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2015年01月31日

1月まとめ(21〜31日)

1月21日(水) 4時頃起床。風呂→7時前に家を出て、8:00東京発の新幹線で大阪へ。車中たいめいけんのカツサンド(ヒレカツ、エビカツ)とビール→新大阪経由梅田で降りて新梅田食道街のスエヒロで昼(ビーフカツレツ)。新梅田食道街は知らないと思ってたが、ここのスエヒロには二十年くらい前に一度来たことがあるのを思い出した。そのときなんで大阪を訪れたのかは思い出せないが、ひとりだったと記憶する→食後北新地まで歩き、東西線で大阪天満宮に移動→天満天神繁昌亭を初訪問。同じ落語だし、東京でも馴染みのネタも多いのに、上方の寄席となるとまた東京とは高座も、参加型?の客席も雰囲気が違って面白かった(ただし参加型でないことも多いとのこと)。笑福亭竹林の、天神様に連れてってくれないならと子供の寅ちゃんが向かいのおじさんに両親の閨の睦ごとをバラしてしまおうとするくだりなど爆笑。桂楽珍『夏の医者』、桂文之助『般若寺の陰謀』と、東京では聴けないネタも楽しんだ。その中で東京からは坂本頼光が、『血煙高田の馬場』(伊藤大輔監督、大河内傳次郎主演。1928)の活弁で客をグッと惹きつけていたのもうれしかった。客席の雰囲気もよかったが、ひとつ前の席の女が二階席から身を乗り出してて高座が見えないことが多かったり、その連れが靴を脱いでたのには閉口→仲入り前まで聴いて、大阪天満宮参拝ののち、京阪中之島線なにわ橋駅まで歩いて(10分ほど)中之島へ移動、リーガロイヤルホテルにチェックイン。とりあえずシャワー浴びてビール→夕方タクシーで中津のカンテグランデへ。西桐画伯のオープニングパーティは大盛況。関西の主にファッション業界の濃いお歴々がたくさんいらした。Y口さんのご友人の女性が経堂に詳しかったりしたもの妙なる偶然→カンテグランデではビールをたくさん呑んだが、ご馳走になってしまった→会がはねたのち、Y口さんがどこかで軽く一杯と誘ってくださったので、近くのバルのような店で赤葡萄酒。ここは持たせていただいた。なかなかお会いできないので、いろいろ話ができてうれしい→タクシーでホテルに戻る。ルームサービスできつねうどん啜って就寝。
1月22日(木) 朝9時頃起床。例によってひどい宿酔い。朝は珈琲のみ→11時にチェックアウト後、何度かお手洗いに寄りながらゆっくりゆっくり心斎橋へ。京阪中之島線大江橋駅から地下鉄御堂筋線淀屋橋駅への乗り換えは、若干距離があったものの、思ったよりややこしくはなかった→心斎橋の今井でうどん啜ろうと思ったら間違えて焼き鳥屋の今井屋に行ってしまいちょっと焦る→無事今井に移動しきざみうどんで遅い朝食。それからはり重で帰りの新幹線の中で食べるビフカツサンドとカレー、ハイシなど購入→御堂筋線で中津へ移動。カンテグランデで西桐画伯と落ち会い、しばし歓談。珈琲をご馳走になった上にお土産までいただいてしまった→中津から新大阪まで二駅なのに驚く。なんとなく大阪市内の鉄道移動の勘所を押さえた気になる→新幹線はつつがなく直近の指定券も買え、何事もなく夕方東京着→中央線と小田急線で平和に帰経。まことやでカキ塩ラーメン食べたらこれがなかなか→帰宅し『深夜食堂』と『◯○妻』の録画見る。『◯○妻』は、すごい細かくてわかりにくい笑いがちりばめられてあるところがよい→風呂→『問題のあるレストラン』『笑点特大号』『深夜食堂』見てから寝る。今期のドラマは“男はわかっていない”というテーマが流行りなのかな? といっても『◯○妻』『残念な夫。』『問題のあるレストラン』の三本だけか→朝5時就寝。
1月23日(金) 朝11時起床→昼前、経堂駅前で老父と待ち合わせ、誕生日祝にしらかめでそば(年越しそばがうまかったので、また店にも食べに行きたい、という希望があったので)。本日オススメの鯛の塩辛、野菜天ぷら、穴子出汁巻で一杯。〆は全員かけそば(私は山かけ、たのふたりは卵とじ)。しらかめのおばちゃんも老父のことを覚えててくれて、よい会食だった→ピーコック、河内屋、梅田青果、一力で買物して帰宅→午睡→『落語時代 喬太郎 in 深川』見ながら、晩の蕪酢と、インゲンと油揚のおつけ、大豆炊いたの、大豆炊き込みクミンご飯を仕込む→風呂→晩に『問題のあるレストラン』の二話目を再見したのち『地獄の夜は深紅(まっか)だぜ』(野口博志。小林旭、松原智恵子、川地民夫、白木マリ、藤村有弘。1962)見る。これは、小林旭のアクションの端っこのところが面白いし、意表を突く民謡(五木の子守唄と三階節)も可笑しい爆笑傑作。バカ話をしながら見ると面白い→『タモリ倶楽部』見て就寝。夜3時前。
1月24日(土) 朝9時前起床→整形外科経由で昼頃中神。整形外科で医者に確認したところ、火曜日に保険屋が電話で伝えてきた「弊社の医療専門スタッフが担当医にお話を伺ったところ、治療は今月いっぱいで終わるとのこと。なので治療は今月で打ち切りでいいですね?」は事実無根であったようだ。少なくとも医者は「そんなことは一言も言っていない」と言っていた→F式宅にお邪魔し新年会。自家製どぶろくとレバ刺しに鹿肉、エイの煮付けや蒸しあん肝、大豆炊いたの、蕗の煮物などなど、F式さんお手製の酒肴が並ぶ。F式さん以外は初対面の方だったが、和気あいあいと記憶がなくなるまで呑んだ。楽しかったなー→帰途、中神から新宿までは手のひらから電磁波を出し、新宿から経堂までは平和に帰る。帰宅後即就寝。夜1時くらいか。
1月25日(日) 終日胃痛で昼まで横臥。NたEり嬢のお散歩も失敬する旨連絡(明日に変更になった)。昨日呑む前に生ウコンを齧ったので、宿酔いはなし→昼頃『深夜食堂』を見たのち『さよなら李香蘭』の前編見る。いろいろ可笑しいが、面白く見た→胃痛は夕方頃収まった→昨日初めてお会いした方何人かにFacebookの友達申請送る→晩のお供に、久々にバラエティ番組(行列のできる法律相談所)見る。変な人たちを集めた最近よくある類いの番組で、面白くはあったが、ほかに知恵はないのかねという感じであった→シャワー→夜3時頃就寝。
1月26日(月) 朝9時起床→整形外科経由下北沢。NたEり嬢のお散歩取材に同行。よい散歩だった→久々にモエツカリーで昼→午後2時過ぎ電車で平和に帰宅→午睡→風呂→午前中に某所より北海道土産届いたので、その中の白鳥マトンのジンギスカンで一杯→晩のお供は『弥次喜多道中記夫婦篇 弥次喜多道中双六』(原作:十返舎一九、監督:千葉泰樹。小林桂樹、加東大介、乙羽信子、淡路恵子、徳川夢声、鶴田浩二、草笛光子、八千草薫、三木のり平、横山エンタツ、柳家金語楼、有島一郎、清川虹子、東野英治郎、堺駿二。1958)見る。最高。正編の『弥次喜多道中記』も見なければ→続いて『デート 〜恋とはどんなものかしら〜』。これまた最高。今期はこれと『◯○妻』の二本のコメディがあって救われているような気もする→夜2時頃就寝。
1月27日(火) 朝10時半起床→『弥次喜多道中記夫婦篇 弥次喜多道中双六』を再び→昼過ぎから呑み始め、『おかあさん』(脚本:水木洋子、監督:成瀬巳喜男。田中絹代、三島雅夫、香川京子、岡田英次、加東大介、沢村貞子。1952年)見て号泣。今後戦争が起きてもらいたくはないが、太平洋戦争の敗戦でなにかよかったことがあったかといえば、小さな幸せを味うことを知ったことではないかと思わせてくれた。負けたことでその味を知ったことを、豊かになったことで忘れてしまってはならないと思った。昼から呑みながら見ていうことではないが→泣きつかれて午睡→賄い当番。北海道土産のお陰でとてもよい晩になった→『全力離婚相談』見たのち、再び『おかあさん』。やはりまた泣く→続いて『月夜の傘』(原作:壷井栄、監督:久松静児。田中絹代、宇野重吉、轟夕起子、三島雅夫、飯田蝶子、坪内美詠子、新珠三千代、伊藤雄之助、東山千栄子。1955)見る。四家族のほのぼのとした日常と各家の主婦の井戸端会議を基調に、息子を戦争で亡くした老母の悲哀や、ちょっとした隙間に家庭の不和が入り込む様が描かれ、いろいろな感情を刺激された。いろいろなエピソードが重なっていて、一言では言い表せないが、見ていて気持ちのよい映画だったな。しかしこの頃の伊藤雄之助は、嶋田久作をとても彷彿とさせる風貌だ→朝方5時過ぎ就寝。
1月28日(水) 朝11時起床→朝食後、『柳家喬太郎のようこそ芸賓館』(柳家小満ん一門会。柳家さん生『亀田鵬斎』、柳家一九『富士の白雪』)と『草間彌生 わたしの富士山〜浮世絵版画への挑戦〜』見る→風呂→整形外科経由で代々木八幡→リズム&ブックスに立ち寄って本買ってから渋谷のカフェ・ボヘミアへ。サラーム海上さんの出張メイハネに参加。O形に加え、MリソルのM子嬢もご一緒。今回はベジタリアン寄り?で軽い感じだったが、珍しい料理の数々、しかも美味。楽しいイベントだった→お一人様が同席だったのであまりM子嬢とあまりお喋りができなかったので、帰りがけにドレスに寄るも、こちらも満員でお喋りは楽しめず。結局葡萄酒をがぶ飲みしただけであった→タクシーで帰宅。
1月29日(木) 昼頃起床。宿酔いで頭痛。あと背中が凝って痛いので午後も横臥→夜、〆切でテンパったO形のためにおむすび制作。結局計5合、7種類30個のおむすびを作った→久々に『ポゼッション』(原題:POSSESSION。アンジェイ・ズラウスキー。イザベル・アジャーニ、サム・ニール。1981)見る。頭おかしい。でも面白い→口直しに『笑点特大号』や『深夜食堂』の2、3シリーズなども見る→あと『問題のあるレストラン』。これはどんどん痛々しくなってくるのだが、それが故に目が離せなくもなってきている→朝方7時就寝。
1月30日(金) 昼過ぎ起床→おむすびの朝食後風呂→鮭の焼き冷ましと豆でビール→午睡→小一時間で起きて、晩の仕度。ホタテと甘えびの鍋(野菜は白菜、小松菜、玉葱、ニンジン、葱、えのき)。ほかに甘エビ刺身とエノキバター。残ってたおむすびに出汁をかけて〆→『ダメージ』(ルイ・マル。ジェレミー・アイアンズ、ジュリエット・ビノシュ。1993)見る。なにかに取り憑かれた人の物語だったり、螺旋階段が最後に出てきたりするところは、昨夜の『ポゼッション』と少しだけ似た印象があった→続けて『新日本紀行』の「廃墟」。展開が思ってたのと違っていたが、そうする理由もわかる気もした→『タモリ倶楽部』見て就寝。夜2時頃。そういえば江口寿史のツイートから、ジョン・カセールという人の絵が好きだったことを思い出した。
1月31日(土) 朝10時頃起床→整形外科。今週は月水と治療に行き、木金と休んだが、金曜の夜までは右膝に違和感なし。夜は違和感が増してちょっと寝付かれなかった。まだもう少しかかるかな→ビーバートザンでBD-R買って帰宅→午後何してたか思い出せないな。録画整理やFacebook対応か→木曜の朝からの背中の痛みがまだ続いているため、ライブのお誘いもあればハバナムーン最後の夜にも行きたかったが、夜も家でゆっくりすることにする→晩の仕込みしてから風呂→晩のお供に『ザ・マジックアワー』(三谷幸喜。佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、西田敏行、小日向文世、寺島進、戸田恵子、柳澤愼一。2008)見る。さすがに話を知ってると(見るの三回め)味わいは薄くなるが、終盤の柳澤愼一の独白にはやはり泣かせられる。繰り返し見ると味わいが薄くなるのは、笑いのセンスの所為か、役者の所為か。後者に関しては、同時代の人たちだから、というだけかもしれない→0時前就寝。

