ち着かない)。ネタは“バスツアー”と“アニマルエクササイズ”だったが、張りや爆発の度合いも含めて、いつも通りの印象。

膝替わりの翁家勝丸は、花籠鞠の曲で挑んだが、これが何故だか、ごく始まりの段階から失敗の連続。いちいち数えなかったが、何回まりを落としただろう。ちょっと見ていられない高座だった。それでも、花籠鞠を放棄してお手玉でお茶を濁す感じで拍手を貰ってはいたが、太神楽でこれだと縁起よくないな、と思った。最初のほうの失敗がさらに失敗を呼ぶ連鎖が起きたかなとも思ったが、とにかく稀に見る杜撰さであった。

さて昼のトリ三遊亭金馬は『御神酒徳利』。膝はまだお悪いようで見台を置いてあぐらをかいての高座だったが、口調ははっきりと明晰で、衰えを見せない。小学生の頃にラジオで聴いて好きになった噺家のひとりなので、お達者な姿を見られるのはとっても嬉しい。なお、高座は30分ほどで、噺は神奈川宿女中を助けるまで。

そういえば余談だが、『御神酒徳利』といえば、先月芸協の真打披露で聴いた新真打三笑亭世楽の『御神酒徳利』も、とても丁寧な高座でよかったなあ、と思い出した。

***

さて夜。

柳家さん若『饅頭怖い』は、買い込んで来た饅頭をひとつひとつ「唐饅頭に田舎饅頭、蕎麦饅頭、栗饅頭に腰高饅頭、葛饅頭、中華饅頭… 中華まんじゅう買って来てどうする、豆大福… 大福ってのは饅頭か?」と演るじっくりとした『饅頭怖い』だった(蕎麦饅頭や腰高饅頭は割愛されてたかもしれない)。先にも似たようなことを書いたが、最近前座噺みたいなネタでじっくりと、細かい描写や丁寧な演出がなされるのが好きなので、大変楽しく聴いた(高座時間は15分ほどだったが)。

東京ガールズは久し振りに聴いたが、寄席ではない独自の公演も観たいなあ(と最初に思ったのはずっと以前だったが、無精を決め込んでちゃんと観に行っていないのだった)。

春風亭百栄『桃太郎』は追いつめられたお父さんがけんか腰なのが妙に不気味な味わいで面白く、古今亭菊之丞『鍋草履』はいつも通りきれいな感じだなあと楽しんで、続いてカンジヤマ・マイム。出囃子が『マイム・マイム』なのだが、下座の三味線がこれまた何故かぜんぜん弾けておらず、『マイム・マイム』の主旋律を繰り返す中、同じところで何度もつっかえる。昼席の、のだゆきの頭で弾くピアニカ(『証城寺の狸囃子』)、勝丸の花籠鞠をせっかく忘れていたのに、この出囃子でまた思い出してしまった。まあ、その三味線のグダグダぶりが可笑しくもあるのだが、それはないだろうという一線も一歩か二歩またいでいたとは思う。

カンジヤマ・マイムのパントマイムは、パントマイムの基本を説明しながら笑いを取っていくという構成で、これはとても楽しめた。その辺りの自分の気持ちの動きはもう覚えていないが、多分あの出囃子に乗って出て来たカンジヤマ・マイムの芸を観ているうちに、出囃子のことは忘れたように思う。

林家彦いち『熱血怪談部』は、高校の怪談話サークルの顧問へ、元体育会系サークルの先生が顧問に就任、あまりに場違いな熱血指導を繰り返す…… という自作。先生が見回りに回った体育館にのっぺらぼうが登場した辺りから、終盤に向けて幽霊や妖怪が続々登場し、しかしそれらに対しても熱血指導を行うという展開も含め、噺自体はとても面白かったが、聴いていてあまり絵が浮かんでこなかったという憾みは残った。ここら辺りで、私の集中力が途切れ気味になっていたのかもしれない。

続く古今亭菊春は古今亭菊輔の代演だが、彦いち『熱血怪談部』の続きのようなぬらーっとした妖怪みたような感じで登場して、妙な味わいの『お血脈』。この辺の交替の妙が面白く、とても印象に残った。

ちなみに夜も、客席はおとなしい感じだったが、ここで林家ペーが登場するや、おとなしいなりにようやく客席も渦巻いた感じになってきた。林家ペーの漫談もネタはいつも通りで、「知っていることを言ってるだけですが」というその“知ってること”の出てくる速度や間と飛躍の塩梅に無理矢理笑わせられてしまう次第だが、この日は『ペーパー夫婦節』をフルコーラス唄ったあと、曲の後奏に紛れて「矢口真里、のっぽの男、離婚成立、おめでとうございました」と締めていたのも可笑しい。

林家しん平の『夏泥』に入る前の、「みなさん、家の鍵は閉めて来ましたか? アイロンはつけっ放しじゃないですか?」とお客の不安を煽るマクラも、虚を突かれた感じでとても可笑しかったのだが、声を上げて笑ってたのは私ひとりだった(この日は、昼も夜もほんとにずっとそんな感じだったな)。本編も、貧乏長屋の男の太々しさがなかなか結構だったのだが。

