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酒井俊~Newalbum 「PLAYS STANDARD vol.1 」&「 a few little things 」2枚同時発売記念ライブ2days 第一夜

渋谷公園通りクラシックスにて。

酒井俊(vo)、太田恵資(vl)、桜井芳樹(g、banjo)、関島岳郎(tu)、岡部洋一(per)、松永孝義(b)船戸博史(b)

「PLAYS STANDARD vol.1 」と「 a few little things 」に参加したメンバー全員が揃うという二日間の、一日めだけ行った。

特別な二夜、ということもあるだろうが、どの歌もこうでしかあり得ないだろう、と思わせられる演奏で、圧倒され続けた。

特に前半4曲めの「朝日楼」は、浅川マキの訳詞と、浅川マキやちあきなおみの歌唱で知られる「朝日のあたる家」の日本語版だが、歌い出しから引き込まれたので、「朝日楼」云々が思い浮かばず、ただ「朝日のあたる家」の日本語版だな、と思って聴いた。そしてよく知っているはずのこの歌のよく知っている歌詞で、とつぜん涙が溢れてきて自分でも驚いた。

あとで改めて聴いたら浅川マキだってちあきなおみだって、それはものすごい歌唱なわけだから、この夜の酒井俊の歌にはそれだけなにか特別な力があったということだろう。

(話はそれるが、よく知っているこの曲のこの部分でなぜ、というところで涙が溢れたり心動かさされる、という体験を意識するようになったのは、酒井俊のライブを聴き始めたのがきっかけだ。それまでにも、たとえばヘンリー・バトラーのライブで「You Are My Sunshine」を聴いたときなど、同種の体験は思い起こせばあるけれども)

続く「黒の舟歌」の二曲が、自分にとってはこの夜の大きな山で(酒井俊の歌唱はもちろん、間奏での桜井芳樹のギターも、うまく言葉にできないが、ものすごい渦の巻きようだった)、あとは腑抜けたように歌と演奏に身を委ねただけだった。それはもちろん、とても得難い体験だった。

なお松永孝義と船戸博史は、06の「Grape Fruit Moon」から参加。その後の抑制の効いた重低音の微妙な色彩が歌を支えるという演奏は、恐らく二度と聴けない貴重な体験だったと思う(またこの編成が編まれれば別だが)。

その三重低音の中で、15「Alamaba Song」で展開された関島岳郎の、テューバの管を少し抜き気味に調整しながら罅の入ったような音で展開されたソロも、とても印象的だった。

その他メモ的なことを書いておくと、桜井芳樹は01/02/03/07/11/14/16/19でバンジョーを使用。酒井俊は13/16/17でメガフォンを使用(LAの浜辺でラジオから流れてきたと思って聴いて、と歌い始めた17では特に、他もとても面白い効果を生んではいるが、それが使用曲でどのような意味合いを持たされているのか、まだ私は十分な理解に達していない)。08ではMCで下北沢のジャズ喫茶「まさこ」の思い出が語られ、14は古沢良治郎に捧げられた。

繰り返すが、歌い手、演奏者にとっても特別な夜だったと思うが、聴き手にとっても特別な夜、特別な要素が多過ぎるくらいの夜であった。

01 I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
02 Jamaica Farewell
03 アラビアの唄
04 朝日楼(朝日のあたる家)
05 黒の舟歌
06 Grape Fruit Moon
07 初恋〜Down By The Sally Gardens
08 Just Like A Woman
(休憩)
09 Grandma's Hands
10 Fragile
11 四丁目の犬
12 ヨイトマケの唄
13 Feeling Good
14 6月の雨の夜、チルチルミチルは
15 Alabama Song
16 Yes, We Have No Bananas
(アンコール)
17 Love Me Tender
18 リボンの騎士
19 満月の夕

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