2015年01月21日

天満天神繁昌亭1月昼席

天満天神繁昌亭一月昼席(仲入り前まで)

以下、この日の演目。

桂三四郎・・・・・・家ほめ
桂亜か枝・・・・・・狸賽
笑福亭竹林・・・・・初天神
坂本頼光・・・・・・無声映画『血煙高田の馬場』(伊藤大輔監督、大河内傳次郎主演。1928)
桂楽珍・・・・・・・夏の医者
桂文之助・・・・・・般若寺の陰謀

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天満天神繁昌亭を初訪問(時間の都合で昼席仲入り前まで)。

同じ落語だし、東京でも馴染みのネタも多いのに、上方の寄席となるとまた東京とは高座も、参加型?の客席も雰囲気が違って面白かった(ただし参加型でないことも多いとのこと)。

笑福亭竹林の、天神様に連れてってくれないならと子供の寅ちゃんが向かいのおじさんに両親の閨の睦ごとをバラしてしまおうとするくだりなど爆笑。桂楽珍『夏の医者』、桂文之助『般若寺の陰謀』と、東京では聴けないネタも楽しんだ。

その中で東京からは坂本頼光が、『血煙高田の馬場』(伊藤大輔監督、大河内傳次郎主演。1928)の活弁で客をグッと惹きつけていたのもうれしかった。客席の雰囲気もよかったが、ひとつ前の席の女が二階席から身を乗り出してて高座が見えないことが多かったり、やたら身体を動かしたり、そしてその連れが靴を脱いでたのには閉口。まあほかにそういう人は見当たらなかったので、土地柄ではもちろんなく、特殊な人たちだろうと思う。

2015年01月20日

1月まとめ(11〜20日)