あ、笑い声がずっと少なかったというようなことを何度か書いたが、仲入りの三遊亭歌之介『勘定板』では、笑い声が大きかったか。先日も思ったが、下ネタは受けるのだなあ。

***

仲入り後食いつきの…… といってもこの日は仲入り休憩終わっても客席はざわざわしたりはしておらず、わざわざ食いつかなくても済むような様子ではあったが、それはともかく柳家喬四郎『バイオレンスチワワ』は、チワワ同士が会話するところで最初は唐突に犬の鳴き声で会話していて、そのあと人間の言葉に訳すところで古典落語口調になるところが妙に可笑しく好きだな。笑った。

ひびきわたるの煙管を使った動物の鳴き真似は、上着の内側にずらりと揃えた様々な種類の煙管(助六煙管、六画煙管等々)を使い分ける割に、赤ん坊もにわとりもカエルも同じように聴こえるような気がしないでもないところが好きである。あとフルートを吹きながら『鶴の恩返し』(見てはいけない/鶴の部屋〜)を唄った。

柳家はん治『千早振る』、これも郭で竜田川が千早花魁を見初めるところの描写が芝居仕立てで実に細かい芸だったのがうれしい。ちなみにサゲは「戒名」のほうだった。

夢月亭清麿『東急駅長会議』は三年ぶりに聴いたが、そのときは前半の駅長会議の場面でもっと各駅に関する無駄な蘊蓄ネタが鏤められていたような気がしたが、記憶違いかな? いや本稿を読み返しながら思い出していたら、だいたい同じような感じだった気もしてきたが、まあ仮にその部分がさらりと進んだとしても、後半、急行が停まる駅/停まらない駅がひっくり返った東横線に妙蓮寺から祐天寺を目指す老夫婦が乗り込む場面にいきなり転換して、おじいさんがおばあさんとの会話の中で「ウン、ウン」としか言わないところが可笑しくて好きなので、充分楽しんだ。

夜の膝替わりは翁家和楽社中で、和楽、小楽、小花。小楽、小花による鞠の回し分けと枡の回し分けのあと、小花が、昼の勝丸と同じく花籠鞠の曲を披露したが(あと最後に全員でナイフの交換取り)、こちらは鞠を落とさず失敗もなく、とても安心のできる気持ちのよい芸だった。もっとも、小花は立って演っていたが、勝丸は座っての芸。座ってのほうがより難しいのだろうなとは、素人ながら考えた。

で、夜のトリ柳家さん喬は『八五郎出世』。この日全体がそうだったように、“これ”という急所を掴めないまま、しかし聴いていて心地よく進んでいく『八五郎出世』だったが、後段の八五郎の酔いっぷりがよく、ついつい少し涙を誘われた。じんわりと染みる一席だった。この噺自体、自分の好みとしては、八五郎が侍に取り立てられるというところが面白くなくはあるのだが(ごく単純な考えです)、それはそれとして、今日は八五郎が酔っ払い聴く者の涙を誘う展開の場面も、くさ過ぎず実にさらっとした感じで、とても気持ちよかった。

そういえばこの噺を最後に聴いたのはいつだったかなと思い調べたら、三年前の3月17日、浅草東洋館で催された『緊急!!圓生争奪杯』の折だった。三遊亭鳳楽の『妾馬』を聴いたのだが、あれはちょっといくらなんでもなにだったなあ。

という感じで、昼夜通しで聴くには全体の高低差が小さい印象で急所肝所がうまく掴めず、ちょっと長さを感じる一日にはなったが(もちろん通して聴いたのは、誰に頼まれたのでもないこちらの責だ)、一日経って記憶をたどれば、いくつかの失敗を除けば丁寧な芸にいくつも触れることができた番組であったと思う。

***

以下、この日の演目。

-昼
三遊亭ございます・・出来心
三遊亭時松・・・・・強情灸
のだゆき・・・・・・音楽パフォーマンス
三遊亭金也・・・・・牛ほめ
隅田川馬石・・・・・狸の札
ホンキートンク・・・漫才
三遊亭歌武蔵・・・・漫談
柳家さん福・・・・・ふだんの袴
松旭斉美智・美登・・奇術
三遊亭吉窓・・・・・本膳、踊り(なすかぼ)
柳家喜多八・・・・・替わり目
柳家紫文・・・・・・三味線漫談
三遊亭圓歌・・・・・漫談
(仲入り)
三遊亭金時・・・・・くしゃみ講釈
すず風にゃん子・金魚
 ・・・・・・・・・漫才
柳家小せん・・・・・野ざらし
五街道雲助・・・・・権助魚
翁家勝丸・・・・・・太神楽曲芸
三遊亭金馬・・・・・御神酒徳利