1月11日(日) 朝10時起床→新宿から東京駅に出て、よもだそばで一杯→お江戸日本橋亭へ。「不入りなら廃業!?  初笑い 快楽亭ブラック たったひとり会」見物。第一部は前座噺も含めて古典五席。自分の芸が日本で一番面白いと自ら思う五本、と言うだけあって、ブラックらしい古典を十二分に堪能。特に『七段目』や、石川五右衛門の芝居好きを強調した『お血脈』は格別だった→第一部のあと、時間潰すのにたいめいけんを覗いたら大行列だったので、会場近くに戻り餃子専門店で一杯。ここもまあまあ→第二部はブラック落語五席。いわゆる危ないネタ、不謹慎なネタも、その噺をその噺たらしめる要点や構造を際立たせる意味があるのだなあと、改めて思った。こちらも満足。「不入りなら廃業?!」という触れ込みだったが、まあそれは洒落ではあろうが、客の入りも昼夜ともにその心配はなかったようで安心した→木戸は「お気持ち」ということだったので、昼夜ともに三千円お渡しした→財布の残りがちょうど三千円になったので、どこかで一杯やって帰ろうと思うも、神田界隈もやってない店が多く、また客引きも多いので、御茶ノ水のほうまでぶらぶら歩き、結局立ち食い蕎麦でビール呑んで帰る→経堂駅前でサヴァンナのルリさんに遭遇。新年のご挨拶→帰宅後、『Hなえっちな変態SMクラブ』(原題:Personal Services。テリー・ジョーンズ。1987)、『サボテン・ブラザーズ』(原題:Three Amigos!。ジョン・ランディス。スティーヴ・マーティン、チェビー・チェイス、マーティン・ショート。1986)、『ジュマンジ』(原題:Jumanji。ジョー・ジョンストン。ロビン・ウィリアムズ、キルスティン・ダンスト、ボニー・ハント、ブラッドリー・ピアース。1995年)見ながら飲酒。『サボテン・ブラザーズ』は大いに笑った、いい映画だった。朝方5時頃就寝。
1月12日(月) 昼過ぎ起床。昨日変な食事だったので、今日は一日節食することにする→昨日のブラックの会の模様まとめ→大豆スープ作る→貧しい晩のお供に『ザスーラ』(原題:Zathura: A Space Adventure。ジョン・ファヴロー。ジョシュ・ハッチャーソン、ジョナ・ボボ、ダックス・シェパード、クリステン・スチュワート、ティム・ロビンス。2005)。『ジュマンジ』とどちらが好きかと言えば、僅差でこちらかな。多分恋愛が絡まず兄弟の話に集中しているからだと思う。それにしても両作を見比べると、1995年からの10年間で、CGの技術と表現力はだいぶ進歩したんだなあと実感する→『サボテン・ブラザース』については、三谷幸喜が「私が今まで見た映画のなかで、一番感銘を受けた作品は『サボテン・ブラザーズ』である」と言っているのか(出展:Wikipedia)。昨日見たとき、『マジック・アワー』に似てるなと思ったのだった→風呂→湯上がりのビール呑みながら、『僕の彼女はサイボーグ』(郭在容。綾瀬はるか、小出恵介。2008)見る。何も知らないで見始めて、韓国映画みたいだなあと思ってたら、『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』の郭在容の作品だった。相当うとうとしながら見たので伊武雅刀や蛭子能収や六平直政らゲスト出演陣を見逃したり、話のリズムを見失ったりという為体であったが、よい映画であることは感じた。もう一度ちゃんと見てみよう→朝方6時過ぎ就寝。
1月13日(火) 昼過ぎ起床→クルマ屋今日は休みのようなので、工場はやってるそうだが引き取りは明日にする→夕方整形外科→帰宅後遅い昼のついでに『兄貴の恋人』(森谷司郎。加山雄三、内藤洋子、酒井和歌子、中山麻理、白川由美。1968)見る。いいうちのお坊ちゃんで二枚目だが人の心がわからず鼻持ちならない加山雄三が、お坊ちゃんらしく不器用で馬鹿正直故モテるというどうでもいい話で(お坊ちゃん特有の鼻持ちならない感じはよく表せていたと思うが)、内藤洋子とロミ山田の謎のレズシーンとか豊浦美子がいつの間にか消えていたりとか酒井和歌子の兄の江原達怡の役割が中途半端とか回収されないおかしな部分も多々あったが、女優陣に加え人見明、宮口精二、清水紘治など役者は粒ぞろいで、また当時の風俗の活写も楽しく、面白く見た→風呂→『舞妓Haaaan!!!』(水田伸生。宮藤官九郎脚本。阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ。2007)見るが、見始めてすぐに辛くてやめてしまった。録画も消してしまったが、植木等最後の出演作品だったんだなあ。またやってたらがんばって見てみるか→本日開始のドラマ『ゴーストライター』も見るが、地に足が着いてない感じでこれもちょいとつらかった。中谷美紀の流行作家と水川あさみのもっさりした田舎出の作家志望の感じはよいと思ったが、主に文芸出版界の描き方(編集者含む)に抵抗を感じたのかな。そんな気がする→あとBS朝日の『ザ・インタビュー 加藤登紀子×ヤン・ヨンヒ』見つつ、その時点でかなり酔っ払ってたので、今まで考えてなかった加藤登紀子の人となりをいろいろ想像してみたりした(詳細は忘れた)→深夜就寝。
1月14日(水) 昼過ぎ起床→NHK『全力離婚相談』二回めの録画見る。これは思ったより地に足の着いた感じのドラマになってきたようだ→大豆効果あり→夕方整形外科経由ランドローバー三鷹。吉祥寺から武蔵境南口行きのバスに乗り吉野南という停留所で降りたが、もうひとつ先の大沢が一番近いそうだ。まあ次行くときは多分忘れているだろう→クルマはヒーターマトリックスが壊れた(新車で納車されて以来初めて)ほかはまあ普通の整備。ヒーターマトリックスとバッテリーの交換が、金額としてはでかいか→道もすいててすんなり帰宅。途中パワーラークスで久々に菊正宗を買ってみる(生酛上撰)→家の前まで着いたらS水さんのご主人がさつきちゃん(盲目の猫)を散歩させていて、ああゆっくりすれ違わなくちゃと思ったらアダンさんのクルマもやってきて、町内がいきなり大渋滞となり笑う(結局アダンさんに下がってもらった。感謝)→晩のお供に『オリエント急行殺人事件』(三谷幸喜。野村萬斎、松嶋菜々子、二宮和也、杏、玉木宏、沢村一樹、八木亜希子、青木さやか、富司純子、高橋克実、笹野高史、草笛光子、西田敏行、佐藤浩市。フジTV)の第一夜と第二夜を続けて見たが、なんのひねりもない割に長過ぎるし、こんだけの尺で作った割には登場人物ひとりひとりの背景が“面白くは”伝わってこない。第二夜で原作にはない独自の物語を「犯人の視点で再び事件を振り返り」書いたということだが、その発想は別にして、こういう結果なら別に脚本は三谷幸喜じゃなくてもよかったんじゃないか、と思った。わざわざこういう風に作ったことの面白みが、私にはわからなかったなー。個々の役者の芝居など、計六時間近い時間を途中でやめずに見させる魅力はまああったとは思うが、CMが多いのも見ていて疲れた。残念でした→夜2時頃就寝。
1月15日(木) 昼過ぎ起床。もっと早く起きられた気もする→『◯○妻』(遊川和彦。柴崎コウ、東山紀之、黒木瞳。日テレ)見る。不穏さと不気味さの中にほんの少しの可笑し味がよい塩梅で感じられて、これは面白いかもしれないと思った→続いて『残念な夫。』(山崎宇子、阿相クミコ。玉木宏、倉科カナ、大塚寧々、岸谷五朗。フジTV)見るが、こちらは無理に可笑しくしようとするその手法がお歯に合わない。これは見ないな→夕方風呂→久々にさばのゆ。前田一知と坂本頼光の二人会→前田一知は『時うどん』と『御公家女房』、坂本頼光は『豪勇ロイド』と『鳥邊山心中』の活弁。あとはふたりで活動弁士についてのお喋りと、映画『活弁物語』の抜粋上映+解説。思ってたよりしっかりと地に足が着いた催しだったのと、主に坂本頼光の映画と活弁に関する話(というか、そもそも抱いている思い)の深さに感銘を受けた→打ち上げも、ほとんど前田坂本の会話をひたすら聴くという感じだったが、面白かったなー→須田さんに大阪北部(というか梅田周辺)の呑みどころを教えてもらい帰宅→これまた新ドラマ『問題のあるレストラン』(坂元裕二。真木よう子、二階堂ふみ、高畑充希、YOU、東出昌大、杉本哲太、吹越満。フジTV)見ながらカップラーメン食べて就寝。『問題のあるレストラン』は、重たそうな内容とそれに似合わぬ軽薄な描き方のバランスの悪さを、真木よう子がどうまとめ得るか、というところに興味があるな。うまくまとまったらそれは真木よう子の凄さだし、まとまらなくても仕方がないと思う→夜1時過ぎ就寝。
1月16日(金) 朝7時起床→昨夜の会の模様をまとめ。取り敢えずブログのほうではなくFacebookの落語総見のほうに投稿→慌てて仕度して北千住へ→新年初の金継ぎ教室。今日はひたすらはみ出した刻苧を削って磨いた。かなり没頭する作業→北千住駅前の蕎麦屋で一杯→つくばエクスプレスで浅草へ。北千住からたった二駅で、しかも演芸ホールのすぐそばに出る。あな恐ろしや→演芸ホール正月二之席は芸協の芝居。新山ひでや・やすこや東京丸・京平の漫才、春風亭昇太の『時そば』、江戸家まねき猫のものまね、桂米助の『落語禁止法』などは大変面白かったが、正月らしい華やかさはほとんど残ってなかったし、退屈した漫談も多く、あと三遊亭笑遊の寿司屋をネタにした漫談(『寿司屋は楽し』という題のお馴染みの噺のようだ)の材の扱い方が古くさいだけじゃなくてなんかいやな感じだったりして、些か疲れた。客も、少したちの悪いのがいたな→特にどこにも寄らずに帰宅→晩のお供に『赤と黒のゲキジョースペシャルドラマ 上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』(黒岩勉。竹内結子、斎藤工、竹中直人、草刈正雄、高畑淳子、桂文枝。フジTV)見る。ご都合主義が鼻についたが面白くはあった、あるいは面白かったがご都合主義が鼻についた。さあどちらか。竹内結子は大変よろしいと思った→深夜3時過ぎ就寝。
1月17日(土) 昼過ぎ起床→朝飯と昼飯をだらだらと食べながら、『タモリ倶楽部』(空耳大賞後半)、『ウロボロス この愛こそ、正義』(原作:神崎裕也『ウロボロス 警察ヲ裁クハ我ニアリ』、脚本:古家和尚。生田斗真、小栗旬、上野樹里、光石研、滝藤賢一、吉田鋼太郎、中村橋之助、広末涼子。TBS)、『柳家喬太郎のようこそ芸賓館』(BS11)見る。『ウロボロス』は話の中心である生田斗真と小栗旬の描かれ方がなんだかダサいが、その割には面白そうではある。『芸賓館』は、喬太郎が『母恋くらげ』。タコやイカやアナゴやカレイやヒラメ、そしてクラゲの所作、小学生(なぜか古典落後風の人物が出てくる)とバスガイドのやり取り、母と子の人情と、妙なる塩梅に重層なところが面白かった→風呂→『煙突の見える場所』(原作:椎名麟三『無邪気な人々』、監督:五所平之助。上原謙、田中絹代、芥川比呂志、高峰秀子。1953)見る。原作の題名の通りの“無邪気な人々”が、無邪気な人々なりの悩みを抱えて生きていく様にしみじみ感銘を受けた。そういう類いの、それがうまく描けている物語は好きだなあ。お化け煙突の映像にもなんだか興奮した→腹一杯になって就寝。夜0時頃。
1月18日(日) 昼2時起床。夜中に起きて『週刊真木よう子』二話分と『深夜食堂』見て呑み始めたので、寝坊と相成った→NHK『『満月の夕』〜震災で紡がれた歌の20年〜』見る。この歌が出来上がり、また歌い継がれてきた背景がよくわかるよい番組だった。しかしその一方、ソウル・フラワー・ユニオンへの苦手意識は払拭できず。これは自分自身の問題だが→O形Webサイト更新→『週刊真木よう子』の残り見ながら飲酒開始。まあ面白いが保存するほどではないかと思い消去→O形も飲酒に参加したので『江分利満氏の優雅な生活』再見→それから『大当り狸御殿』(佐伯幸三。雪村いづみ、美空ひばり、山田真二。1958)途中で寝てしまったし、まあ話はどうでもいい映画だが、ミヤコ蝶々・南都雄二、中田ダイマル・ラケット、トニー谷、浜村美智子が動き喋り歌う姿が見られるのはうれしい→新年初の『ヨルタモリ』、マツコ・デラックスは持ってるものは面白い、と今日初めて思った。話芸が最近とみに面白くないなと思ってたのは思ってた通り→夜0時頃就寝。
1月19日(月) 朝10時起床。ステッパー10分。血圧が高い→昨年末に書いた高柳昌行作品10点の紹介文がようやく公開された→午後灯油買いに行っていったん戻ってから整形外科→買物後軽くなにか食べようと思ったが、花坊とまことやにふられ、久々に夢亀へ。やはり豚骨ラーメンだとここがうまい。今日は呑まないつもりだったが、ビール呑んだらそれだけでは収まらず、黒糖焼酎の珊瑚を二杯→帰宅後午睡→夜10時頃起床→風呂→朝まで呑みながら、『花のお江戸の法界坊』(久松静児。フランキー堺、平幹二朗、伴淳三郎、岡田茉莉子、有島一郎、田崎潤、三木のり平、山茶花究、榎本健一、淡路恵子。1965)、『デート 〜恋とはどんなものかしら〜』(古沢良太。杏、長谷川博己、国仲涼子、和久井映見、風吹ジュン、松重豊。フジTV)、『深夜食堂』見る。『花のお江戸の法界坊』は大傑作だな。『デート』は意外に今期一番面白いかもしれない→朝7時過ぎ就寝。
1月20日(火) 昼1時過ぎ起床→O形告知関連→『恋のロンドン協奏曲』(原題:You Will Meet a Tall Dark Stranger。監督:ウッディ・アレン。アントニオ・バンデラス、ジョシュ・ブローリン、アンソニー・ホプキンス、ナオミ・ワッツ。2010年)、『深夜食堂3』の最終話など見る→順序違うが、夕方整形外科。保険屋は「整形外科が1月いっぱいで治療を終了すると言っていた」というが、整形外科ではリハビリのみで特になにも言及なし。どうなってる?→夕方早めに寝るつもりが、旅支度などしつつ、結局1時過ぎ就寝。