-夜
柳家小かじ・・・・・道灌
柳家さん若・・・・・饅頭怖い
東京ガールズ・・・・漫謡
春風亭百栄・・・・・桃太郎
古今亭菊之丞・・・・鍋草履
カンジヤマ・マイム
 ・・・・・・・・・パントマイム
林家彦いち・・・・・熱血怪談部
古今亭菊春・・・・・お血脈
林家ペー・・・・・・ギター漫談
林家しん平・・・・・夏泥
三遊亭歌之介・・・・勘定板
(仲入り)
柳家喬四郎・・・・・バイオレンスチワワ
ひびきわたる・・・・漫談
柳家はん治・・・・・千早振る
夢月亭清麿・・・・・東急駅長会議
翁家和楽社中・・・・太神楽曲芸
柳家さん喬・・・・・八五郎出世

***

あそうだ、以前、「ひょんなことから、落語初心者に向けて人気噺家を紹介するムックの制作に関わることになった」とご報告しましたが、どうやら某新聞社から『みんなが好きな落語』(仮題)として、7月終わりか9月初旬に刊行される模様(担当原稿はすべて入稿済み)。詳しいことがわかったら、またご報告いたします。

2013年06月03日

山田パール劇場

於サニーコート滝野川

「山田パール」については、山田パール劇場ホームページより引用する。


ダンサー・表現者/笠井晴子が扮する喋って踊れるモダンガール★​​​
渋谷のバーで名付けられたこの名前で、板橋デビューを飾る。
サニーコート滝野川の管理人。元・藤田医院の孫娘。​​​

補足すると、「渋谷のバー」は渋谷dressのこと。笠井晴子は、自分のダンスの仕事のないときに、ときどきカウンター内などで接客を担当して、そこで酔客に「山田優と小沢真珠に似ている」と、「山田パール」とあだ名された。

その後特に「山田パール」という名前が何かに使われることはかったようだが、祖父の経営していた医院のあった、滝野川の建物の地下駐車場を小さな劇場に改造、その杮落しに「山田パール」名義のダンスショーを企画したということらしい。杮落しということで、経堂の馴染みのアダン・フラワーズで花束を設え(といっても大した金額ではないが、カサブランカの大輪が開いたばかりというので、それとひまわりを組み合わせたもの)、伺った。

元病院が舞台ということで、開演前には「この医院の看護婦だった」と称する女性が飲み物と“薬”(薬袋に入ったお菓子)を振る舞ってくれるなど、開幕前から演出されていた。

ちなみに客席は、地下駐車場の勾配部分に座布団を敷く格好で、15席ほどだったか。

***

ショーは、まずジンジャー&フレッドの『空中レビュー時代』(Flying Down to Rio)でお馴染みの『La Carioca』で、金色のロングドレスの上に着物を羽織った衣装のダンスで始まった。ダンスは20世紀初冬のモダンのイメージ? 一度か二度、着物の裾が足に絡んで転ぶところがあったが、立ち直る動作を見るとそういう演出にも見える。

続いて『Stompin' at the Savoy』では、羽織っていた着物を脱いで、ぐらぐらする丸椅子の上でのダンス。ここも20世紀モダン・ガールのイメージかな。椅子があまりにぐらぐらしていて、何度か落ちる場面もあったが、これまた事故か演出かは、観ていて判断できなかった。

#終演後に尋ねたら、どちらも予期せぬ出来事だったとの由。しかしそれをそうと見せない辺りはさすがであった。

『Stompin' at the Savoy』の終わり頃、踊りながらゴールドのドレスを脱ぎ、それを丸椅子に被せてもう一人の踊り子のように操りながら、腹話術のような声で自分と劇場の由来を、笑いを含めながら語る。そこから「祖先」と「子孫」という言葉を織り込んだヒップホップ風?オリジナル曲でのダンスになったのだが(衣装は黒の、半袖ショートパンツのオールインワン、というのか?、とサングラス)、ここで展開された笑いのセンスがなかなかよかった。笠井晴子という踊り手の持つ魅力が、ぐっと伝わって来たと感じた。前説的な役割を演じていた看護婦姿の村山華子が共演(ちなみに村山華子は、自身もダンサーで、この公演ではストーリー作りや小道具制作でも協力)。

お次は、いったん幕裏に引っ込んだと思ったら、腹巻きステテコ姿で、福笑いをモチーフにしたダンス。舞台のうしろの鉄製の引き戸にマグネットの目鼻口を張って顔を作り、その顔に併せて引き戸の裏で踊るという趣向。これもかなり笑った。途中、一番前に座っていたので舞台に引っ張り出され、福笑いをさせられたが、私が作った顔でのダンスは今ひとつ受けが悪かったようで、申し訳ないことをした。

そのあとはブルーのドレスに着替え、もうひとりのゲストの飯塚友浩と『Shall We Dance?』。ここのダンスはきれいだなーという記憶しかないのだが、終わり頃に中の照明を落として外(下手側の小さな窓)からの光で山田パールを照らすという演出は美しかったな。

***

外の看板には、上演時間約50分とあったが、終わってみるとアンコールや挨拶のダンスも含めて一時間は超えていた。正直、どんな公演内容なのかまったく知らなかったので、なにも考えずに臨んだが、いろいろな技術といろいろな発想に富んだ、いろいろな工夫が凝らされた楽しいショーだったと思う。

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