2015年01月16日

浅草演芸ホール正月二之席後半昼夜

浅草演芸ホール正月二之席後半(昼席仲入り後から夜席トリまで)

昼席仲入り中に入場。それ以降の演目。

桂歌助・・・・・・・小噺の応酬、桃太郎、踊り・奴さんと姉さん
新山ひでや・やすこ
 ・・・・・・・・・漫才
柳亭楽輔・・・・・・漫談
春風亭小柳枝・・・・替わり目
ボンボンブラザース
 ・・・・・・・・・曲芸
春風亭昇太・・・・・時そば

-夜席
桂竹のこ・・・・・・小噺
桂翔丸・・・・・・・他行
江戸家まねき猫・・・ものまね
柳家小蝠・・・・・・女給の文
笑福亭里光・・・・・秘伝書
三遊亭遊喜・・・・・熊の皮
北見翼・・・・・・・マジック
三遊亭春馬・・・・・猫の皿
春風亭柳好・・・・・鰻屋
ぴろき・・・・・・・ギタレレ漫談
桂南なん・・・・・・真田小僧
三遊亭笑遊・・・・・漫談(寿司屋は楽し)
やなぎ南玉・・・・・曲ごま
昔昔亭桃太郎・・・・浮世床
(仲入り)
桂竹丸・・・・・・・村橋久成
東京丸・京平・・・・漫才
桂富丸・・・・・・・老稚園
三笑亭夢太朗・・・・漫談
北見伸・・・・・・・マジック
桂歌春・・・・・・・漫談
三遊亭遊三・・・・・親子酒
東京ボーイズ・・・・歌謡漫談
桂米助・・・・・・・落語禁止法

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2015年01月15日

前田一知、坂本頼光の二人会

於経堂さばのゆ

前田一知・・・・・・時うどん
坂本頼光・・・・・・豪勇ロイド(フレッド・ニューメイヤー。ハロルド・ロイド。1923)
前田一知、坂本頼光トークおよび『活弁物語』抜粋(福田晴一。伴淳三郎、花菱アチャコ、徳川夢声。1957)
(仲入り)
前田一知・・・・・・御公家女房
坂本頼光・・・・・・鳥邊山心中(冬島泰三。林長二郎(長谷川一夫)、高田浩吉。1928)

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前田一知は故桂枝雀のご子息で、バンド活動や演劇活動の傍らときおり落語の活動も(昨晩のご本人曰く「アマチュアとして」)行っておられたようだが、ここ1〜2年くらいの間に落語の活動も活発になり、今では東京はさばのゆや道楽亭、大阪はさばのゆ温泉、神戸はホッとスタジオなどで、定期的に自分の会を催している(直近の会の予定を見ると、桂九雀、月亭遊方、東京の二ツ目らと共演する会もあり)。

声の感じや芸風が桂枝雀の小米時代を彷彿とさせる、という評もあるが、私は残念ながら小米時代を聴いていないのでわからない。が、昨夜聴いた『時うどん』や『御公家女房』(『たらちね』の親戚のような噺)はかなりしっかりと地に足が着いた感じの、落ち着いて聴ける古典で、変に無理矢理な笑いを入れ込むこともなく、元々の噺の妙味をじっくり味わえるものだった(彼の演る古典を聴いたのは初めてだったので、ちょっと驚いた)。

芸界の団体に所属し落語を専門に活動している方々と同列に語ることはできないとは思うが(その辺のニュアンスをお伝えするのは難しく、だからダメとかそういう話ではない)、どの会派にも属していない分、却って得難い芸に触れさせてくれるのではないかと思った。またそうなるよう、長く続けられることを期待する。

坂本頼光はオリジナルのネタ『サザザさん』などでも知られる(今や日本に十人しかいない)活動写真弁士(のひとり)だが、この日は『豪勇ロイド』(フレッド・ニューメイヤー。ハロルド・ロイド。1923)と『鳥邊山心中』(冬島泰三。林長二郎(長谷川一夫)、高田浩吉。1928)の二本を、実に小気味のいい間の活弁で楽しませてくれた。

活弁付きの無声映画を観たのは実に久し振りだったが、台詞音声のない映画に新しい命が吹き込まれる瞬間を久々に目撃し、大変感銘を受けた。坂本頼光も、ふだんは快楽亭の会などで疲労される際どいネタに触れることがほとんどなので、この日はそういうネタのもの凄さを裏打ちする芸の力を再認識。坂本頼光もまた、なかなか得難い芸人だと思う。

各々二席に加え、仲入り前と終演後の打ち上げ時に『活弁物語』(福田晴一。伴淳三郎、花菱アチャコ、徳川夢声。1957)の抜粋上映なども交えながら、無声映画と活動写真弁士に関するお喋りも繰り広げられ、これがまた初歩的な知識から深い内容まで渦を巻くもので、会場のさばのゆは私の家の近所なので雨上がりにちょいと気軽に一杯やるつもりで寄ったにしては、かなりずっしりといろいろなものを受け取った次第。

この二人会は不定期にでも続けるそうなので、次の機会も楽しみだ。

2015年01月11日

不入りなら廃業!?  初笑い 快楽亭ブラック たったひとり会

於お江戸日本橋亭。第一部(昼)、第二部(夜)の両方を見物。

この日の演目。

・第一部
正月丁稚
権助魚
お若伊之助(根岸御行の松狸塚由来の一席)
(仲入り)
七段目
お血脈

・第二部
羽団扇
演歌息子
イメクラ五人廻し
(仲入り)
聖水番屋
おまん公社

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木戸も前座もすべて快楽亭ブラック(木戸は福田秀文、前座は立川ワシントン名義)がひとりで担うという触れ込み。実際は弟子(多分ブラ坊)が手伝っていたし、めくりもないのでどこまでがワシントンかも曖昧だったが、ほぼすべてひとりで仕切っていた、というのは間違いない。

会の名に「不入りなら廃業!?」とあり、また宣伝惹句に「不入りでしたら16年以降、名古屋芸人になるか、廃業するか、東京では落語家活動は辞めます」とあったので、まあ半分は洒落だろうが、気になるので出かけてみた次第。結果的には昼も夜も八割くらいの入り〜ほぼ満員だったので、その心配はなかったようで安心した。

ちなみにほぼひとりで仕切るのに加え、木戸銭も「お気持ち」であった。捉え方にもよると思うが、噺家がこんなに厳しい姿勢で臨む会も滅多になかろうと、素人としては思う(もちろん他の噺家が気を抜いているとかそういう意味ではない)。木戸銭については、快楽亭ほどの芸での独演会ということと会場の規模から考えて、三千円くらいがひとつの目安だろうと思い、たまたまそれくらいは財布にあったので、昼夜ともに三千円ずつお渡しした。

ちなみにすべてひとりで担ったり「不入りなら廃業!?」と謳った背景には、立川左談次や川柳川柳らを伴ったお江戸日本橋亭での会(2014.11.18)や、満を持したはずの今年正月の名古屋大須・お馬のおやこでの四日間全8回の興行(ゲストに日替わりでジキジキ、立川談之助、坂本頼光、 宝井駿之介、立川左談次、桂ぽんぽ娘ら)の不入りがあったという。

#その後快楽亭のブログを辿ってみたら、この会の主旨を決めたのはこの会だったようだ→ http://kairakuteiblack.blog19.fc2.com/blog-entry-3317.html なので本文一部修正。

さてまず第一部、『正月丁稚』は不勉強ながら初めて聴く噺だったので、肝がどこかをつかめずだらっと聴いてしまったが、上方の噺を流暢な上方言葉でさらりと演るところはさすがと思う。

続く『権助魚』は元の噺に忠実に演りながら、桂某や立川某の(ここには書けない)暴露話を差し挟みつつ、ブラック風味に。

『お若伊之助』はくすぐりをほとんど入れず、元々の噺の面白さを味わわせてくれた。

仲入り後は『七段目』『お血脈』と続けたが、『七段目』のマクラで某歌舞伎俳優のSM好きを暴露しつつ(もっともその俳優自身が大手媒体で告白しているそうだが)、その俳優に快楽亭が仕掛けた悪戯を話したりすることで、結果的に芝居にのめり込むことの変態性の可笑しさを強調していたり、『お血脈』では善光寺に向かった五右衛門が安いビジネスホテル泊まって欲情してマッサージを呼び〜といったくだりでサゲに向かい場面での五右衛門の芝居好きを際立たせていたりなど、一見ただ“危ないくすぐり”を入れただけのように見せかけてその実噺の肝の部分を強く印象づける効果を上げていることに、改めて気付いた。この種の噺での芝居振りのうまさももちろん魅力だが、そういう計算があってのくすぐりの挿入も、快楽亭の芸の大きな魅力なんだなと思う。

第二部は、まずは『羽団扇』。上方から伝わった『天狗裁き』は割とよく聴くが、『羽団扇』は珍しい。談志直伝だろうと思うが、七福神に自分も加わって、こりゃ8Pだ、8Pニューイヤー、などといったくだりはブラック独自ではなかろうか(知らないだけかもしれないが)。そのくだりを入れることによって弁天に起こされるところに多少の色気が生じ、初夢がおめでたい淫夢というところが妙味だった。

続く『演歌息子』は、川柳『ガーコン』を逆さまにした導入部が可笑しい。日本と中国、日本と韓国、米国と日本、白人と黒人など様々な差別をネタにしているがその差別ネタが入れ子構造になっていて、差別という行為(をする人間)そのもののバカバカしさが滲み出てくるようなところが、さしづめ差別の戯画化だなと思った。

続いて『イメクラ五人廻し』。三人目の良子皇太后のくだりでの「おしゃぶりくださる」という言い回しに爆笑。その他全体的に、相変わらずの破壊力を堪能した。

仲入り後は『聖水番屋』と『おまん公社』。『聖水番屋』も『イメクラ五人廻し』と同じで、変態の変態ならではの淫靡さや猥雑さを聴いているこちらに多少の劣情を催させるくらいには残しつつ、全体的には変態を相対化するような手際を楽しんだ。これまた変態の戯画化なんだなと改めて思う。

『おまん公社』は何度も聴いているし、今となっては最初に聴いたときの衝撃があるわけではないのだが、権力機構のバカバカしさを笑うという意味では今なお力を感じる。『ぜんざい公社』からの改作は、大きな意味があったと思う。

2015年01月10日

1月まとめ(1〜10日)

1月1日(木) 朝9時半起床→風呂→雑煮食べてから予定より一時間遅れで老父宅(吉祥寺からタクシー乗った)。一年ぶりに会う姉が五貫目くらい痩せていてびっくり。運動で落としたという→楽しく呑んで夕方おいとま→帰宅後ちょっと仮眠してから風呂→大晦日の年忘れにっぽんの歌からバカな箇所抜粋編集し(ほとんどは消去)、紅白など年末年始の番組を一応録画したものも消去→歌う時代劇特集で録画した『飛び出した女大名』(安田公義、1961)見る。やっとお正月気分になった→夜11時過ぎ就寝。
1月2日(金) 朝9時半起床。初夢は“取引先に印刷物の企画を持って行ったらしかられながらも仕事になった”と“長い棒を持った狼藉者と一升瓶で闘い、相手の棒を捉まえて押し返して撃退”の二本立て→ステッパー10分→『濡れ髪剣法』(加戸敏、1958年)や演芸番組の録画見ながら、終日お節とお雑煮の始末→夕方、ようやく灯油買いに出る。あと酒も→寝込んでるO形にお粥など作ってから風呂→テレビ東京の『新春! お笑い名人寄席』見ながら晩。女子プロレスの余興や大林素子(これはギリギリ)も含めてとても面白く見たが、林家三平と春風亭小朝のつまらなさは一体なんだろう。東京の演芸界はあれをよしとしているのだろうか→夜1時頃就寝。
1月3日(土) 目が覚めてしまったので、朝までB電子の原稿書く。正月一発目は取り敢えず完了→朝7時頃再び就寝→朝11時起床→やや遅れて吉祥寺-武蔵小金井経由で滝山団地。まずはO形の元大家のおばあちゃんにお年賀→それからO形実家にお年賀。Gんちゃんのお嫁さんにもようやくご挨拶できた。あとは飲酒と楽しいお喋り。やや呑み過ぎた割りにはあまり食べなかったかもしれない→夕方おいとま。武蔵小金井までお姉さんご夫婦にクルマで送っていただき、平和に電車で帰宅→帰宅後即就寝。夜中に起きて珈琲と白湯飲んだらちょっと戻す。やはり食べなさ過ぎだったかもしれぬ→再び就寝。
1月4日(日) 朝11時頃まで寝ていた。夜中に目が覚めた時間も勘定に入れたら、12時間以上だ→『歌う弥次喜多 黄金道中』(大曾根辰保、1957)見る。高田浩吉に伴淳三郎に高峰三枝子、花菱アチャコや中村メイコやトニー谷も出れば、広沢虎造に小坂一也に島倉千代子、さらに堺駿二にミヤコ蝶々南都雄二、当時の人気力士の東富士まで出てるという豪華キャスト(準主役に子役のシリア・ポールも出演)ながら、間延びした演出がなんとものんびりとした一作だった。これまたお正月っぽい→O形が黒豆を圧力鍋で煮直したら、なかなかよい出来→テレビ東京『新春! お笑い名人寄席』を再見。O形に三平と小朝の惨状を味わってもらう→演芸番組の録画をいくつか見てから、O形サイト更新→風呂→『唄祭ロマンス道中』(佐伯幸三、1960)見ながら晩。旅籠・鳴戸屋でいろんな人が入れ違いになる場面など、ただ歌う時代劇というだけでなく、なかなかよくできていたと思う。役者もほんとうにいいなあ→夜1時頃就寝。
1月5日(月) 昼過ぎ起床。ステッパー10分→『蘇州夜曲(“支那の夜”より)』(伏水修。長谷川一夫、李香蘭。1940)見る。大陸三部作の中の『支那の夜』を、戦後30分ほどカットして『蘇州夜曲』として公開された版。日中関係も念頭に置くといろいろ考えさせられる映画だが、挿入歌の『支那の夜』と『蘇州夜曲』がすべてを優しく妖しく包み込んでしまう、という印象。政治的にだけ語るべき映画ではないと思った→B電子原稿修正→接待バンドで次にスティーヴィーの『Superstition』をやるというので、イントロをギター二本で検討して録音してみたりする→あっ整形外科初日をさぼってしまった。さすがに治療が年末年始で十日空いたので、右膝の違和感は12月初旬くらいの状況(急に寒くなって悪化)に戻っている。明日は治療行かなきゃ→風呂→晩の肴に『熱砂の誓ひ』(渡辺邦男。長谷川一夫、李香蘭。1940)見る。これもラブロマンスとされているようだが、『蘇州夜曲』(支那の夜)よりもずっと政治的というか国策映画的であった。まあ全部嘘ではないと思うが、視点は日本側からに偏っているのだろう→餅はまだ山のようにあるものの、雑煮の出汁をばはや枯れ果てつ、お節の残りで口開けしたがこれも乏しく、海苔やらチーズやらで適当に肴をでっち上げたのち、〆は冷蔵庫の中身の都合でスパゲティナポリタン。なんだか中途半端に正月が終わろうとしている→夜2時頃就寝。
1月6日(火) 朝8時起床。ステッパー10分→整形外科経由浅草→まずは浅草神社にて初詣、それから水口食堂で一杯→演芸ホールで二年ぶりの初席見物(二年前は末廣亭に行き、去年は一月は寄席に行かなかった)。やっぱり寄席の初席はいいな。お馴染みのネタの刈りに刈り込んだのを聞かせてもらえるのもいいし、歌、踊り、ものまね、南京玉簾などの伝統芸、着物自慢、その他よくわからないネタなど、こんなときしかやらないだろう寄席芸に遭遇できるのもよい。二部の仲入り後から四部までたっぷり堪能。さすがに正月六日ともなると、四部のお客はとても少なくなり寂しい→とてもひさびさにあづまで純レバ炒めと餃子で一杯。〆にラーメン。ここの親爺さんは人柄がいいな。よい浅草人→平和に電車で帰宅。帰宅後即就寝。
1月7日(水) 朝9時半起床→クルマで老父宅へ。買物付き添いと昼。門松秀樹『明治維新と幕臣—「ノンキャリア」の底力』(中公新書)という本を教えてもらう→帰途、クルマをランドローバー三鷹に預ける。12ヶ月点検→帰り歩き始めて気付いたが、ランドローバー三鷹の移転はより西への移動だった。東に移動し深大寺に近くなったと勘違いしていた→人見街道を歩いているうちにバス停があったのでバスで吉祥寺→いせやで一杯はやらず、電車で経堂に戻り、整形外科→教えてもらった本買って帰宅→風呂→晩のお供に『でんきくらげ』(増村保造。渥美マリ、川津祐介、西村晃、根岸明美、中原早苗、玉川良一。1970)、『でんきくらげ・可愛い悪魔』(臼坂礼次郎。渥美マリ、平泉征、草野大吾。1970)、『しびれくらげ』(増村保造。渥美マリ、田村亮、玉川良一、川津祐介、根岸明美。1970)見る。軟体動物シリーズで見ると、『いそぎんちゃく』『続・いそぎんちゃく』『でんきくらげ』『夜のいそぎんちゃく』までと、そのあとの『でんきくらげ・可愛い悪魔』『しびれくらげ』は傾向が違うのかな。すべて撮ったのは二年の間だし、監督は増村保造と臼坂礼次郎は後半二作も撮ってるのだが。いろいろ考えたくなるシリーズ→夜0時就寝。
1月8日(木) 昼1時起床→起きたらTVで『初春狸御殿』(木村恵吾。市川雷蔵、若尾文子、勝新太郎。1959)やってたので途中からだが見る。DVD持ってるので見なくてもよいのだが、お正月っぽくて楽しいのでついつい最後まで見てしまった→NHK『全力離婚相談』の第一回めも見る。江藤直子が音楽。場面場面の感情を実に的確に表現しているなあと思ったし、また『あまちゃん』の音楽にいかに深く尽力していたかが改めてわかった。冒頭と最後のキモの部分で中村まり&ロンサム・ストリングスの『The Cuckoo Bird』がかかったのでびっくり。あとクレジットはなかったが『Viola Lee Blues』も一部使われてたな→B電子原稿→夕方久々に明月館で焼肉。イカ焼きを初めて頼んだが、これもまたうまかった。これだけで結構おなかにたまってしまうが→小田キューOXで買物して帰宅→お食後にアイスクリーム食べてしばし横になる→つもりだったが、そのまま寝ることにする。よる11時過ぎ就寝。
1月9日(金) 朝11時半起床→午後風呂→夕方整形外科経由で、まずは恵比寿トラウマリスにて片山真理展《you're mine》見物。自分の中に感想やその他何かが生まれるには、もう何回か見る必要があるな。この日はギャラリー主や作家ご本人がいらして話し始めて飲酒に移ってしまったので、またゆっくり見に来ようと思う。話は、西桐画伯のことや真理ちゃんの風呂話などで笑う。たいそう楽しい時間を過ごせた→歩いて渋谷。恵比寿から山手線の西側の通りを歩いて渋谷に向かう途中、並木橋の手前のゴミ焼却場の辺りの人気のないところは、前を歩いていたり前から歩いてきたりする目つきの悪い男がとつぜん立ち止まってこちらを見たりするので、なんだか不気味だ→久々にMary Janeに寄りアンチョビピザで一杯。ここももう近々なくなってしまうのだ→続いてドレスに寄る。S石君いてびっくり。役員になったそうでめでたい。部下の人と呑みに来てたが、部下の人がネオナチ好きで、学生のころ国家社会主義を研究していたというので最初は国家社会主義全般を研究していたのかと思ったら、どうもナチス・ドイツのT4作戦を賛美する内容の論文を書いたという。あまり無邪気にそういうことを言われても困るので、“社会的弱者も含めて自分の周囲にもっと優しい目を向けるべきだ”、“研究するなら対象をいろいろな距離、角度から眺めなければダメだ”と意見した。初対面だし時間もないし、いきなり議論に持ち込むわけにも行かないので、どんな考え方に興味を持ったりするのかはある程度自由だけれど、あまり視野を狭くしてひとつの考え方に拘泥してはいけない、と伝えるに留めた次第だが、正しく伝わっただろうか。また私の対応は正しかっただろうか→ドレスで赤葡萄酒二本呑んだのちスタジオ・ペンタへ。接待セッション。スティーヴィー・ワンダーの『Superstition』を演ったが、最後にはまあまあな感じになって楽しかった。でも最初からずっと泥酔の趣きあり→再びドレスに寄り、ハイボール二杯呑んでおみやにプリン買って平和に電車で帰宅→帰宅後即就寝。
1月10日(土) 宿酔いではないが疲れたので昼過ぎまで惰眠。整形外科さぼった→『夢は夜ひらく』(野口晴康。園まり、高橋英樹、渡哲也、山本陽子、ザ・ドリフターズ。1967)見る。まあどうということのない映画だが、見ていて楽しくはあった→せっかくなのでいろんな人の歌唱の『夢は夜ひらく』を掘ってみた。藤竜也のが異様にカッコよい→呑まないつもりが結局呑むことにして、『江分利満氏の優雅な生活』(岡本喜八。小林桂樹、新珠三千代、東野英治郎。1963)見る。戦争など社会の状況に翻弄される人生という重たいテーマを、アニメーションや合成、その他特殊な編集手法でもって軽やかに描いているところがよかった→続いて『清作の妻』(増村保造。若尾文子、田村高廣、小沢昭一、殿山泰司。1965)見る。自分たちのなにかを安定させるために、集団の中の一番弱いところを容赦なくしかし悪気なく攻撃する人間の特性を、改めて考えさせられる。今現在の状況だって同じようなものだし、この映画で描かれてるくらいに深刻になる可能性だって十分高い。後味は悪いが、清作の「お前が目を突いてくれたお陰で、バカな模範青年であることから抜け出せたんだ」という台詞には救いがあると思う→風呂→湯上がりのビール呑みながら、ようこそ芸賓館の落語教育委員会今年の第一回め見る。コント『文七元結』と楽屋のお喋り、三遊亭歌武蔵の『甲府ぃ』→続いて『日本の話芸』の三遊亭遊三『寝床』も見る。旦那の人のよさがしみじみと感じられる『寝床』だった→朝方5時就寝。

2015年01月06日

浅草演芸ホール正月初席

浅草演芸ホール正月初席後半(二部仲入り後から四部まで)

二部仲入り中に入場。それ以降のこの日の演目。

昭和こいる・あした順子
 ・・・・・・・・・漫才
金原亭世之介・・・・名人ものまね
三遊亭歌之介・・・・漫談
柳家小満ん・・・・・替わり目
大空遊平・かほり・・漫才
三遊亭圓歌・・・・・中澤家の人々
林家木久蔵・・・・・漫談
アサダ二世・・・・・マジック
春風亭小朝・・・・・荒茶

(三部)
三遊亭小歌・・・・・漫談
三遊亭多歌介・・・・漫談
三遊亭金也・・・・・漫談
林家二楽・・・・・・紙切り
三遊亭歌武蔵・・・・漫談
林家正蔵・・・・・・小噺
(仲入り)
柳家小せん・・・・・犬の目
ペペ桜井・・・・・・ギター漫談
古今亭文菊・・・・・漫談
林家三平・・・・・・漫談
柳家小里ん・・・・・手紙無筆
花島世津子・・・・・マジック
鈴々舎馬風・・・・・漫談
(仲入り)
三遊亭歌る多・・・・松づくし(美るく、日るね)
古今亭菊丸・・・・・親子酒
ホンキートンク・・・漫才
春風亭一之輔・・・・味噌豆
五街道雲助・・・・・子ほめ
橘家半蔵・・・・・・小噺
三遊亭小円歌・・・・三味線漫談、踊り・芸者さん
柳亭市馬・・・・・・行司のものまね、相撲甚句

(四部)
柳家小きん・・・・・漫談
金原亭駒三・・・・・漫談
すず風にゃん子・金魚
 ・・・・・・・・・漫才
入船亭扇辰・・・・・お血脈
(仲入り)
太神楽社中・・・・・寿獅子
柳家花緑・・・・・・漫談
林家たい平・・・・・漫談
江戸家猫八・小猫・・ものまね
三遊亭金馬・・・・・紙入れ
三遊亭小金馬・・・・小言念仏
柳家喜多八・・・・・漫談
(仲入り)
春風亭百栄・・・・・漫談
林家正楽・・・・・・紙切り
柳家三三・・・・・・漫談
柳家さん吉・・・・・漫談
笑組・・・・・・・・南京玉すだれ
柳家一琴・・・・・・漫談
柳家小さん・・・・・漫談
隅田川馬石・・・・・鰻屋
三増紋之助・・・・・曲ごま
桂文生・・・・・・・漫談
鈴々舎馬桜・・・・・踊り・芸者の一日(梅にも春より)
大瀬ゆめじ・・・・・漫談
林家種平・・・・・・お忘れ物承り所
柳家権太楼・・・・・町内の若い衆
桃月庵白酒・・・・・ざる屋
ダーク広和・・・・・マジック
柳家喬志郎・・・・・ルビー婚
柳家はん治・・・・・漫談
柳家小菊・・・・・・粋曲
柳家さん喬・・・・・抜け雀

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やっぱり寄席の初席はいいな。お馴染みのネタの刈りに刈り込んだのを聞かせてもらえるのもいいし、歌、踊り、ものまね、南京玉簾などの伝統芸、着物自慢、その他よくわからないネタなど、こんなときしかやらないだろう寄席芸に遭遇できるのもよい。

この日印象的だったのは以下の通り。

・世之介は名人ものまね。林家彦六と立川談志の、高座に登場し座布団に座って挨拶するまで。
・アサダ二世は、お年玉だと言ってトランプを次々に客席(二階席も含む)に投げていた。そのよく飛ぶこと。
・歌る多の、美るく、日るねを従えた松づくしは、少し危なっかしい感じもあったものの、お正月らしくとても艶やかだった。
・一之輔の『味噌豆』、ここ数年で聴いた『味噌豆』の中では一番。初歩的なネタなのにとても妙なる味わいがあった。
・小円歌は、太鼓に前座の林家けい木を従えて、久し振りに「つんつるてんの着物で〜」を聴けた(ネタおろしと言って演った2012年東洋館の初席以来)。依然題名不肖につき、落語協会に問い合わせ中。あと踊りは『芸者さん』
・市馬は相撲の行司のものまねと初物尽くしの相撲甚句。さすがにいい喉。
・扇辰『お血脈』、現代的なくすぐりも入れつつ、お正月らしい清澄な趣きで心地よかった。
・猫八・小猫親子は鶴の夫婦、亀(の交尾中の声)、羊の親子、鷹、うぐいす、盛りのついた猫、手長猿という献立。目出たいやら可笑しいやら。小猫が高座に上がるようになってから、江戸家はほんとうに面白いと思う。
・金馬『紙入れ』は、全体に賑やかな初席の中で、さすがの貫禄といった落ち着きのある芸を味わえた。
・喜多八の漫談は酒の呑み方(コップになみなみと注がれた酒をまずどうやって呑み、受け皿にこぼれた酒をどうやってコップに戻すか、など)をぼやきながら説明するだけで妙に可笑しい。
・さん吉は高座に飾ってある清酒金婚の紹介と(演芸ホールのロビーで買えるらしい)、着物自慢。着物はどなたの作かはメモし忘れたが、俵屋宗達の風神雷神を白黒反転させて染め抜いたもの。高座でわざわざ脱いで広げて見せてくれた。
・笑組は恒例の南京玉簾。元へと返すところでなかなか閉じないのが相変わらず可笑しい。
・馬桜は「上がったらもう降りる時間だから、ちょっと踊るだけで」と、『梅にも春』を伴奏に芸者の一日を描写した踊りをひと舞い。
・権太楼はマクラもそこそこに『町内の若い衆』をきっちりと。
・喬志郎も上がるやいきなりネタに入り『ルビー婚』。これはちょっとこの時間の深さにはきついなあ、というぎこちなさだったかな。
・トリのさん喬『抜け雀』も、ほんの少し駆け足感はあったものの、お正月らしい清々しい高座だった。すーっと気持ちよく演芸ホールをあとにできた。

ちなみに入りは、三部の終わりまでは一階が八割りくらい埋まっていたが、さすがに世の中が動き始めた6日とあって四部は一階が30〜40人ほど。それも時間が深くなるにつれ、次第に少なくなっていた(最後は30人くらいだった)。二階も開いていたのでもう少し人数はあったと思うが、私など時間が自由になる身分は、なるべく初席の後半も聴きに行かねばなと思った。

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